2000  2001  2002  2003 







きそうほんのう 2002.6.28

生まれた場所に帰っていく本能を
帰巣本能と言うそうです
私も帰ろうとしているのですが
動物より下等な私は
巣の場所を忘れてしまいました

最初から始めてもいいですか?
この場所でしぶとく新しい巣を
作ってみようとしています



仔犬 2002.6.28

隣りにいるのが当たり前だったおまえが
側にいないと寂しいよ
今 どこで 何をしているの?
今 誰と 何を見ているの?
お腹を空かせてはいないかい?
目にゴミが入って泣いてはいないかい?

ここで 心配している前の主人のことなんて
忘れて幸せに暮らしていればいいけれど

帰って来たかったら
帰っておいで
おまえを愛する気持ちに変わりはないから



雨 2002.6.28

霧雨が髪を濡らす
ミストのシャワー
傘なんていらない
酸性雨なんて恐くない

水しぶきが脚を濡らす
泥水のジャグジー
靴なんていらない
水溜まりには落ちない

ただ嫌なのは
心が湿ってしまうこと
上手く鳴らないオルゴールみたいに
同じフレーズを繰り返してる

さむい さむい さむい
誰か温めて



もしかしたら 2002.6.28

満たされることはないのかな
誰といても 何処にいても
何を得ても 何が叶っても

薄々気が付いてはいたけれど
もしかしたらって思ったの
何度も何度もそう思って
やっぱり無理だって思い知るの



温度調節 2002.6.28

暖房つけたり冷房つけたり
面倒くさいのよ
寒いのか暑いのか
はっきりしてよ

また 風邪を引いちゃったじゃない!



憂鬱 2002.6.28

私がいつもわりと元気そうなのは
いつも大して元気じゃないから



プレゼント 2002.6.27

出会いは神様がくれたプレゼント
別れはキューピットがくれた痛いクスリ

クスリはもう飲んだから
プレゼントのリボンを開けていい?
中からあなたが現れて
私にとびっきりのキスをした



夜光虫 2002.6.27

独り占めして
私を見下ろしながら
手を塞いでキスをして

独り占めしたい
あなたを見上げながら
首筋に抱き付いて

キラッと光る眼
フワッと浮かぶ羽
暗闇で愛し合いましょう
発光する裸体を頼りに・・



力 2002.6.27

悲しみを乗り越えることが出来る
あなたがいれば・・



恋人の指 2002.6.27

揺れるふりこの行き先は
待ちくたびれた
恋人の胸

揺れるふりこの行く空は
呆れ顔の
恋人の夢

揺れるふりこの帰り道
繋いだ手に
赤い糸

恋人の指に見つけた



胸音 2002.6.27

あなたの足音を頼りに
あなたの足跡を数えて
ずっと着いて行きたい

黄昏色の音色に
黄昏色の吐息に
身を漂わせながら

未来が優しい
あなたがいる未来が優しい

あなたの眼差しに包まれて
あなたの胸音に耳を澄ませて
ずっと音楽を奏でていたい



私 2002.6.27

あなたを欲しいと思うのと
自分を確かめたいと思うのは
何処か似ている

あなたを好きな気持ちと
自分を好きになりたい気持ちは
何処か似ている

あなたを知って
私は・・
私に近付いた



朝顔 2002.6.27

部屋の中 ベッドが浮かぶ
街の中 部屋が浮かぶ
地球の中 迷子になる
宇宙の中 迷子になる

私はここにいる
それとも
いない?

月明かりに映るのは
誰かの横顔
それとも
朝顔?



難関 2002.6.22

とても好きだということと
その人を幸せに出来るかどうかは別の問題

「好き」は衝動があれば済み
「幸せ」は覚悟と時間が必要

愛なんて簡単じゃない

難関を突破する根性なんてあるの?



去るもの 2002.6.22

うしないたくない
そうは思えない
去るものは追わない
それが定め



内側 2002.6.22

肌に付いた血なら
誰だって気付くのに
心に付いた傷は
誰も気付けないのね

自分でさえ痛みの出所が
わからないのだから・・



はかり 2002.6.22

前の自分 今の自分
比べてしまうの
前の彼 今の彼
比べてしまうの

比べても意味のないものを
比べるのが癖なの
だって 小学校の時から
シーソーみたいな秤器で
よく実験をしてたもの

どっちが重くたって 本当は
どうだっていいのだけれど
均等にするために錘を探すほど
今の私は暇じゃないし



笑顔 2002.6.22

誰かを支え
誰かに支えられて
生きて行ければと思った

誰かの笑顔が好きで
誰かと笑顔を分けて
生きて行ければと思った

愛されていれば
それでいいじゃない?
他になにもいらないよ



悪行 2002.6.22

傷付いているの?
可哀相に・・
でも それは誰が悪いの?
自分でしょう・・

行いの報いを受けるくらい
当たり前のことなのよ



ワイン 2002.6.20

素晴らしい人生に乾杯
陳腐な悲しみにさよなら

ワイングラスの中の
澱んだ血をシンクに捨てて
あなたの買って来た
赤ワインを注いで

素晴らしい未来に乾杯
陳腐な黄昏にさよなら

ワイングラスの中の
沈んだ涙を洗い流して
あなたの買ってきた
赤ワインを注いで



歩く 2002.6.20

私はいつも歩いているな
嬉しい時も
泣きそうな時も
どこかの道を歩いているな

車の光に追い抜かされながら
ぽっかり浮かぶ月に見守られながら

私はいつも歩いているな
あんな道 こんな道
歩いているな
自分の影を苛めるように引きずりながら
自分の行方を目を細めては見つけ出して

今までも これからも
歩き続ける



居場所 2002.6.20

何が欲しくて
何が見たくて
何が聞きたくて
何が歌いたいの?

何処で始めたくて
何処で笑いたくて
何処で踊りたくて
何処で死にたいの?

あなたの胸の中が私の居場所なら
目を閉じて蹲っている私を
迎えに来てよ



何を・・ 2002.6.20

この小さな唇を震わせて
私に何が言えるだろう
この小さな闇を掻き分けて
あなたに何を見せられるだろう

この小さな瞳を濡らして
私に何が伝えられるだろう
この小さな光を胸に抱いて
あなたに何を届けられるだろう

私に出来ることは
私がしたいことに遠く及ばない



時間 2002.6.20

少し時間をくれませんか?
傷を癒すだけの時間を
再生までの時間を

そんな時間さえ
私にはないことが
幸せなのか 不幸なのか
わからないけれど

今はただ願うばかり
少し時間を下さいと・・



四面楚歌 2002.6.20

行き止まり
もう一度やり直す?
それとも
飛び越える?

助けなんてこないから
自分でどうにかしないとね



リプレイ 2002.6.20

まだ何も手に入れてないような
もう何もかもに充分のような
そんな気がしています

これからあと50年生きるとしたら
あとどれくらいの悲しみと倦怠が
あとどれくらいの喜びと期待が
繰返されて行くのでしょう?

繰返しを繰返すことの中の
ただ一つの真実は
終わりが近付いているということだけなのに・・



抱擁 2002.6.20

あなたが与えてくれた愛を
私は忘れそうになっているのでしょうか
あなたが生まれたばかりの私を抱いて
何を想い何を願ったのか
今はもう知る術はなくて

あなたが与えてくれた愛が
この胸に髪に瞳に
刻まれていることを信じて

ぬくもりを思い出すように
心を思い出せたらと
涙の中で望んでいるのです



迷える子羊 2002.6.20

魔女ならよかった
残酷に裏切りを実践出来ただろうから
天使ならよかった
寛容に慈しみを施せただろうから

それほど冷たくもない
それほど優しくもない
人として人が生きることは
悲しく厳しい

神ならよかった
傲慢に命令をくだせただろうから
僕ならよかった
盲目に信仰に従えただろうから

それほど偉くもない
それほど慎ましくもない
人として人を愛することは
切なく険しい

人はみんな
迷える子羊
道しるべをなくした
迷える子羊



手遅れ 2002.6.10

大切なものを忘れないで・・
そうあなたは言うけれど
大切なものを始めに見失ったのは
私じゃなくてあなたじゃなかった?

大切なものを思い出して・・
そうあなたは言うけれど
失ってからやっと気付いたのは
私じゃなくてあなたじゃなかった?

あなたは私よりいつも遅くって
私はあなたを通り抜けてしまったの



選択 2002.6.10

人生は選択の連続です
選び捨てる連続です

両手にたくさんを抱えて歩くことは出来ません
二本足で右と左を歩くことは出来ません

人生は選択の連続です
自分が幸せになる道を
誤ってはいけません

一心に一点に神経を集中させ
一心不乱に飛び込めば
そこに
ただ一つの たった一つの
希望が射しているはずです



必要 2002.6.10

私たちは身軽でいる必要があります
いつでも逃げられるように
いつでも駆け出せるように

私たちは自由でいる必要があります
いつでも旅立てるように
いつでも飛び出せるように

私たちは一人でいる必要があります
いつでも戦えるように
いつでも死ねるように

私たちは愛する必要があります
生きて行くために
生きている限り



バトン 2002.6.10

バトンタッチするの?
なんだい 私はリレーのバトンかい?

そうだとしても
あなたがアンカーのはずでしょ!



季節 2002.6.5

過去は戻らない
未来は掴めない
今は頼りない

戻らない過去にさよなら
掴めない未来にこんにちは
今にありがとう



sweetie 2002.6.5

おやすみ my sweetie
子守唄を聴いて

おはよう my sweetie
木漏れ日に包まれて

あなたが望むなら片時も離れずに
側にいてあげるから
あなたが望むなら
永遠に口付けて
導いてあげるから
安心していて

おやすみ my sweetie
私の胸の中で

おはよう my sweetie
見果てぬ夢を探して
 
あなたが暗闇で迷うなら
光を連れてくるから
あなたが灼熱で乾くなら
唇で潤して
抱きしめてあげるから
安心していて



虹 2002.6.5

虹を探しに
あなたと旅に出たい
この世界を彩る美しい光に
包まれて 愛されて
始まりを探したい
終りまで歩きたい

あなたと二人で・・
虹になりたい



小瓶 2002.6.5

恋の幸せも悲しみも
寄せては返す波のようなものなら
満ちては欠ける月のようなものなら

ダイヤのような煌きを
ハチミツのような吐息を
小瓶にしまっておきたいのに

恋の魔法も悪戯も
蜃気楼に揺れる楽園のようなものなら
水たまりに映る虹のようなものなら

砂金のような輝きを
媚薬のような囁きを
小箱にしまっておきたいのに

私はその中で永遠に
あなたの愛の中で遊んでいるのに



賛歌 2002.6.5

愛は夢に似ている
夢は愛に似ている

愛するのは夢みるようで
夢みるのは愛すればこそ

未来を
ただ 信じたい



形状記憶 2002.6.5

届かない風船を追いかけて
伸ばした手が・・
今もまだ空を彷徨ってる
見えない糸を手繰るように
結んだ指が・・
今もまだ空を彷徨ってる

あなたを
愛してる
求めてる
探してる

走り出しそうなこの体

果てのない恋の後を追っても
限がないのに・・



日々 2002.6.5

何でもないような日々
過ぎて行く
あなたが隣にいる
当たり前になって行く

知らないうちに
愛し始める
とても ゆっくりと
光が水を温めるみたいに
朝日が頬を赤らめるみたいに
とても 秘めやかに
唇と唇が触れるみたいに
瞳と瞳が一つになるみたいに

何でもないような日々
過ぎて行く
そして全てを
愛し始める



我が道 2002.6.5

あなたの未来のために
私の未来のために
今 犠牲にしなければならない何かを
今 諦めなければいけない何かを
忘れないようにしましょう

それが時に恐ろしく傲慢な答えだとしても
決断に責任を持って進んで行きましょう

私の道 あなたの道
後ろを振り返れば転がっている屍を
前を見つめれば浮かんで来る言霊を
受け止めて 覚悟を決め
歩いて行きましょう

それが どんなに傲慢な生き方だとしても



記憶 2002.6.5

どんなに悲しいことが起ころうと
どんなにお互いを傷つけようと
愛し合った日々の輝きは消えぬもの

どんなに悲しい結末を迎えようと
どんなにお互いを憎もうと
愛し合った日々の輝きは消せぬもの

愛に笑ったことがある人なら
愛に泣いたことがある人なら
きっと誰もが知っていること



存在の倦怠 2002.6.1

体を引き裂いて
もう 飽きたから
心を破って捨てて
もう 重いから

生まれ変わるのも面倒だから
私を百年の壺に入れ蓋をして
私を千年の砂漠に吹く塵にして

体を消して
心を消して

もう いらない



デジャブ 2002.6.1

風の気持ちのいい
ビルの上のカフェで
白ワインを飲みながら
音楽に酔いながら

目の前にいるあなたが
近いのか 遠いのか
わからないの

まるでデジャブみたい
私 この窓から落ちて
遠いどこかへ消えてしまうの



幸せと不幸 2002.6.1

私は
幸せも不幸も
飼っている
幸せに 餌をやり 水をやる
幸せに 話し掛け 可愛がる
でも・・
時々は間違って
不幸にまで餌をやってしまう
不幸にまで話し掛けてしまう

私は
幸せも不幸も
飼って生きている



痛み 2002.6.1

悲しい出来事の痛みに堪える方法
それは・・
今も今までも一人だと気付くこと
今もこれからも一人だと気付くこと

私は強い
一人で痛みに堪えられるくらいには・・



傷の後遺症 2002.6.1

傷つかないと思えば
傷つかないですむ
でも・・
それが正直な気持ちかはわからない
後遺症が残らないとも限らないから・・



あなただけの私 2002.6.1

私の知っているあなたは
私だけのあなた
他の人が知っているあなたを
私は知らない

あなたが知っている私は
あなただけの私
他の人が知っている私を
あなたは知らない
きっと・・ ずっと



一秒前の真実 2002.6.1

未来 どうなるかなんて
誰にもわからない
思った通りになるかもしれない
思いも寄らなくなるかもしれない

未来 どうなるかなんて
一つもわからない
今 ここであなたを愛していると思う
私が過去いたことが
一秒後の真実
未来 ここであなたと生きていたいと願う
私が今いたことが
一秒前の真実



未知 2002.6.1

何色の涙かをあなたは知らない
何のための笑顔かをあなたは知らない
私達は別の人間で
それだからこうして
隣り合って 寄り添って
傷つけては 抱きしめて
強がっては 甘えて
まだ 何も掴めないでいるのね



行方 2002.6.1

命って いったい
どこから来て どこへ消えて行くの
人生って いったい
どこから始まって どこで終るの

世界って 人って 愛って
いったい
どこにあるの? どこにないの?

私は あなたは
どこで出会って どこで離れて行くの




Top of Page

はじめまして    詩&写真  Utatane日記  ひとりごと    散文  童話  リンク  BBS