9th トップリーグ入替戦観戦記
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12月8日

今年最後の大会は2016年櫻田記念以来の石川県金沢市で開催されます。先の全日本総合もそうでしたが、かなり暖かい。
冬の北陸ということで相当の寒さを覚悟していましたが…まだ12月前半でも昔はベンチコートとか普通に着てましたよね。ジャージで十分、半袖ポロシャツで余裕の部員もいますし、やはり温暖化しているということでしょうか。

いつもなら試合会場で前日練習を行うのですが、ここは石川県…と言えば6人制Vリーグに所属しているPFUブルーキャッツが石川県かほく市に本拠地を置いています。実は今、PFUってリコーグループなんですよね。社名の由来からしてちょっと不思議な感覚ですけど。
で、以前PFUの試合をリコーが応援したことがあって、その縁があり今回石川で開催される大会においてPFUの体育館をお借りできることになりました。PFUのバレー部は天皇杯・皇后杯 全日本選手権で遠征中のため、ちょうど空いていたことも幸い。
これはリコーとPFUの関係でしたが、折角なのでRI東北もどうですか?とお声がかかったわけ。もちろん、ありがたくお受けしました。

でもリコーとRI東北は同じリーグ戦で対決するので、1位しか入替戦に進めないルールとしては敵に塩を送るようなもの。まあ昔から交流戦とかしてきましたし、その辺は親睦があるというか…その寛大な取り計らいに心から感謝します。
すぐそこはもう日本海という立地には少し驚きがあります。「時間を気にしなくてもいいっていうのは大きいですね」と永井監督、ただ…9人制ポール用の穴はありましたがネットが6人制用しかないので、6人制ネットしか張れませんでした。9人制あるあるですね、これは。

ブルーキャッツの大きな横断幕が飾られている中、じっくり練習を行いました。そしてミニゲームまで実施して準備万端。必ずやトップリーグ昇格を果たし、リコー、PFU関係者のご恩に報いたいです。
かほく市から金沢市への帰り道、ちょうど夕日が沈む場面に出会いました。太平洋側では日の出しか見れませんからね、ちょっと感動。写真にしたら日の出なのか日の入りなのか分かりませんが…


12月9日

試合前にオープニングイベントとして加賀鳶梯子登りが披露されました。鳶ということで、高所作業をする鳶職人を集めたことが名前の由来みたいです。いやあ、ハシゴ上での豪快なパフォーマンスが凄いですね。
それを下で支えるのも重要であり、安心して演技できるのは土台に揺らぎがないからです。バレーも(スポーツ全体かな)守りがしっかりしているからこそ、きらびやかな攻撃ができる…そんなことを感じさせてくれました。
火事の状況を確かめるっていうのが始まりのようですが、目立ちたいっていう人がより目立つために派手になっていった…なんてこともあるのかな?

◇        ◇        ◇

まずは2組に別れて4チームによる入替戦出場チーム決定シリーズが行われます。ここで1位になるとまず入替戦への出場が決定し、その後1位同士のゴールデンセットという1セットマッチが行われ、入替戦に挑む1位2位が決定します。
公式戦で1日に3試合以上を行うのは初めてであり、かなりのハードスケジュールです。ルールとして明確化されていないと思いますが、基本3試合を超えて試合はしないと聞いたことがあるような、ないような…まあ先は長い。


入替戦出場チーム決定シリーズ
第1戦 vs 神鋼環境ソリューション(兵庫)

<第1セット>
スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR佐藤(孔) HL高城 HC本田 HR佐々木 BL熊谷 BC清藤 BR石川
リザーブ:吉田 中間 梅津 鈴木(勇) 酒井

高橋Aアウト、高橋B、本田強打、本田軽打、本田強打アウト3−2。シーソーが続き高城強打、本田時間差で連取8−5となってタイムアウト神鋼。
神鋼中央から強打、本田タッチネット8−7、神鋼Cを高橋ブロックオーバーネット、神鋼レフト軽打をブロック吸い込みで9タイと追いつかれる。
高城強打、神鋼オーバータイムス、神鋼ブロック押し込み、神鋼レフト強打をブロック吸い込み11タイ、本田時間差、神鋼つなぎミス、高橋Aで14−11とようやく抜け出す。
最後は6点連取、神鋼ライト強打を高城ブロック、神鋼レフト強打ネット、佐々木時間差、神鋼タイムアウト明けに高城セカンドでサービスエース、本田強打、神鋼中央から強打アウト21−13。

<第2セット>
スタメン:変更なし
神鋼レフト強打、清藤の前に落とす神鋼サービスエース、高城強打、神鋼レフト強打、佐々木強打アウト1−4。本田強打、高橋A、高城強打、佐藤C、高城強打、神鋼Aを佐藤ブロック7−4、タイムアウト神鋼。
石川サービスエース、高城強打で8点連取の9−4、石川ダブり、佐々木に替わり酒井がFR、佐藤がHRに回る。本田時間差、高城フェイントを神鋼ブロック、晴山バックトス大きく佐藤強打もアンテナ接触10−7、神鋼ダブり、高城強打、神鋼FR軽打をブロック、佐藤サービスエース14−7、タイムアウト神鋼。
熊谷に替え梅津が入る。高城強打ネット、高城軽打、高橋A、酒井強打17−8、本田時間差、神鋼Aアウト19−9、梅津ダブり、神鋼ダブり、神鋼FR強打アウト21−10。


清藤選手のアンダーレシーブ。
石川選手の2段トス。

無難に事を進めた第1戦、いや点差からすると上々のデキですかね。いつものように? 第1セット前半接戦になったのは想定内。チームとしてこんなはずじゃと変な雰囲気にせず、こんなものだと割り切って飛び出すチャンスでしっかりモノにすればいいんですよ。
実際、15−13から怒涛の攻めを見せてくれました。上位チームだって競ることは当たり前のようにあるわけですし、相手の特徴が分からないと尚更です。

全日本総合では試合前日に故障でリタイアしてしまった石川選手、その悔しさを晴らすかのごとく躍動。
特に2セット目のサービスエースの場面、ファーストを少し強めに打つ頭脳プレー。え、それまで抑えめだったってわけ? わざと弱く打つことはあっても、速いファーストに強弱付けるのは難しいですから、相手もまさかっていうタイミングになってしまいました。ほぼモチベーションを削ぎ落とし、その後の連続得点にも繋がりました。
次戦への準備も怠ることなく酒井選手、梅津選手も交替で出場させる余裕が出たのも大きい。

今回は心強い援軍が参加してくれました。たった4名の応援団ですが、ウチは部員が少ないので応援に回せる余裕がないんですよね。本当にありがたい。
で、観光がてら?とは思えないような声援を送ってくれました。会社保有の法被まで持参し、気合入ってます。それで「いいぞ、本田、もう一本!」って声がかかったら、そりゃ張り切るでしょ。
またウチだけじゃなく、リコーにも応援いただきました。

さてリコー戦。セカンドリーグでは第2セットこそダブルスコアになりましたが、第1セットは相手サーブにてこずり16−15まで競りました。リコーだって出場するからには総合県予選のNittoのように、一泡吹かせてやろうと思っているはずです。
先日のミニゲームではRI東北有利で進みましたが…慢心なく臨むことですね。


第2戦 vs リコー(神奈川)

<第1セット>
スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR酒井 HL高城 HC本田 HR佐藤(孔) BL熊谷 BC清藤 BR梅津
リザーブ:吉田 中間 石川 佐々木 鈴木(勇)

酒井カットミスからリコーダイレクト、リコーレフト強打のブロックがタッチネット、高橋A、リコーライトフェイントがオーバーネット2タイ、リコーAフェイント、清藤弾くリコーサービスエースで3−5とするとリコー中央から強打、熊谷2段トスドリブル、高城強打ネットで4−8、タイムアウト東北。
酒井強打アウト、高橋B、清藤に替え石川がBR、梅津がBCに回る。高城強打、リコーレフト強打をブロック7−10、高橋A、本田時間差、リコーレフトフェイントアウト10−11、タイムアウトリコー。
佐藤Cでようやく追いつき、佐藤強打、高城強打、高城フェイント14−12でタイムアウトリコー。
リコーも中央から強打、高橋Bアウトで15−14と粘る。リコーダブり、リコーつなぎミス、高城フェイント、酒井サービスエース、リコーはフォロードリブル、酒井サービスエース20−15。
酒井ダブり、高橋2段トスドリブル、本田時間差21−17。

<第2セット>
スタメン:清藤→BR石川 BR→BC梅津
高橋Aをリコーブロック、高城強打、リコーライト強打、リコーオーバータイムス、高城強打をリコーブロックの一進一退から高城強打、リコーレフト強打アウト、佐藤サービスエース5−3。
リコーライト強打、高城強打、リコーA、高城強打、リコーレフト強打、高橋A、高城強打連続10−6、タイムアウトリコー。
リコーライト強打、佐藤フェイント、本田ダブり、リコーAを高橋ブロック12−8、リコーライトフェイント、梅津、熊谷が弾くリコー連続サービスエース12−11、タイムアウト東北。

梅津弾くリコーサービスエース、ここは石川のサーブカットから高橋強打で切り抜ける。高城ダブり、高城強打、リコーライト強打14タイ、高城強打、東北オーバータイムス、佐藤見逃しリコーサービスエース15−16。
高橋B、リコー時間差、佐藤強打、リコーライトのリバウンドをオーバーネット17−18、高橋B、リコーレフト強打、リコーピンサもダブり、リコーレフト強打をブロック20−19と逆転、しかしリコーライト軽打がブロックオーバーネットとなりデュースにもつれ込む。
高城強打、リコーライト強打、佐藤のカットミスからリコーブロック押し込み21−22、高橋B、リコーレフト強打アウト、酒井サービスエース24−22。


酒井選手のサーブ。
晴山選手のトスアップ。

前の試合で佐々木選手の目にボールなのかな?が当たり途中交替し、この試合も大事を取る中での展開でした。
2セットとも終盤の酒井選手のサーブが決め手になりましたね。ただ、こちらも懸念していたサーブカットミスが影響しました。第1セット前半はカットが上がらず追いかける展開に。
4−9と離されはしましたが、カットミス以外に流れを悪くするようなミスはなく、いつものような動きなら追いつけるという過信ではなく自信があったように見えます。

第2セットは12−8とそのまま行けるか?と思われた矢先のカットミス絡みから4失点。競るともう実力の差などあまり関係なく、1本のサーブで決まってしまうとかちょっとした凡ミスや運不運もあるので、どちらに転ぶか分からなくなります。
2点以上離されなければ何とかなるだろうと思っていましたが、セットポイントを握られた時はちょっとヒヤッとしましたね。しっかり押し切ってPFU体育館をお借りした恩返しをすることができました。
それにしても…今日は長丁場なので、ストレートとフルセットでは大きな違いがあります。ホント、ストレート勝ちでよかったよ。

リーグ最終戦はメイラとの対戦。セカンドリーグ西地区大会の1位は愛知ALL BLACKSでしたが、出場辞退のため準優勝のメイラが1位扱いとなっています。とはいえ、ここまでしっかり2勝していますし油断は大敵。勝った方がまずは入替戦の挑戦権獲得です。


第3戦 vs メイラ(岐阜)

<第1セット>
スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR酒井 HL高城 HC HR佐々木 BL熊谷 BC清藤 BR石川
リザーブ:吉田 中間 佐藤(孔) 梅津 鈴木(勇)

メイラA、メイラレフト強打アウト、高橋連続サービスエースやメイラのミスなどで5−1。酒井強打、メイラライト強打ネット7−2、メイラライト強打、酒井のカットミスからメイラダイレクト、シーソーから高橋B、メイラレフト強打をブロック11−6とリードを広げるも、メイラは3本強打を決め、本田、高城をすり抜けるサービスエースで11−10、タイムアウト東北。
何とかリードを保っていたが、メイラレフト強打を連続で決められ14タイとされると、高城強打アウト、メイラ時間差で14−16と逆転される。高城強打、メイラライト強打、佐々木強打、メイラレフト強打16−18、佐々木フェイント、石川セカンドでサービスエース、更にサービスエースで19−18、タイムアウトメイラ。
石川サービスエース、メイラライト強打、高橋Bで21−19。

<第2セット>
スタメン:清藤→梅津 酒井→佐藤(孔)
メイラ中央から強打をブロック、佐々木サービスエース、メイラ中央からプッシュがブロックワンタッチ、本田時間差、メイラレフト強打、佐々木軽打をメイラブロックオーバーネット、高城強打5−2。
メイラ中央から強打、高城の脇を抜けるサイドライン際にメイラサービスエース、更にエンドライン際へもサービスエース5タイ、メイラレフト強打をブロック、メイラAアウト7−5。
メイラレフト強打アウト、メイラAを高橋ブロックするも、メイラもレフト強打と佐々木強打をブロック、高橋B、メイラレフト強打アウト12−9。佐々木強打、高橋サービスエース14−10、タイムアウトメイラ。
高橋セカンドでサービスエース、メイラレフト強打、佐々木強打、メイラレフト強打、佐藤Cフェイント17−12、高城強打、メイラ時間差、本田時間差、メイラ中央から強打をブロック、佐々木強打21−13。


高城選手の強打。
佐藤(孔)選手のCクイック。

「いや、メイラ強かったですよ」と選手も口々に言ってましたが、ここでも第1セット終盤で石川選手のサーブが爆発、粘る相手を振り切りました。んーでもやはりサーブカットミスは多いですね…それでも致命的な点差になる前に断ち切っているので、先のリコー戦同様しっかり立て直せました。
以前より気持ちが前向きというか、勢いがありますかね。そこの雰囲気作りという点は、総合県予選で負けてから重要視してきたと思われます。
各面々、持ち味は出しているので内容としては悪くないですよ。

入替戦出場チーム決定シリーズは各組とも混戦で、第1組は日本無線以外1勝2敗で並びましたし、第2組はRI東北との対戦以外は全てフルセットになりました。ウチと日本無線が抜けていたとも言えますが。
またトップリーグも大混戦となり、ゴールデンセットが始まる頃の5位以下はJT東京の8位だけが決まっていた状態です。よってこれに勝てばJT東京と対戦することは事前に判明していた状態。
隣のコートではJT東京vs横河電機戦の真っ最中。共に2勝のパナソニック津と住電伊丹はセット率で津が上回っており、もし横河が負ければどうなるかってところ…え…ストーリー的には横河だよね、コレ。またかよっていう情景が浮かぶなぁ。

入替戦の対戦相手を決めるために行われる1セットマッチ。これに勝ってトップリーグの最下位と対戦した方がいいはずですが、これは相性とか今日明日の調子とかありますので、何とも言えません。ということで、この試合はあまり重要ではないのですが、やるからには勝たないと。
勢いに乗ったもん勝ちというか、これはもう出遅れたら取り戻せない可能性が高いので、最初からトップギアで行けるか…ここまでストレート勝ちしてきましたが接戦のところもあったので、あと1セットしっかり戦えるか…


ゴールデンセット vs 日本無線(東京)

スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR酒井 HL高城 HC本田 HR佐々木 BL熊谷 BC梅津 BR石川
リザーブ:吉田 中間 清藤 佐藤(孔) 鈴木(勇)

高城ダブり、無線C、石川、高城弾く無線連続サービスエース、無線ダブり1−4。無線中央から強打を連続ブロック、高橋サービスエース4タイ。無線中央から強打、佐々木強打はアンテナ接触、高城強打、無線ライト強打、高橋Bプッシュ、無線レフト強打、高城強打アウト6−9。
高橋A、佐藤のサーブで崩し高橋A、無線レフト強打、高城強打、無線中央からプッシュ、佐々木リバウンドを無線オーバーネット10−11。
無線レフト強打、高橋A、無線中央から強打、佐々木軽打、本田のサーブで崩し高橋ダイレクト、無線ライト強打を本田ブロック14−13、タイムアウト無線。
無線中央から強打、高城強打、無線レフト強打をブロック16−14、無線はライト強打とCで追いつく。佐々木強打、高橋強打はタッチネット17タイ、無線レフト強打、高橋Aで18タイ、無線ライト強打、佐藤Cを無線ブロック、晴山のBトスがネット近くなり高橋タッチネット18−21。


佐々木選手の強打。
熊谷選手のサーブカット。

0−4になった時は、おいおいおい!と思ってしまいましたが、すぐ4タイに引き戻しました。この辺はいつもと違って気持ちの切り替えができてますね。終盤、「ちょっと踏ん張りがきかなくて」と高橋選手がタッチネットの場面を振り返っていました。
今年、公式戦で一日3試合やってないんですよね。更にプラス1セットの消耗はかなり激しかったようです。なので負けて悔しいものの、意外と表情はサバサバしており、明日に向けて引きずることはなさそうです。

サーブが以前より好調のようです。サーブの練習の仕方を変えたそうで、それが功を奏したかな? 今やサーブで崩すのは当たり前で2段トスが上がってからが勝負っていう感じになっています。
ウチは他よりまだまだ威力もコースも弱いので、強化は続けてやっていきましょう。

◇        ◇        ◇

ゴールデンセット中に他の試合は終了しており、注目されるような展開になりましたが…これが第7試合ですので…しかも実力の差異があまりないチームが集まっているわけですから、時間かかります。
結局、横河電機がJT東京に勝ち、トップリーグ7位は住電伊丹となりました。伊丹とは昨年の全日本総合で対戦してストレート負けしました。まあまあいい試合でしたが、勝負の分かれ目はサーブカットでした。
今回もそうなるかな…相手は今年も全日本総合でベスト4ですが、トップリーグのチームはどこと対戦しても強敵なので、こちらがどこまで力を発揮できるかがポイントとなります。
まずは今日の疲れをしっかり取って、明日に臨みましょう。

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