77th 全日本実業団観戦記
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7月13日

第8シードとして挑む全日本実業団は予選グループ戦免除となり、7月14日の決勝トーナメントから出場となります。出だしに不安があるRI東北としては、そこまでにどう調整していくかが重要。相手は数試合こなして、更に勝ち上がってきた実力あるチームですので、下手したら1試合で大会終了となりかねません。
ということで、前日よりリコーの厚木事業所体育館をお借りして練習を行っています。試合の本会場で練習しないデメリットもありますが、遠征時に試合をしたことがありますので、慣れとしては特に問題なさそう。
試合会場が東京の日野市で練習場所が厚木市なので、距離的には少し遠いですが、そこはしっかりバスをチャーターして対策。練習時間を気にせずじっくり調整できました。
しかも冷房設備がしっかりありますので、この日は真夏日ではありませんでしたが、快適に練習できたのも大きなメリット。このご厚意は勝利でお返ししたいところです。

あれ…久しぶりに訪れたリコー厚木体育館ですが、照明がLEDになってました。撮影する側からとしては、通常のLED照明なら色合いもおかしくならないし、フリッカー(ちらつき)も少ないです。
東北事業所の体育館はまだ水銀灯なので、通常撮影だと緑がかってしまうし、フリッカー対策もされていないので、シャッタースピードを上げると明るさがばらつくんですよね。そのうちLEDになるという話ですので、そこはありがたいです。

本日はリコー沼津が予選グループ戦の試合をしていますので、応援を兼ねて一応試合会場も見ておこうということで、練習終了後にメイン会場へ向かったのはいいのですが、渋滞に巻き込まれてしまいました。そう言えば3連休だし、八王子ジャンクション近辺は混むらしい…
で、到着したときにはリコー沼津の試合は終わっていました。「なかなか来ないんで、フルセットまでして待ってたのに〜」と、元RI東北メンバーで今は沼津在籍の川村さん、にこやかに言えるのも初戦突破できたから。

◇        ◇        ◇

決勝トーナメント抽選会には吉田マネが参加しました。管理人の対戦予想は
1、トップリーグ降格したチーム:住友電工伊丹、JT東京
2、ZAOカップや東北・関東交流大会で対戦したチーム:THK甲府、パナソニック新潟 あたりかなぁと思ってました。吉田マネによると、まず同一都道府県同士の対戦を避ける抽選が行われたそうです。トーナメント表を正面から見て
 左上:第1・第8シードゾーン (住友電工・リコーインダストリー東北)
 右上:第3・第6シードゾーン (JFE西日本・パナソニック津)
 左下:第4・第5シードゾーン (横河電機・富士通)
 右下:第2・第7シードゾーン (中部徳洲会病院・日本無線)

とすると、JT東京は東京同士の対戦を避けるため、左上か右上に入ることになり、ウチのゾーンの可能性もありましたが、パナソニック津の小山を引き当てました。
んー、まだ枠はいっぱいあったに小山とは…ちょっと前のRI東北を見てる感じがしますね。やっぱり結果や実力と運は伴うのかなあ。
住電伊丹は同一企業の住電がいるので、左上はないだろうと…予想する意味なかったです。で、結果として3回戦までにTHK甲府、パナソニック新潟と対戦する可能性がある組み合わせになりました。

まあ何にしても最初から一発勝負、如何に自分たちの流れに持ち込むか、あるいは早々に相手のリズムを断ち切るかがカギとなります。


7月14日

今大会はコート取りなどができないため、第1試合以外のチームはコート隅で少し体を動かすことくらいしかできません。その代わり試合前に少し多めに時間を取ってもらいます。
隣のコートが試合中だとアタックが打てないので、シードチームにはちょっと不利かな。「Bコートは中央なので、尚更不利ですよね」と永井監督。確かに不公平感あるね。
2回戦は松本市役所を破ったTHK甲府が相手。ZAOカップではフルセットのデュースでギリ勝利という難敵。向こうも“今度こそ!”という意気込みがあるでしょう。


決勝トーナメント
2回戦 vs THK甲府(山梨)

<第1セット>
スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR鎌田 HL高城 HC佐藤(孔) HR佐々木(翔) BL清藤 BC熊谷 BR石川
リザーブ:長田 鈴木(勇) 本田 佐藤(匡)

高城のサーブで崩し鎌田プッシュ、甲府Aをブロック、ラリーから高橋ダイレクト、甲府つなぎミス、甲府中央から強打もネット5−0、タイムアウト甲府。
高橋サービスエース、佐藤A、高橋ダブり、鎌田強打、佐々木ダブり、甲府ドリブル10−4。
カットミス絡みから甲府の強打で3失点しタイムアウト東北、佐々木強打、両者つなぎミス、佐々木強打、高城強打、熊谷の2段トスから高城強打15−8、タイムアウト甲府。
高城強打タッチネット、高城強打、甲府時間差16−10、甲府中央から強打をブロック、高城軽打、佐藤のサーブで崩し佐々木押し込み、佐藤強打、甲府Aネット21−10。

<第2セット>
スタメン:変更なし
佐々木プッシュがオーバーネット、甲府中央から強打をブロック、甲府時間差、高城強打、高橋強打、甲府ドリブル4−2、高城ダブり、清藤見逃し甲府サービスエース4タイ。
甲府は時間差とレフトフェイントで7−8、レフト強打と中央から強打で10−12と引き離し始める。高城強打、甲府は時間差とレフト軽打11−14、タイムアウト東北。高城強打、甲府はAフェイントと中央から強打で12−16、高城強打、甲府オーバータイムス14−16。
差が詰まりそうで詰まらず、晴山返球がネット、甲府中央から強打15−19と逆に離される。高城強打、高城強打を甲府ブロック、鎌田弾く甲府サービスエース16−21。

<第3セット>
スタメン:変更なし
高橋A、清藤サービスエース、甲府A、高城強打、ここからサイドアウトの応酬。甲府レフト強打をブロック、鎌田のサーブで崩し高橋ダイレクトで8−5と一歩抜け、タイムアウト甲府。
甲府中央から強打、晴山ネットプレーミス、9−8でタイムアウト東北も佐々木強打がブロックされ追いつかれてしまう。高橋Bフェイント、甲府A、佐々木強打、佐々木サービスエースも佐々木ダブり、清藤2段トスがネット越えアウト、高橋押し込みがオーバーネット12−13。

甲府ネットプレーからのトスがドリブル、甲府タッチ攻撃はホールディング、甲府中央から強打、鎌田弾く甲府サービスエース14−15、タイムアウト東北。
高城にボールを集めて何とかサイドアウトを奪うが、甲府に連続で時間差を決められ16−18。しかしここで高城強打と甲府Aをブロック、甲府時間差がアウトで19−18と逆転、タイムアウト甲府。
熊谷ダブりも高城強打、佐藤サービスエースで21−19。


熊谷選手のサーブカット。
高橋(怜)選手のBクイック。

今大会は佐々木選手が諸事情で不在のため、代役といっては失礼ですが、鎌田選手が奮起してくれました。いや、現役復帰してくれなかったらどうなったことか…と思いましたが、控えに回ってしまった若手選手がもっと頑張らないとね。
試合としては気にしていたスタートダッシュに成功したのですが、あまりにあっけなく第1セットを奪ってしまったので、これは2セット目以降苦戦するだろうなという予想通り。いや、予想以上の苦戦でした。
THK甲府がこちらの攻撃に慣れてきたのもありますが、センターラインが機能しなくなりレフト頼みになってしまいました。簡単にリバウンドも取られるし、そのうち逆転できるだろうという甘さが凡ミスにも繋がった感じです。

第3セット、ブロックも弾かれるなあという感じでしたし、細かいところだと佐々木選手がSPのあとダブったり、清藤選手の2段トスがアウトになったり、高橋選手のオーバーネットも焦り気味。もう負けるべくして負ける展開…だったのですが、ここで勝ち切れるのが今までと違う。
「横見たら、怜とか口きかねぇんだもん(笑)」と鎌田選手が言っており、かなり追い込まれた中でよく踏ん張りました。
困ったときの “高城頼み” になりましたが「今日はいい時の高城でした。悪い時はネットに引っ掛けたり大フカシしますから」と熊谷選手。ここは主将にもなった高城選手がまた一回り成長した証としましょう。

「緊張しました」と佐々木選手、確かにこれが全国大会デビュー戦でしたね。ここまでの強化試合とか新人とは思えないプレーぶりでしたが、最初から一発トーナメントで負けられない状況に晒されたので、こうなるのも致し方なしでしょう。
次から乗っていければいいのですが…


3回戦 vs メイラ(岐阜)

<第1セット>
スタメン:FL高橋(怜) FC晴山 FR鎌田 HL高城 HC佐藤(孔) HR佐々木(翔) BL清藤 BC熊谷 BR石川
リザーブ:長田 鈴木(勇) 本田 佐藤(匡)

高橋B、高城サービスエース、メイラレフト強打、鎌田強打、メイラライト強打、佐藤時間差フェイント、メイラ時間差、佐々木フェイントアウト4タイ。
高城の強打と軽打、清藤サービスエース、清藤のサーブで崩し高橋ダイレクト8−4、タイムアウトメイラ。ここから点差はつかず離れず、佐々木強打アウト、佐藤強打、メイラレフト強打、高城強打、メイラ時間差15−12。
高橋B、高城時間差をメイラブロック、鎌田強打、メイラレフト強打、メイラオーバータイムス、メイラ時間差、清藤と佐々木間を抜けるメイラサービスエース、高橋B、19−16。
晴山ダブり、高城弾くメイラサービスエース19−18、タイムアウト東北。メイラレフト強打を止められず連続で決まり19−20、タイムアウト東北。
佐々木強打ブロックされ、最後に5連続失点を喫し19−21。

<第2セット>
スタメン:変更なし
メイラオーバータイムス、メイラレフトのタッチネット、メイラAをブロックして5−2とすれば、メイラもすかさずレフトの3連続強打5タイと勢いは衰えない。メイラはライトと中央からも強打を決めタイムアウト東北、メイラレフト強打で6−8とされる。
東北も負けじと高城強打、高橋ツーアタック、佐藤強打で9−8、両者レフトの決め合い、高城弾くメイラサービスエース10−11、高橋Bプッシュ、メイラセッタートスフェイント11−12。
鎌田強打、清藤のサーブで崩し佐藤時間差、高城強打をメイラブロックタッチネット14−12、タイムアウトメイラ。清藤サービスエースで追い打ち、清藤のサーブで崩し高橋Aで5点連取。
ここからシーソーで乗り切り、最後はメイラダブりと2段トスドリブル、ラリーから石川がFR位置で強打決めて21−15。

<第3セット>
スタメン:変更なし
佐々木弾くメイラサービスエースで先にブレイクしたのはメイラだったが、すかさず高城強打、メイラFR強打ネット、高橋サービスエース6−4、メイラは中央からとレフトの強打、メイラライト強打をブロック、メイラレフト強打、鎌田フェイント、高城強打、鎌田強打10−7。
メイラA、メイラレフト強打を佐々木ブロック、メイラレフト強打、高城強打、メイラAで12−10、高城の連続強打、高橋Aで15−10、タイムアウトメイラ。
高城リバウンドをメイラオーバーネット、メイラレフト強打、佐藤時間差、佐藤サービスエース、高城強打19−11。メイラ中央からプッシュ、メイラレフトの強打が連続で決まり19−14、タイムアウト東北。
メイラレフト強打をブロック吸い込み4連続失点で追い上げられるが、高橋Bで切り、メイラレフト強打、高城フェイント21−16。


晴山選手のトスアップ。
高城選手の強打。

第1セット、まさか19−16から1点も取れず逆転されるとは…ちょっとね…速攻にブロックが3枚付かれたり、前の試合同様にセンターラインが今ひとつながらあと一歩というところまで持ち込めたのですが、メイラレフトを止められませんでした。
佐々木選手も強打が決まらなくなってしまいました。前の試合からですが、ボールに力が乗っていないというか、威力が感じられません。最後ブロックされて更に自信をなくしたかな。

そして第2セットもどっちに転ぶか分からない状況で、飛び出したのが清藤選手のSP! これには助けられましたね。そこでの5連続得点が流れを決めたと言ってもいいでしょう。
THK甲府戦でもSP奪ってましたし、ファーストさえ入れば崩せているので、今後も安定すれば得点源として上位サーバーでの活躍があるかも。

メイラのレフトは1本ミスっても3本決めてやるというような気迫が感じられました。ウチはブロックもイマイチ揃わなかったりして、最後まで捉えきれませんでした。
高城選手が踏ん張ってくれたり、1セット目の終盤以外は何とか攻守そこそこ回っていたので、2セット目以降は要所を締めて逃げ切りましたが、終盤まで接戦で行って最後にレフトレフトとなったら厳しかったかも。ここは総合力、全員一丸がもたらした勝利でしょう。

◇        ◇        ◇

これで準々決勝進出、シードチームとしての最低ラインは突破しました。他のシードも苦戦ありつつ全チーム勝ち残り、ウチだけ負けなくてよかった。ただ、トップリーグやセカンドリーグに参戦していないチームでもセット奪うとか接戦に持ち込む実力がありますので、実業団は今後もトップリーグのチームは出場した方がいいような気がしますけど、どうなんでしょう。
女子は参加チーム減少と上位との格差が広がりすぎましたからね……あ、そうそう、優勝旗が70年ぶりに新調されたそうです。真新しい優勝旗を最初に手にするチームは…それがRI東北なら最良ですけど。

明日は第1試合ですが今日と同じようにまずはしっかりとスタートを切りましょう。「同じ展開にならないようにやっていきましょう」と永井監督。第1シード撃破なるか。

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