願望 2007.10.31

あなたの全てを征服したい願望が
一瞬でも叶えられる気がして
飲み込んだ

のぼりつめるまでの
命だと知りながら



蛇おんな 2007.10.31

あなたを丸ごと食べて
殻だけ吐き出すの

あなただけが欲しいの
他はいらない

その体と心だけが
あればいいのよ



見てて 2007.10.31

話してるときも
キスしてるときも
抱いているときも
のぼりつめるときも
ちゃんと私を見てて
じっと瞳を見てて

あなたの角膜に私を映して
死ぬまで持って行って



気づかずに 2007.10.31

あの人の前では綺麗でいたいと思った
可愛い笑顔を見せたいと思った

なのに私は空回りしてしまう
引きつった笑顔にあなたが
脅えているとも気づかずに



手品 2007.10.31

下手な手品をするから見てて
あとで種明かしをするから待ってて

花が鳩になって飛ぶのを見てて
唇から恋が零れるから食べて

種明かしするから楽しんで
その前に一度抱いて



言い訳 2007.10.31

嫌いじゃ絶対ない!
好きかはわからない・・

怒らないでね
わたし、頭が悪いのよ



雨が止んで 2007.10.27

雨が止んで
音が消えた

恋が終わると
何が消えるのかな?

静かで恐くて
少し泣いたよ
雨に濡れてキラキラ光る

強い風のあとに現れた
澄んだ空に

祈ることは
もうないのかな



夢 2007.10.27

残ってる
匂いが 肌の感触が
さっきまで触っていたんだから
当たり前だよね

もう二度と会えない場所に
あなたが行ってしまって
取り残された私
地球にポツンとしてる

どうすれば会えるんだろう?
っていう思い
掻き消して

あなたの匂いのするパンツの傍で
眠るから

今日も夢に現れて



あのね 2007.10.25

あのね、
抱いて

あのね、
愛して

あのね、
あのね、
あなたが好きだよ

あのね、
の先を言うことなく
死んでも



ひとりで 2007.10.25

あの人もこの人も
私もあなたも
孤独で

右往左往して
掴んでは放して

あ〜、
嫌になるね

恋は切なくて
人は痛くて
あなたもわたしも
ひとりで



ダメな女 2007.10.25

電話が来ないと気をもむのも
電話をしなくちゃと気にするのも
私には重くて

会いたくて会えなくて切ないのも
会わないといけなくて疲れるのも
私には辛くて

焦がれるのも
慕われるのも
手におえず・・

恋することができない
ダメな女



思い込み 2007.10.25

いつまで出来るかな?
あなたを好きじゃない振り・・

振りが本当になるまえに何とかしてよ

仮病で病気になるタイプだから
空元気で元気になっちゃうのよ



いいのかな? 2007.10.22

恋って悲しいな
しなくてもいいことをして
傷ついて
泣いて

それでも
幸せなのかな?

好きな男に抱かれるとき
女は
満たされるのかな?

見上げた場所にあなたの顔があって
腕を絡ませて
口付けることができれば
それで、
それだけで、
いいのかな?



包んで 2007.10.22

白い天井じゃなくて・・
あなたの顔があればいいのに

冷たい布団じゃなくて・・
あなたの体があればいいのに

寒くなってきたから
抱いて寝てよ

大人しくするから包んで



愛して 2007.10.22

才能のある人が好き
けれど才能のある人は
残酷で

私はいつも小さくなる
怯えて膝を抱えじっとする

あなたが砕けた笑顔で現れて
欲しがってくれるのを待ってる

目隠しして
手を縛って
キスをして

私を闇に突き落として

突き落とした場所で
愛して



怠惰 2007.10.22

死んでみたい
生きてみたい
愛を知りたい

なにもわからない
興味より怠惰が
私を支配する



ください 2007.10.22

私からは無理だけど
もしよかったら
ください

愛をください



つまらない 2007.10.22

眠っていた
つまらない夢を見て
目が覚めた

この世もつまらなくて
どうしたらいいのやら

眠っても
起きても
おんなじね



貝殻拾い 2007.10.19

フンフフンフフ〜ンと
彼女は貝殻拾い
ランラランララ〜ンと
私はヤドカリ遊び

たのしいね
きれいだね

コバルトブルーの魚
クルクル泳ぐ
トロピカルな海
ユラユラ光る

フンフフフフ〜ンと
彼女は貝殻拾い
ランラランラ〜ンと
私はヤドカリ遊び

あ、ヤドカリ住んでた!
と彼女は驚いて
小さなピンクの貝を
海へかえした



宝石 2007.10.19

砂粒が宝石
綺麗な地球の星屑

キラキラキラ
サラサラサラ

素肌にこぼして遊ぶ

あ〜
この一粒になりたい



海を見る 2007.10.19

海を見る
波の音を聴く
ワシが飛んできて
一周して何処かへ消える

遠くで釣りをしているおじさんが竿をあげた
釣れたのかな?

また海を見る
光を追う
太陽が顔を出して
透明がもっと透明になる

車椅子のおばあさんがさっきから動かない
生きてるかな?

ずっと
海を見る

ずっと



そういうこと 2007.10.19

なにもなくて
ぜんぶある

そういうこと



輝く城 2007.10.19

砂の城を作って遊ぶ

この曲線が美しい

どの角度が素敵かしら


名もなきアーティスト

夕日を浴びて輝く城
名もなき
意味もなき
現代アート



砂の城 2007.10.12

恋が沁みてゆく
肌に浸透し
日常が香りだす

積み重なった時の砂が
眺めのいい城になるころ
あなたは
かけがえのないひとになる

砂の城を守りたいと
浜辺へ駆け出すわたしを
どうかつかまえて



おかえり 2007.10.12

日向にあきたら日陰へ
日陰へあきたら日向へ
そんな風でいいのかな

仕事にあきたら遊んで
遊びにあきたら仕事して
そんな風でいいのかな

ひとりにあきたら愛して
愛にあきたらひとりで
そんな風でいいのかな

わたしにあきたら
あなたはどこかへ行くの?
どこかへ行くのにあきたら
帰ってくるの?

わたしはどうしたらいいのかな?
あなたとずっといたいと思うのに・・



ただいま 2007.10.12

ただいまを言うから
おかえりを言って

放浪するのは疲れるの
あなたをわたしのお家にしたいの

ただいまと言ったら
両手を広げて
胸の中に入れてくれればいいの

ただいまと言ったら
好きと言って
キスをしてくれれば
それでいいの



椅子取りゲーム 2007.10.12

綺麗な女性が
この世から絶滅したら
少しは自信がもてるかしら

優しい女性が
この世から消滅したら
少しはやる気が出るかしら

あなたの周りの女性が全員
実はエーリアンだったら
私にも勝ち目があるかしら

競争は昔から苦手なの
どうぞと席を譲るタイプなの

あなたが椅子になって
私を座らせてくれないと
きっとあと少しで
透明になる運命よ



人魚姫の微笑み 2007.10.12

口のきけない人魚姫
あなたは好きと言えません
無垢でおバカな人魚姫
駆け引きなんて知りません

ただ遠くから見つめてた
ただ心から祈ってた
王子様の幸せを
そしていつの日か結ばれる日を

口のきけない人魚姫
せっかく手に入れた足なんて
なんの役にも立ちはしない
純粋で真っ直ぐな人魚姫
美しい瞳で物語らなきゃ
瞳だって役不足

泡となってもいいなんて
それでも悔いはないなんて
嘘ばっかり

口のきけない人魚姫
あなたに言葉をあげましょう
心を綴り王子への
置き土産にするといい

海の泡を見るたびに
王子の頬を涙がつたい
海の波間に零れれば
風はあなたのために泣き
波はあなたのかわりに踊り
そこでふたりは出会うから

人魚姫
あなたはそれを拠りどころに
神々しく微笑んで
夕日色の指先で
王子の唇を奪うといい



好きになったんだ 2007.10.12

家が欲しくて
わたしは恋をするのかもしれないな

ぬくもりの近くで暖をとって
安らいでいるのかな

遠い昔、記憶の中で包まれた
家族の匂いに
憧れているのかな

あなたの傍がそれに似ていて
好きになったんだ



三日月 2007.10.12

幸せになってはいけないと
思ってるわけではないんだけど
どこかでひとりが落ち着くと
思ってるのは事実だな

寂しくて虚しくて風通しのいい
そんな場所で
居眠り

空には
三日月



似たもの同士 2007.10.12

あなたは嘘つきですか?
わたしは嘘つきですか?
あなたに愛はありますか?
わたしに愛はありますか?
あなたと手を繋ぎますか?
私と手を繋ぎますか?

Yesですか?
Noですか?

また嘘をつきますか?



同じこと 2007.10.9

流されて
流されて
何処にたどり着くのかな

天国かな
地獄かな

流された
その先に
あなたがいるなら

どちらでも同じことかな



闇を超えて 2007.10.9

子供も大人も
おばあちゃんも赤ちゃんも
ひとりで眠りな

自分のベッドで
恋しがりながら
闇に耐えな

私たちは
宇宙に置き忘れられた
塵だから
海原に産み落とされた
卵だから
シーラカンスの息遣いで
光をめざすよ

天使も悪魔も
今も未来も
ひとりで眠りな

自分の枕で
愛を唱えて
闇を超えながら



死んでゆく子供たち 2007.10.9

逃げるように
テレビを消した
エイズで死んでゆく子供たちの
惨い現状を見ていて
辛くなった

何も出来ないのか
何もしていないのか
私はなんなのか・・?

父とは母とは子とは
人とは
なんなのか・・?

ただ死んでゆく命が溢れている
真実

見て見ない振りをする罪に
気づきながら
自分たちは生き長らえていると
安堵する卑しさに
吐き気がする

笑っていられるのも今のうちさ



つながる 2007.10.9

どんなに偽善を振りかざしても
自分が酷い目に合わなくてよかったと
心のどこかで思うんだ

せめて誰もが平等でよかった
逃れられない死というもので

遠い命とやっと繋がる



救済 2007.10.9

人は悪で出来ているのか?
だから戦争で人を殺すのか?
人は善で出来ているのか?
だから戦争で人を救うのか?

責める殺人と
守るための殺人との
境界線はどこなのか?

憎しみを救済する術はなにか?
武力か経済か知識か?

愛の手で人を救った
偉人たちの涙が
枯れるまで

変わることはないのか・・



いいかな・・ 2007.10.4

大好きな秋が来て
私はまたひとつ
年をとるんだ

紅く染まる葉を見るのが
好きだから
それもまたいいかな・・



お隣さん 2007.10.4

自由過ぎて
不自由を探していたけど
やっぱり私はこの場所が好きで
あなたもあなたの場所が好きで

それはそれで
うまくいくかもしれないね

「ごめんください」
と、訪ねたら
「どうぞ、どうぞ」
と、招き入れて
お茶が冷めたら
「いかがです?」
と、勧めて

同居人じゃなく
気の合うお隣さん同士で
なんだかんだやっていけるかもしれないね



秋の夜長 2007.10.4

秋の夜長に何をしようか
本を読もうか
映画を観ようか
詩でも書こうか

酒を飲もうか
話をしようか
キスをしようか

まだ、朝までは遠いから
なにもせずに過そうか

すべてに飽きたら
恋をしようか
マロングラッセを食べながら



女 2007.10.4

血の匂いがする・・

女って恐いな

生々しくて
悲しいな


考える人 2007.10.2

愛が見えたらいいのに

死ぬべきか
生きるべきか
はっきりするから



今 2007.10.2

愛すなら
愛してよ

明日と言わず



蟻んこ 2007.10.2

意気地がないと
笑ってよ

あなたのこと
好きな想い
秋風に乗って
届きますように・・

願う以外には
なにも
出来ないくらい臆病な私を
蟻んこと呼んで
可愛がって



あなたがいい 2007.10.2

あなたが欲しいんじゃない
ただ、ひとりじゃ寂しいんだ

そう思い込んで
電話を放り投げた

あなたじゃなくてもいいなんて
言い訳
あなたがいいから
浮かぶのに



気持ちわるいけど 2007.10.2

電話したい
でも、出来ない

そんなことに
嫌気が差して

止めたくなる


たぶん
止められない


電話したい
でも、しないままで・・

好きだよ

気持ちわるいけど



寒いよ 2007.10.2

あなたの胸で眠りたいのに
言えないなんて
バカみたいだ

北極より遠い
あなたの胸に
頬ずりしても
寒いよ



へっちゃらよ 2007.10.2

このわずか30分の間に
私の心は
希望→期待→(ちょっと待て)
不安→躊躇→(やっぱり)
諦め→失望→開き直り
というふうに
変化しました

大丈夫
もう、悲しくならない
あなたがわたしを
どう思おうと
へっちゃらよ



恋時計 2007.10.2

さらさらと砂が落ちてゆく
はじまりの方へ
終わりの方へ

さらさらと恋が流れてゆく
はじまりの方へ
終わりの方へ

逆さにして繰り返す
時を止めないで

あなたの指に私の指を重ねて





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