一番星 2009.4.30

お互いの一番星だったら
いいよね
ってあなたは言う

それ以外に星が見えないくらい
暗闇だったらいいのかな?
それとも周りを蹴散らすくらい
輝いていればいいのかな?

お互いがお互いしか目に入らないくらい
わたしはあなたに
あなたはわたしに
夢中だから
問題ないよね
今は



虫 2009.4.30

虫を殺そうとしたら
逃げた

中途半端が恐くて
必死で殺そうとした

そんな自分が
ふと
おそろしくなって
知らん振り



欲張り 2009.4.30

行くのも嬉しい
帰ってくるのも嬉しい

私はなにもかもが欲しいんだ



新幹線 2009.4.30

あなたの左手が私の左手を
あなたの右手が私の右手を
つかむから

空いている手がなくて
コーヒーが飲めなくて
我慢した



面倒くさがり 2009.4.30

面倒臭いことしないでよ
簡単に醒めちゃうからさ

あなたのこと
どうでもよくなるような
面倒臭いことしないで



本当は 2009.4.30

笑っているから楽しいというわけでもない
泣いているから悲しいとも限らない

誰にわかるというのだろう
そのひとの心のことなんて



業 2009.4.30

息抜き程度の浮気なら許されるのかな
された方の息抜きはどうするのかな?

誰かが外界で息を吸うたびに
誰かが地底で窒息する

その繰り返しで辺りには
生きた死んだ屍がうごめいてる



可愛い女 2009.4.30

可愛い女になることにいささか疲れてきたみたい
可愛い女ができることにいささか飽きてきたみたい

あなたが求める女というものよりわたし
男に近い生き物みたい



中性洗剤 2009.4.22

女って綺麗だね
男って汚いね
お互いに言い合って
いつか
中性洗剤みたいに
ちょうどよく
交じり合ったりするのかな

風に揺られて
あなたのパンツが
気持ちよさそうに揺れているけど



メトロノーム 2009.4.22

ゆらんゆらん
あなたが私を揺らす

メトロノームの規則正しさ
カーテンの風にまかせて
いつまで続いて行くかしら

あなたが私に口付けて
私があなたの髪撫でて

ゆらんゆらん
ふたりは揺れる

メトロノームの規則正しさ
恋の呪文をくりかえし
いつまで続いて行くかしら



一体感 2009.4.22

あなたは
私を一部だという
自分のすっぽり一部だという

私はあなたになったのかしら
そうかもしれないと少し思う
それならそれで生きて行くのも
いいかもしれないと少し思う



この先に何があるのか 2009.4.22

ほんの少しの隙間を
あなたは感じ
それが不安だと私を突き上げる

ほんの少しの隙間を
私は感じ
それがおかしくて小さくふるえる

ふたりはまだすっかりと一つじゃない
そのことに安堵して絡みつく

これからまだ一つになりようがあるんだ



エスカレーター 2009.4.22

エスカレーターに乗る瞬間
躊躇する子供だった

最初の一歩に足踏みする
恋では今も子供ね



井の中の蛙 2009.4.22

知るのと知らないのと
どっちが幸せなのかな

海を見なければ
海へ行きたいと
思うこともないけれど

水槽を大海と信じて死ぬ
深海魚も悲しいじゃない



ひとつ 2009.4.10

綺麗なものをふたりで見たい
美味しいものをふたりで食べたい
楽しいことをふたりでしたい
ふたりで眠りふたりでしたい

ふたりがひとつになるくらい
ひとつがひとつになるくらい



目を閉じれば 2009.4.10

終わりを予期して
愛してるって言ったんじゃない

ただ込み上げるなにかが苦しくて
そう言ったの

あなたが私を抱く腕に
力がこもって苦しかった
苦しくてでも嬉しくて

恍惚の中で目を閉じれば
この世も
あなたも
いなくなるのね



永遠という国 2009.4.10

高層ビルの窓に
ぽっかりと月が浮かんでる

綺麗だね
満月
あなたと見れてよかった

あなたと
一緒に月を
あと何度見ることが出来るだろう

連れて行こうか
永遠という国へ
そこでひとりで生きるなら
連れて行こうか

朝が来るまで
せめて寄り添い合っていよう



満月の夜に 2009.4.10

満月があんまり強く輝くから
太陽かと思ったとあなたは言う

可愛いね
あなた
わたしの子かしら

それとも
わたし
あなたの子かしら

月の引力に吸い込まれるように
私たちはくるんとひとつになる
溶け合った水は交じり合い
溢れたら・・
それをまた舐めるのね



マクラ 2009.4.10

あなたのマクラで寝ていい?
狭いけどそうしていい?




Top of Page

はじめまして    詩&写真  utatane日記  ひとりごと    散文  童話  リンク  BBS