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![]() 時間詐欺師 2000.11.28 明日のことを考えて 気が滅入ったときは 一年後のことを考える 10年後のことを考えて 不安なときは 明日のことを考える それさえ無理なときには 一秒後 息を吸うことに集中し 百年後 息は吸えないと自覚する 晩秋 2000.11.28 花びらを拾うように 枯葉を拾って 晩秋は 寂しくて 名残惜しくて 暗闇に落ちる前の 一瞬の優しさ 幼子に触れるように 私に触れて 女は したたかで しなやかで 眠っていた希望をよぶ 一瞬のぬくもり カフェで恋を思う時 2000.11.28 冷たくしたことを後悔しながら カフェで一日を過ごしてる 私は寂しがり屋 そして 強がり 紅茶が冷めた頃 恋も冷めるかもね 二杯目は何にしようかな・・ あの人 2000.11.28 あの人の笑顔が見たくて 私は笑う あの人の涙が見たくて 私は泣く あの人の死が見たいなら 私は死ぬだろう 命の結晶 2000.11.28 雪の結晶をはじめて見たとき 全ては美しいと思った 満点の星空をはじめて見たとき 世界は途方もないと思った 土を這うアリを踏み潰したとき 命は他愛もないと思った そして 今 私は 生きているのだろうか? 痣 2000.11.28 白い腕を強く掴んだら 紫の痣になった 指の形の 手の形の 彫刻みたい 誰か私を作り直して 髪の毛から爪まで 作り変えて 揺れる心 2000.11.28 知らないほうがいいことを あの人が教えてくれた 良かれと思ってのことだろう 言わない方がいいことを あの人に言ってしまった 良かれと思ってのことだけれど 何も見ず 何も聞かず 何も感じなければ 人生は楽だろうか 氷のように 砂のように ただ 流れて行ければいいのだろうか 天使の羽 2000.11.28 背中に羽のタトゥーをいれた 少年がいました 天使になりたかったのでしょう 彼女を空へ連れて行きたかったでしょう 「バカみたい」と 彼女はいいいました 瞳に涙を浮かべて 心泥棒 2000.11.28 花を摘んできてと 少女は言いました 狼を捕まえてと 少女は言いました 月を盗ってきてと 少女は言いました どれも 本当の欲しいものではないのに・・ ただ 少女の心を奪って欲しかったのに・・ 鈴の音 2000.11.21 鈴の音が聴こえるよ チリン チリン 世界を旅するトナカイの 胸で踊る小さなベル 鈴の音が聴こえるよ チリン チリン 裏通りを冒険する野良猫の 胸で弾む小さなベル 鈴の音が聴こえるよ チリン チリン 夢の中でサンタを探す少年の 胸の中で高鳴る魔法のベル さあ クリスマスがやってくる! 見てしまった・・ 2000.11.21 見てはいけないと言われると どうしても見たくなって 扉を開けてしまったの そこには恋人のグロテスクな姿 知らない女と絡まりあった 世にもおぞましい野獣の姿 唇から血を流して 女の乳房を啜っている 逃げなくちゃ はやく 悲鳴をあげなくちゃ それなのに 一歩も動けない ああ 見てはいけないものを見てしまった これで 全てお終い 人間だと思っていたあなたは 吸血鬼だったのね 美男子だと思っていたあなたは 醜男だったのね ああ 夢が覚めたわ 見てはいけないものを 見てしまった 雨降りの午後 2000.11.21 冷たい雨が大地におちて 青い草原が生まれた 女の子の涙が草原におちて ピンクの花が咲いた ピンクの花を摘む少年は 初めての恋を知る それは ある雨降りの午後の出来事でした 上を向いて 2000.11.21 睫毛が上を向いて マスカラが上手に塗れた日は 気分も良好 寝起きがよくて 朝ご飯が美味しかったら お肌も万全 見上げた空 スーッとして 心まで澄み切ったら 足取りは軽く 未来は上向き そんな日はありったけの幸せを 食べようね 今夜 2000.11.18 行き交う人 通り過ぎる街 私は時折立ち寄って ふと微笑むだけ・・ それぞれが別の場所で それぞれが別の思いで それぞれが 今夜 同じ朝を待っている 慟哭 2000.11.18 この胸の高鳴りは何? 恋? それとも 焦りなのか ドクンドクン 血が流れていく ドクンドクン 血が急いでいく 早く辿り着かなくちゃ あなたに あなたの体内に潜り込み 全てを支配しなくては 罠 2000.11.18 僕の体の一部が 君の中で硬くなる瞬間 全ての謎が解けたような気がしたよ 君の可愛い舌が 口の中でとろけた瞬間 全ての嘘を許してもいいと思ったよ 君は天使に化けた魔女 笑顔の後ろでナイフが光る 僕の体を青い炎を突き抜けた瞬間 魂を悪魔に売ってもいいと思ったよ 罠と知っていて はめられたいんだ 蝶 2000.11.18 胸に染みついた蝶の痣 旅立ちを待っている 手で優しく触れながら 草原の夢を見る この命が潰えた時 私は蝶になる 蝶はヒラヒラと 花の 風の 月の リズムで 美しく舞い踊る 聖夜 2000.11.18 今 なんて言ったの? 眠っていたみたい・・ 君のぬくもりが広がる空間 とても心地がよくて つい まどろんでしまうのよ ねえ なんて言ったの? また 眠っていたみたい・・ もう 何も言わないで 好きなだけ眠らせて 天使が迎えにくるまで 君のベッドで眠らせて 恋が終わるのなんて 花びらが落ちるより 一瞬なのだから ここ掘れワンワン 2000.11.18 大のお気に入りを 口にくわえて 辺りを気にする犬が一匹 後でこっそり食べるため 誰にも横取りさせないため しっぽをフリフリ 土を掘り オクオク深く 宝物を隠す 次の日 庭は穴ぼこだらけ 一心不乱な犬が一匹 不安な眼差しで 土を掻き回す どうやら 何処に埋めたのかを 忘れてしまったらしい・・ まんまる 2000.11.10 人がほとんど猿だったころ 月はまんまるで 心もまんまるだった 人がほとんどアンドロイドな今 月は欠けていて 心も欠けている 丸くなりたくて 泣いている 声 2000.11.10 彼氏も友達も親も上司も 携帯もテレビも音楽も うるさいね〜 かといって 何も聞こえなかったら きっと 寂しくて死んでしまうね 一人ぼっちのウサギみたいに 生 2000.11.10 秋 枯れる前に赤く色ずく 落ち葉を美しいと思い 春 散る前に舞う桜吹雪に ため息をつく 命 消える前の煌めきに 涙し たぐりよせた思い出に 生を見る 鍵 2000.11.10 心に鍵をかけたの 誰にも見られないように ドロドロした膿みが 流れ出さないように・・ 体に鍵をかけたの 誰にも触れられないように グツグツと燃え上がる炎で 焼き尽くさないように・・ 鍵を開ける勇気が あなたにある? 黄泉の国の入り口で 私を待てる? 体は解体され 心は再生する 扉は開かれた 今 あなたの手で 大きな木 2000.11.9 大きな木 おまえの幹をかしておくれ 少し 寄りかかっていたいんだ 木の葉が光を遮って ゆっくりとここで眠れそうだよ 大きな木 僕はもうすぐ死ぬだろう そして 土にかえるだろう 大きな木 僕の血を肉を水を吸っておくれ そして 実をならしておくれ 僕の子供が いつか その実を 食べに来るかもしれないから 誕生日の宿題 2000.11.9 もうすぐ誕生日のあなたに 宿題を出しましょう 一つ大きくなるのだから 頑張って 答えてね 誕生日は 君が生まれた日 その日に 世界が変わったことを 君は知ってる? 誰かが幸せになったことを 知ってる? 誰かが死んだことを 知ってる? もうすぐ誕生日のあなたに 宿題を出しましょう 生まれる前には覚えていた この世での宿題 一つ大きくなるのだから 頑張って 思い出してね プレゼント 目に見えないものより 目に見えるものが欲しいわ ティファニーのピアスとか ダナ・キャランのコートとか 殺された蛇のブーツとか 形あるものなら 捨てられるもの でも 目に見えないものは 捨てられない いつまでもいつまでも 纏わりつく 思い出の死骸が私を縛る 愛の刃 2000.11.9 どんなに冷静で公平な人も 愛する人のことになると 客観性を失います そして 絶対的な味方になって 敵をやっつけようとするのです 愛する人を悲しませる誰かを 許す訳にはいきません 愚かで真摯な感情 愛の刃ほど恐ろしいものはないでしょう そして 強いものも・・ 謎 2000.11.8 謎をといて ねえ 謎をといて 扉を開けて 自分の目の裏側にある闇を恐れずに 見つめてみれば そこに 小さな銀のスプーンが落ちている スプーンを拾い 一口すくって その闇を食べてみて 謎をといて ねえ 謎をといて 扉を開けて 私の中へ入ってきて ブラックホール 2000.11.8 誰かが寂しがるからではなくて 私がただここにいたいから 今 こうしてる 誰かのために生きようなんて 自己満足と自己犠牲の 奢りだろう 私は世界の外側にいるのではなく 世界は私の中にある 愛も 悲しみも 憎しみも 迷いも 餌にして 食べてしまおう 私は大きな ブラックホールなのだから スイッチ 2000.11.8 新しいことなんて 何処にでもあるはずなのに なぜか 何もかもが古ぼけて見える 年をとったからかしら? 大人になったからかしら? それなら 子供に戻ろう スイッチを入れ替えれば すぐに 子供になれるもの そして 旅に出よう 一度出発したら 永遠に到着しない旅へ 出よう 唐辛子 2000.11.8 唐辛子を一本食べたら 死ぬほど辛かった それなのに まだ 食べたい 飢えているね 刺激に 刺激物 2000.11.8 スリルとサスペンスを探してる 火曜サスペンス劇場じゃなくて マトリックスがいいな ロマンとソウルを求めてる トレンディードラマより 大河ドラマがいいな 死ぬか生きるかやってみる? ここまできたら もう それしかないね 私を興奮させてみてよ 杖 2000.11.8 右も左もわからない時 思い出せば 誰かの手が導いてくれたね 一人で生きてきた気分になっても いつだって みんなと手を繋いで歩いてきたんだ そしてこれからも 歩いていくよ せめて おじいさんの 杖になりたい 子犬の目 2000.11.8 少女はいつぬいぐるみに飽きるのか 少年はいつスニーカーを脱ぐのか 月日が順調に過ぎていくようには 子供の心は移り変わらない その場所に立ち止まり 意地を張る子犬の目で 今も 世界を睨んでる 世界の上に おしっこをかける 色んな思い 2000.11.8 色んな花があるように 色んな女の子がいます 色んな雲があるように 色んな形の心があります 冷たい風 熱い風 乾いた夜 潤んだ夕日 色んな思いが溢れます この地球の全ての生き物に 平等に溢れます 蘭 2000.11.7 蘭は死の匂いがする 怪しいほど美しいから 女は蘭の花を隠している 気に入った男に 花の根を張り巡らせる 養分を吸い取り 美しく咲く 乾けば また 新しい獲物を探す 蘭は死の匂いがする 女は蘭の花を隠している 類は友を呼ぶ 2000.11.7 変わり者は変わり者と付き合うので それほど変わり者だとは気付かない 金持ちは金持ちと付き合うので そんなに金持ちな気がしない 類は友を呼び 友はまた類を呼ぶ 周りを眺めて 下らない人間が多ければ 自分もその程度だということだろう 活き作り 2000.11.7 魚は生きたまま食べられる もし 自分だったらと思うと 堪らない気持ちになる でも 美味しそうなので 一口食べてみる うん 堪らなく美味しい! 綿あめ 2000.11.7 まだ知らないことがたくさんあるの それなのに それなのに 人は僕を大人と呼ぶよ 体が大きいからかな? 頭が大きいからかな? 心はまだ生まれたばかりなのに まだ 白くて丸くて こんなに 柔らかなのに お天気雨 2000.11.7 優しさを降らそう お天気雨の中に 天使がひそんでる 泣き笑いの顔に 天使が隠れてる 瞬きをしよう その瞬間 空に 虹がかかるから 君の瞼に 虹がかかるから 何色 2000.11.7 君と海を見るのは これで 何度目だろうね 君とキスをするのは これで 何度目だろうね いつになっても 色あせない色は 何色? BIOS 2000.11.7 花が咲く 虫が鳴く 蝶は舞い 森は歌う ビオスの丘で 夜 2000.11.7 地平線が見えない 空も海も 闇に飲み込まれた 私はどこ? きみはどこ? 何も聞こえない 空も海も 闇に盗まれた 音も歌も 闇に沈んだ 私はどこ? 君はどこ? 夢 2000.11.7 海霧に浮かぶ遠い島へ 行ってみたいな もし 泳ぎが得意だったら ひこうき雲の跡を たどってみたいな もし 翼が生えてきたら 家族みんなで船に乗って 月に行きたいな もし 愛を覚えられたら 冬 2000.11.1 寒くなると 暖めてくれる体が欲しくなる 毛布じゃ 味気ないもの 寂しくなると 慰めてくれるキスが欲しくなる タバコじゃ 虚しいもの 愛が欲しいと素直に思えるうちは 心が温かい証拠かもね 人が恋しいと思えるうちは 自分を愛してる証拠かもね 大抵 2000.11.1 人が二人以上で話すと 後日 言っている内容は違うし 最悪の場合 正反対のことを言い出します 言った言わないほど 下らないことはありません そして 大抵のトラブルは そこから 発生します 耳が悪いか 頭が悪いかの どちらかでしょう 油断 2000.11.1 簡単なことすら 間違うのが人 むしろ 簡単そうなことが一番難しい 当たり前のことが一番出来ない 余裕に油断が忍び込み 失敗を招くのです 慎重に緊張して一つ一つ 取り組んでみてはどうでしょう 不満 2000.11.1 不満があることが不満なら まず 不満に思わないことです それで 一つ 不満が解消されますよ 東京病 2000.11.1 東京病って知ってる? いつもだるくて やる気がなくて 愚痴るのが得意で 人のせいが大好きなんだってさ 空を見て ため息をついたら 赤信号らしいよ 嘘? じゃあ 僕もだ! 動物達の井戸端会議 2000.11.1 働くのは大変なものですね〜 ブタさん 食べるのは楽しいのですがね〜 アリさん 飛ぶのも疲れますね〜 ハトさん 歌うのは楽しいのにね〜 ツバメさん ちょいっとお休みしませんか? そうですね〜 このままじゃ 人間になってしまいますからね 胃薬 2000.11.1 あなたの悩みはあなたのものだから 帽子みたいに 取り替えっこは出来ないの 靴下みたいに 脱いだり捨てたりは出来ないの わかる? あなたの悩みはあなたのものだから 自分で食べて 自分で出してね 消化不良をおこしそうで 胃薬が要りような時は 呼んでちょうだい そのくらいはしてあげる 胃薬になってあげるよ 効かなくても 薬のせいにしないでね 炎 2000.10.26 燃え尽きるまで 抱いていてあげる 最後の一瞬まで 抱いていてあげる それが僕に出来る ただひとつの 最上級の愛だから Top of Page |
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