心の海辺 2006.6.29

心の空白が気になって
隙間から砂を入れてみた
サラサラと
音が聞こえて
少し楽になった
水を入れて海にしてみた
息を吹きかけて風にしてみた

心の空白の砂浜で
月を眺めながらうたたねした

心の空白の海原で
波にたゆたいながら泣いた

空白があってよかった
心の中に
帰る場所を見つけた



朝陽 2006.6.29

時々津波のように
襲ってくる寂しいという感情
逃げることは不可能
飲み込まれるしかない

ただじっとして
流れる涙を見送り
暗闇でチカチカする
光を見つめる

死にはしない
耐えれば
必ず海は静まる

朝方清らかな水面に手を入れて
くるくると回せば
太陽を含んだ生まれたての泡粒が体内に流れ込む

否応なしに
湧き上がる力に突き動かされ
私は立ち上がる

これが 生きるということか



プライスレス 2006.6.29

誰だって家に帰りたがってる

でも 家なんてどこにもないから
途方に暮れてる

ローンを組んで
家を買っても
帰りたい家じゃなきゃ意味がない

愛する人と憩える場所が
きっと家だけれど
それはお金じゃ買えない

でも、お金がないと
もっと買えない



私って 2006.6.25

あわてながらのんびりして
疲れたら泣いて
怒りながら素直になって
悩んだら笑って

生きながら夢をみて
目覚めたら詩を書いて

私って
そんな感じ



欲望の中の愛 2006.6.25

欲望の中に見え隠れする愛が私を満たす
愛の中に見え隠れする欲望が私も燃やす

今のキスは
どっち?

それとも
欲望



ぺしゃんこ 2006.6.25

あなたの重さで潰されてしまえばいい
あなたの愛で
あなたの体で
あなたの情熱で
あなたの体温で

押し潰されて
ぺしゃんこになって
べとべとになって
あなたの皮膚に入り込むの
そして
血管に口付けするわ
心臓を舐めまわすわ

あなたの重さに押し潰されて
ぺしゃんこになってしまいたい



して 2006.6.25
あなたに抱かれながら思う
もう好きにして

汗と体液でぐしゃぐしゃになりながら
あなたと私の区別もつかずに思う
もうどうにでもして

私をめちゃくちゃに砕いて
好きなように貼り合わせて
あなたを気持ちよくして
私を気持ちよくして

もうぜんぶあげるから
好きにして



ポジション 2006.6.25

あなたの隣にいる今が
単純に嬉しいから

この場所をキープして
色んなゲームに挑戦しよう



他人 2006.6.25

あなたとは

コーヒーとクリープみたいだったのに
葉っぱと雫みたいだったのに
今では公園の
ブランコと砂場くらい遠いね

別の場所で
違う人と遊びながら
時折どうしてる?
なんて目をやる程度

あなたとは

双子みたいだったのに
今では
他人みたいだね

実際に他人だから
他人みたいだと悲しいね



旅人 2006.6.22

夢を集めています
愛を集めています
私は採集家

捕ってきてはピンで留めて
標本にして眺めます
たまに蝶のように
ひらひらと飛んで行ってしまうのがいますが
そんな時は懲りずに
最初からやり直し

夢を探しています
愛を探しています
私は冒険家

遠いほど向きなり
追いかけたい性分です
たまに傷ついて
ゆらゆらと流れに身を任せますが
すぐに立ち上がり
唇には笑みを湛え

夢を生み育てます
愛を生み育てます
私は夢想家

虚構の中で種を見つけ
現に喜びを連れ帰ります



カタコト 2006.6.22

私の体にはカタコトと
いろんなものが入ってるの

横にして振ってみる?
縦にして組み伏せる?
あなたには覗かせてあげる

深淵に触れて感じたなら
私の中に入って
カタコトと音を鳴らして



堕天使 2006.6.14

騙されたいと思うのよ
上手にね
騙して欲しいの

甘い言葉と柔らかな抱擁で
切なげな瞳とほとばしる情熱で
私をふわふわと舞い上がらせて欲しいのよ
空から戻って来れないくらいに

騙されてると気付くことなく
騙されるのは
とても気持ちが良さそうだもの
男の手のひらの上で転がりながら
快楽を享受できるもの

それなのに
どの男も中途半端で
私は昇天できないわ

地上で暇を持て余す
堕天使じゃあるまいし

私の方が悪者なんて
勘弁してよ



しとく 2006.6.14

あなたと
ずっとむかし出会ったから
今の私がいるのよ

まあ、本当は
会わなくても大差なかったかもしれないけど
一応ね、
あなたのおかげってことに
しとく



元気? 2006.6.14

元気だろうとは
思ってたけど
やっぱり
元気だったんだね

ちょっと悔しい
ちょっと嬉しい



しみじみ 2006.6.14

今の私は
とても余裕がなくて
人のことまでは無理で

でも
自分の面倒は昔より
良く看れるようになってきて
扱い方にも慣れてきて
餌をあげたり 休ませたり
お尻を叩いたりするタイミングも
大分習得してきて

それで満足してるわけじゃ
ぜんぜんないし
人より成長が遅くて笑っちゃうけど
こんなんが
私なんだな〜
と、しみじみしてるの



愛について 2006.6.14

人を愛すのには
才能がいるのかな?
詩を書いたり絵を描いたり
歌を歌ったりするように
向き不向きがあるのかな?

人を愛し続けるには
努力がいるのかな?
勉強したり綺麗になったり
偉くなったりするように
頑張ればすむのかな

練習すればましになるけど
限界があるもんね・・

人を愛して幸せになるのには
何が必要なのかな?
才能も努力も
覚悟も
色々と必要なのかな〜

学校のテストみたいに
必須課題が多すぎて
ごちゃごちゃと面倒で
愛する気がなくなるね

もっともっと
シンプルだったらいいのに

ただ生きるように
ただ愛したいな



流転 2006.6.10

少しも自由じゃないけれど
別にいい
不自由だけれど
これでいい

ジタバタする元気はないから
流れに巻かれながら
転がりたい

海に出るか
水溜りに出るか
知らないけれど

転がっていようと思う



情熱 2006.6.10

才能があるかないかなんて
死んでみなきゃ
わからないから
そんなに気にならない

それより問題なのは
情熱を
どう保って行くかってこと

生きることや夢が
どうでもよくなったら
きっと
終わってしまう



時間内 2006.6.10

時間は限られているから
どうしたって
優先するべきことを
優先してると
結局
それで終わってしまう

きっと 人生も
そうなんだろうな
優先するべきこと
一つやるので
手一杯なんだろな



いいじゃない 2006.6.10

欲しいもの全部
手に入れたらいいじゃない

金も名誉も人の男も
家も子供も永遠の美も
何としてもすべて
もぎ取ればいいのよ

欲張りだって
いいじゃない
傲慢だって
いいじゃない
それで
幸せならいいじゃない
それで
満足ならいいじゃない

欲しいもの全部
手に入れたらいいじゃない

本当に欲しいのなら




きらきらとした孤独 2006.6.8

きらきらとした孤独を身に着けて
生きて行きたいな

闇の中で七色の羽を広げる孔雀みたいに
光を振り撒いて
辺りを照らしたいな

街の中で目を尖らせて爪を研ぐ猫みたいに
背筋を伸ばして
様子を窺いたいな

空と大地を飛び交い番を呼ぶ蛍みたいに
あっという間に愛して
死んでしまいたいな

きらきらとした孤独を身に着けて
生きて行きたいな

七色の孤独を振り撒いて
辺りを照らしたいな



何も 2006.6.8

時々わからなくなる
何がしたいのか・・

もしかしたら
何もしたくないのかもしれない

きっとそうだ
何もしたくないんだ



信じられない 2006.6.8

毎日たくさんの人が死んでるみたい
大人とか子供とか老人とか
あの国でもこの国でもこの街でも

毎日たくさんの人が泣いてるみたい
痛くて苦しくて救いがなくて
二階でも一階でも地下でも

テレビや携帯が
教えてくれるだけだから
本当のことかどうかはわからないけど

毎日たくさんの人が死んでるみたい
毎日たくさんの人が泣いてるみたい

信じられない気もするけど
全てを信じるとしたら

私が生きてることが
信じられない



生き様 2006.6.8

幸せにならなくちゃと
思うのは疲れるね

幸せという言葉で
何を括りたいんだか・・

幸せじゃなきゃいけないみたいな
風習は恐いな

子供の頃に持たされた幸せバイブルを
拭い去れない自分も嫌い

誰に羨ましがられたいわけじゃない
誰に認められたいわけじゃない

自分を信じて
自分を開拓して
自由にやりたいだけ

それなのに
気にするなんて
バカだよね

幸せにならなくちゃと
思う暇もなく
猪突猛進に
生きたいな
情熱に身を焦がして
死にたいな



Home 2006.6.6

ここが一番いいと
思うために
旅に出るのだろうか



植物 2006.6.6

植物を育てていたら
どのタイミングで
どのくらい水をあげればいいのか
自然とわかるようになってきた

自分の喉が渇くみたいに
何となくわかるようになってきた

人と愛を育もうとしても
どのタイミングで
どのくらい愛せばいいのか
さっぱりわからない

自分の喉ばかり渇いてしまって
日に日に衰弱してしまう

あなたが植木だったら
よかったのに
光と湿度に気を使い
ちゃんとお水をあげるのに



ヒロイン 2006.6.6

私は私の人生の主役だけれど
あなたの人生にとっては脇役
でも メインキャラクターになりたいと
目論んでいるの

今日は一緒に
ワインを分け合って
パンを分け合って
チキンを分け合って
吐息を分け合って
体液を分け合って
刹那を分け合って
過ごせたから良かった

こうして
あなたとわたしの人生を
混同して
愛を深めて行きたいの

あなたのヒロインになりたいの



piece 2006.6.1

あなたの首に手をまわして
あなたに口付けながら
あなたの黒髪の横で
ちょこんと輝く
猫の爪みたいな月を見てた

ずっと見てると
星もたくさん見えてきて
空は限がなく広くって
少し恐くなった

あなたの胸に抱きついて
あなたの心臓の音を聞きながら
凪いでは満ちて行く
金魚の泡みたいな波を見てた

耳を澄ませば
海の生き物が泣いていて
底は限がなく深くって
少し恐くなった

少し恐くて
でもバカみたいに幸福で

私は風の一部だった
私は光の一部だった
私は音の一部だった

私は尊くて儚くて痛々しい
掛け替えもなく唯一無二な
この世界の・・

まぎれもなく一部だった



空 2006.6.1

空が空一面広がっていて
360度のパノラマで
そんな当たり前のこと忘れてた

可能性は無限なんだってこと
思い出した

たぶん・・
やる気になればなんだって出来る

可能性は無限
空が空一面広がれば




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