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![]() 氷 2000.9.30 冷たい氷をひとつ 口の中で転がして その氷が溶ける前に キスをして 真実 2000.9.30 何処から来たのかを知らないから 帰る場所もわからないの 故郷の場所も知らずに 生まれてきてしまったのね 生まれてきた意味も知らずに 死んでしまうのね 出来るなら真実を一つ 握り締めて 眠りたい 虚構と現実の狭間で 真実を一つだけ・・ 離脱 2000.9.30 手首を強く掴んだら 血は止まるだろうか 命も止まるだろうか 抜け殻になった私の体を あなたに返したい その姿を何処からか 静かに眺めたい 精神 2000.9.30 私が脳を支配しているのか 脳が私を支配しているのか 思い通りにならない感情は 何処で誰が管理するのか 私が動かせない感情を 誰がどう導くのか 期待 2000.9.30 期待することを止めたい そんなこと出来るはずもないけれど 希望を失ったなら もう 人間ではないだろうから 水を探して 2000.9.30 砂漠を歩き続けた 水を探して 渇きと飢えと暑さのこと以外 何も考えられなかった 砂漠を歩き続けた 水を探して 富や夢や愛 何一つ役に立たなかった 水が欲しかった 一滴の水が欲しかった 料理は愛情? 2000.9.29 女は綺麗なお店で 男の作った料理を食べて 男は汚い我が家で 女の作った料理を食べる はて どっちが美味しいでしょう 現代人の孤独 2000.9.29 コンビニ弁当を片手に 家路に向かう青年がひとり プシュッとビールのブルトップを開け テレビをつまみに 夜を過ごす ああ なんて無常な世の中 ああ なんて地味な生活 でも 青年は気づいていなかった 自分が孤独だということに 携帯電話を片手に 道玄坂を歩く少女がひとり しつこく誘うオヤジに流し目を送り ラブホテルで カラオケを歌う ああ なんて非情な世の中 ああ なんてお馬鹿な生活 でも 少女は気づいていなかった 自分が孤独だということに ナマケモノ 2000.9.29 ナマケモノはいつもの木にぶら下がって ユンラリユラリ ただじっとしているようで 哲学を考えていた アリの100分の1の速度で 昨日のことを回想してみる ただ それはナマケモノにとっては なかなかと困難なことだった 生まれてから今まで まったくと同じ一日だったから 次の日 ナマケモノはいつもの木にぶら下がって ユンラリユラリ やっぱり哲学を考えていた 何か変わったことをしてみようと思い 葉っぱを食べて眠ってしまった 怠け者の一日は いつもこうして過ぎていく 夢ポケット 2000.9.29 ママカンガルーのおなかのポケットには 何が入っているのでしょう ハート型のキャンディーと星型のチョコレート 赤ちゃんカンガルーがいい子だと ひとつだけ ご褒美をあげるのだって 君のポケットを探してごらん 何か入っているかもよ ハート型の優しさと星型の夢 大人になってもいい子だと ひとつだけ ご褒美をくれるのだって 秋 2000.9.27 秋は美しい 落ち葉は悲しい 遠い空を眺めて 風に枯れる運命 恋は美しい 涙は悲しい 遠い夢を眺めて 風に迷う運命 かくれんぼ 2000.9.27 もういいかい? まだだよ 待ちきれず 僕を探しはじめる君 もういいかい? もういいよ いつまでも 君を探し続ける僕 もう 君はいないのに・・ 僕をおいて帰っちゃったのに・・ 女の子 2000.9.27 お花を髪に飾ったら お姫様みたいでしょう 夕闇に潤んだ瞳は 娼婦みたいでしょう もう いいよね 2000.9.27 最初から愛してなんていなかったのかもしれない ただ 調度よかっただけなのかも もういいよね いっぱい 楽しかったもの 愛がどうのって問題じゃない 一緒に いっぱい笑ったね 一緒に いっぱい泣いたね そのことが嬉しいよ もう いいよね ごめんね 2000.9.27 悲しいのは 君が変わったから それとも 私が変わったから 小さなジャンプも出来ないくらいに 疲れてしまったよ どんなことでも乗り越えられた頃もあったのに・・ ごめんね そう 言えれば少しは楽なのに 何が悪かったのかさっぱり わからないんだ ただ ただ 好きだっただけなのに ただ ただ それだけなのに 恋愛 2000.9.27 人はすれ違うように出来ているのだろうか 同じ人間でないという理由で 恋は終わるように出来ているのだろうか 愛に変わるべき理由で オアシス 2000.9.27 誰かがいつも思っていてくれるという 安心感の中で どのくらい気持ちよく泳いでいただろう その場所は暖かいオアシスだった そろそろ 冷たい海に向かわなければ ストイックに海で溺れなければ おいしい女 2000.9.25 ワインレッドの口紅を付けるから おいしいワインをご馳走して イタリア製のスカーフを巻くから おいしいイタリアンをご馳走して おいしいものを食べると おいしい女になるの おいしい女になると お金がかかるの 晴天 2000.9.25 突き抜けるような空は 心まで進入してきて 海の色を映した青に 心の水溜りは降参する もう泣かないよ せっかく 乾いたのだから ベランダ 2000.9.25 洗濯物と並んで 風になびいてみる 植物の隣りで 光を吸収してみる 観葉植物 2000.9.25 観葉植物を買おうと思う 何がいいか迷う 一緒に住む男を選ぶより 薔薇のプライド 2000.9.25 私は美しいから刺があるの 美しいものに触りたいならリスクを背負うのはあたりまえよ 世界一プライドの高いバラは言いました そして そのバラの刺は高飛車な鼻と一緒に どんどん伸びていきました いつしか 誰一人としてバラに近づきたいと思うものはいなくなりました バラは言いました 私に触れて 私を抱いて きっと 傷つけたりはしないから それを聞いても ギラギラと強そうに尖った刺が目に入ると 恐くなって みんな逃げて行ってしまいます 自分のプライドに首を絞められた 不幸なバラ 今でもバラは震え上がるほどの美しさでしたが それはただそれだけのことでした 欲 2000.9.25 お金が欲しいの 彼氏が欲しいの 犬が欲しいの プールが欲しいの いくつだって挙げられる でも 心が欲しがっているものなんて もう 何もない ハムスターの苦悩 2000.9.25 ハムスターは思いました どうしていつも車輪を漕いでいるのだろう 僕だって疲れるのに〜 それなのに 目の前に車輪を置かれると やっぱり漕いでしまうのでした それを飽きもせず眺めている男の子は思いました よく 疲れないな〜 たつ鳥跡を濁さず 2000.9.25 いつも公園のベンチで 鳩に餌をあげているおばさんがいました 鳩はアリの大群のように群がって おばさんはフンだらけになりました それでも おばさんは笑っているようでした 鳩は羊のように体を寄合って おばさんの姿は見えなくなりました 次の瞬間 鳩はいっせいに空へ羽ばたきました 辺りには羽一枚残っていません おばさんの姿も 跡形もなく消えていました シャイな団子虫 2000.9.25 いつもいつも嫌われ者の団子虫は いつしか気が小さくなっていました たいした事もないのに すぐに丸まってしまうのです 女の子が指で団子虫を突付きました 団子虫はますます丸くなってしまいました 本当は女の子の顔が見たかったに違いありません そのとき団子虫を覗いたら きっと バラ色の頬っぺたをしていたでしょう 狼さんは何処にでも 2000.9.22 チュウチュウとネズミがなく ニャーニャーと猫がやって来て ギャオ〜と食べた ゴロニャンと女がなく ドレドレと男がやって来て ガルル〜と食べた 鰐 2000.9.22 鰐をお風呂場で飼いましょう 気に食わない人間を餌にして どんどん鰐を肥らせて いつか 渋谷をお散歩しましょう 鰐がゴジラになればいいのに・・ そしたら 私も食べられて おなかの中で飼われましょう 捨て猫 2000.9.22 捨て猫が膝の上で居眠りしている 私は猫アレルギーなのに・・ あんまり気持ちがよさそうなので 起すのも気の毒 もう 好きなだけいてくれていいよ ぬくもりが欲しいのでしょう? カラス 2000.9.22 昔々 真っ白だったカラスは 悪い子だったので 罰として 真っ黒にされてしまいました でも カラスはちっとも懲りていません 神様の目を気にして 他の鳥を羨む振りをしていただけ なぜって 黒が一番かっこいいと思い込んでいますから 自分が一番だと思い込んでいますから 北極熊 2000.9.22 北極熊は思った ここは寒いな〜 そして南へ向かった そうしたら 死んでしまった 人の振りみて・・ 2000.9.22 幽霊を見て 異常に怖がっている男がいました 男は死んで同じ幽霊になりました 友達にひと目会いたくて 姿を現すのですが みんな悲鳴をあげて逃げて行ってしまいます 男は思いました もう幽霊を見ても怖がるのはよそうと・・ 摂理 2000.9.20 ミルクは掻き回すとバターになって アヒルはいつか白鳥になって 氷は溶けると水になって 広い広い海に流れる 私は掻き回すと何になる? 私は溶けると何になる? 肉体から魂を削除したら 空気や宇宙に近くなって 未来を秘めた土になる 過去を秘めた土になる くまさん 2000.9.20 森でくまさんに出会って 「こんにちは」を言いました 街で詐欺師に出会って 「こんばんは」を言いました くまさんがちょっと生き方を間違って 詐欺師になってしまうことも ままあります とりあえず 挨拶くらいはしてみましょう 微笑むくらいはしてみましょう 背比べ 2000.9.20 恐竜の化石を見つけて 数億年昔の世界を想う 蚊の死骸を見つけて 一瞬の人生を想う どちらにしても わずかなもの 星の記憶に比べれば オレンジ 2000.9.20 涙を舐めたら しょっぱくて オレンジジュースで薄めてみたら 美味しくなったよ どっち? 2000.9.20 海の深さと 愛の深さと どっちが深いでしょうね 月の光と 夢の光と どっちが魅惑的かしら? 薔薇の棘と 人の棘と どっちが痛いでしょうね 強い子 2000.9.20 海を眺めていたら なんだか しんみりしたけど 一人でも平気だよ 間に合わせのティッシュみたいな 恋人なんていらないもの 空を眺めていたら なんだか 立ち止まりたくなったけど 歩いて行くよ あり合わせの涙みたいな 哀愁なんていらないもの 一人でも平気だよ 僕は強い子だ 涙ドロップ 2000.9.20 悲しみを音にして届けるから 涙を七色のドロップに変えて 喜びを音にして届けるから 笑顔を七色の虹にして 涙ドロップ おひとついかが? 心の隙間 2000.9.20 行き場を無くした孤独が 出口を見つけられるように 心に隙間を空けておいて 鍵をしめて 何もかも 閉じ込めてはダメよ 風が 雨が 光が 入るくらいには 心に隙間を空けておいて 自由 2000.9.19 何も持っていないからいいんだよ 何にだってなれるし 何処へだって行ける 両腕を広げてごらんよ まるで 天使の翼みたいだ ほら 風が吹いてきた 上手に乗ってごらん 青い空を飛んで太陽が眩しかったら また 帰ってくればいいさ 何処までも自由に 何時までも自由に 何も持っていなくてもいいんだよ 寂しがりの唇 2000.9.19 寂しがり屋と顔に書いてある その頬に口付けする 強がりな唇からもれる息は 思いのほか温かい 触れていてあげる 震えが止まるまで 手で 胸で 足で 悲しみを鎖で縛り ぬくもりで燃やしてあげる ひとりごと 2000.9.19 気付いたら ひとりごとを言っていた 向こうの方で 私の好きな誰かさんも ひとりごとを言っている 君のひとりごとと僕のひとりごとが 知らないところで会話する 知らないところで微笑み合う 瑠璃色の涙 2000.9.15 何か楽しいお話をして 子供の頃の夢を聞かせて 生まれて始めてみた海の色を教えて 生まれて初めて恋した人の香りを教えて 目を閉じる前に 何が見たい? 私の横顔で満足? 何か泣けるお話をして 子供の頃の傷をひらいて 生まれて初めてみた闇の色を教えて 生まれて初めて委ねた人の痛みを教えて 目を閉じる前に見た愛は 何色だったの? 私に見えたのは あなたの涙 瑠璃色の涙 夜明け 2000.9.15 待ち疲れて眠ってしまったみたい もう 夜明け 世界は七色に変化しているわ 私の世界ではあなただけが そう 今も昔も生きているけれど・・ 自愛 2000.9.9 両腕をクロスして 両肩を抱きしめてみた 誰もいないから 自分で抱きしめたの 少し 温かいよ ほんとだよ 薔薇 2000.9.9 少女は永遠に少女のまま 陽に透けた髪は 銀色に輝き 風は嬉しそうに スカートを揺らす 少女は薔薇の花を一本摘み 愛した男に差し出す 棘に気付かない男は 一瞬にして死んでしまう 少女は永遠の意味を知らない 一瞬の意味を知らない 花びらが散って行くのを ただ 不思議そうに眺めるだけ 時にさらわれた人間たちを ただ 遠くから傍観するだけ 100年前の恋を そっと 思い出して 1000年後の愛に思いをはせて 手のひらにきつく 口付けする 赤い血が流れるまで吸い続け その血から またバラが咲く 略奪 2000.9.9 俯いた少年が訪ねてきたので ワインを一杯 ご馳走した 君は幸せかい?と聞くので ええ、と答えた 俯いた少年は 孤独の振りをして 王子様だったのかもしれない でも 私には関係のないこと 今の私を奪うのは 神でさえ無理でしょうから・・ 私らしい 2000.9.9 自分に嫌悪感を感じるほど 不幸な瞬間はないでしょうね 自分に満足感を感じるほど 幸せな瞬間はないでしょうね 好きな人を探す前に 大好きな自分に出会いたい その方が 私らしい シルク 2000.9.9 シルクの美しい下着をつけたら 少し いい女になった気がした この姿を誰にも見せずに このまま 眠りにつこうかしら? 滑らかな肌触りを独り占めして ふくよかな胸と秘密を隠して このまま 眠りにつこうかしら? 睡魔 2000.9.8 頭が重く 首は垂れ 瞼は下へ下へと 落ちて行く 力が抜け 脳は漂い 上睫毛は下睫毛と手を繋ぐ どうか 少しだけ そっとしておいて どうしようもなく 眠いのよ 電話 2000.9.8 掛かって来ない電話を待ち望む 少女趣味は持ち合わせていないから 誰かに電話をしようかな 次の恋でもしようかな 天職 2000.9.8 人間 やる気になれば何だって出来るだろう ただ それをしている自分を好きになれるかは別の問題 何だって出来ても 嬉しくないね 何か一つ出来たほうが 嬉しいね リセット 2000.9.5 今の話は無かったことにしよう 全部 最初からやり直そう 出来る訳もないことを いつも したくなる おしまい 2000.9.5 悲しませたくて 愛したんじゃない ただ 心から 一緒にいたかっただけだよ 傷つけたくて 怒鳴ったんじゃない ただ 後少し そばにいたかっただけだよ ねぇ もう行くのかい? これで おしまいなの? 笑って 2000.9.5 何をして欲しいか言ってごらん 君が望むことをしてあげたいんだ ねぇ 笑って そうすれば 僕も笑いたくなる 君のしたいようにしていいよ もう 止めないから ただ もう泣かないで 僕が変わりに泣いてあげるから ねぇ 笑って もう一度だけ 僕のために 笑って 本望 2000.9.5 空を飛びたくて 何度も試して 失敗して死んだ たくさんの人がいる 私も試してみよう それで 死ぬなら 本望だ 自由 2000.9.5 自由って 何処にでもあるようで 何処にもないようで 謎だ 一つだけわかっていること それは 場所ではなくて 心だということ 何から? 2000.9.5 無人島にでも逃げる? そろそろ 都会にも飽きて来たしね どうでもいい価値観に縛られて 生きるのなんてバカらしい 檻の中の猿じゃないんだから 脱走しようよ! でも 何から? 信念 2000.9.5 染まりたくないと強く思うのは 染まる可能性があるから 忘れたくないと強く思うのは 忘れる可能性があるから ただ 強く思う! それしか 私に出来ることはないから 愛想笑い 2000.9.5 笑っている時にふと思った 何が楽しいのだろう? 愛想笑いなんてヘドが出る 希望 2000.9.5 誰もが悲しみを隠しているのかもしれないね 見せる見せないの違いだけで 誰もが希望を思い出すのかもしれないね 絶望を知った時に・・ 青 2000.9.3 なぜ 海は青いの? 空に憧れて 青くなったんだよ なぜ 空は青いの? 海に憧れて青くなったんだよ 君は誰? 僕は・・ 君を映す鏡さ なくしもの 2000.9.3 なくし物をした いくら探しても見つからない このまま 諦めてもいいのだろうか? さよなら 2000.9.3 さよならをしたくて する人なんていないよ 出会いたくて出会ったわけでもないのに・・ 偶然が奇跡を呼んで 奇跡が現実に戻る瞬間 さよならを言おう 君に さよならを言おう Top of Page |
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