素朴な疑問 その1
昔から他人が聞いたら馬鹿馬鹿しいとしか思えないような事を考える癖がある。 こういう素朴な疑問を自分の都合で勝手に解釈して考えるのは、なかなか楽しい。 どんなことを考えているかというと ○ キリンの首はなぜ長いのか、 ○ 蛇にはなぜ手足が無いのか、 ○ 象はなぜ鼻が長いのか という類の話だ。
キリンの首が長い のは サバンナで遠くを見て外敵を発見しやすくする為である、ということがよく聞く話である。だが考えてみると、サバンナが平原でキリンの背が高いことによって遠方まで識別できたとしても それだけではあまりメリットは無い。動物が外敵と接する上で大切なのは 外敵が視界の範囲内に存在しないことではなく 防御可能な距離を取り維持することであるからだ。 キリンの主食はアカシアの葉である。アカシアは高木で、その葉にはキリンくらいの高さがないと届かない。他の動物との生存競争が激しいサバンナで、食料を他の動物から奪い合うリスクは相当なものがあると考えられる。するとこの場合、やはり食料の確保により背が高くなり首が伸びたというのが現実的であろう。他の動物が届かないモノを主食にすれば、その木がある限り飢えることはないからだ。
象の鼻が長い のを考えるのはなかなか面白い。他の動物は、角が発達しているとか、速く走れる とかすぐに納得することができるが この動物だけは鼻という到底伸びたりしないような部位が極端に長く、しかも本来の呼吸という用途とは別の使い方をしていたりする。 モノを取ったり 水を汲んだり あの動物の大きさや動作の速さも手伝ってユーモラスな動きである。 象の鼻が短かったらどうなるのだろうか、 普通四つ足動物は食物を口から摂取するときに 首の根元から曲げて先の頭の部分を下げ、口を食物に直接着けて食べる。象はどうか 体重が重く また頭が巨大な為に首を長くすることができない。 そうすると前脚を曲げて頭を下げなければ 地面近くにある食物を採ることはできないし、動物が食物を採るときに大事な匂いを嗅ぐこともできない。木の上なども 同様な理由があり、あの体重を上下させるのは非常に重労働である しかも動作が遅いので 他の動物との競争があったら先にに食べられてしまう。水を飲むときも同様である。 つまり 頭を上げ下げしないで 速い動作で地面近くにある食べ物を摂取する為には、鼻を伸ばして食物や水を採るしかなかったのである。また、頭を下げなければ 食べている間、視線も遠方に見据えたままにでき、外敵の発見も早いだろう。
最後に 随分前から考えていて 確信が持てるような発見ができないモノがある。 それはなにか
パンダの体の白と黒のカラーリング である。 あれはいったいなぜあの場所にあのカラーリングなのだろうかということなのだろう。 体は白で 頭部は耳と目の周り、体は腕と脚の付け根から先まで黒、おまけに目の回りは「垂れている」という誰かが マジックで冗談で描いた としか思えないカラーリングである。 この件に関して、今持って確信的な説に出会った事がない パンダは体の基本的な色が白である。昆虫では保護色というのがある。もちろん動物にもある。 魚の上半分が黒っぽい色で下半分が白っぽい色なのは 海中で明るい海面付近の海から暗い海中深くを見たときと 海中から光が差し込んでくる海面付近を見上げた時に 保護色になるのはダイビングをしたことがある人ならわかるであろう。 自然界で白と言えば 雪の白である。 白熊という動物もいる。調べたらパンダは高地の森林に住み、冬季は山地の低いところに降りてくるのだが、どうやら 冬眠しない らしい。するとやはり食物を採取するときや 敵(冬季の山間部で何が敵なのか)に発見されにくくするためなのだ。 目は明るいところで目の回りを黒くすると 眩しくない のであろう。また 森林に生息する為、白一辺倒の色の世界ではなく 樹木の黒っぽい色との関係から また体の下部は黒い色が多いから 腕と脚は黒いのだろう。雪の上を歩けば脚と腕は隠れるから見えないとい利点もある。 とも考えたのだが それでは 頭部の上部にある耳は 目立つ のにどうして黒くないのか というところまでは 理由を発見できないでいる。 |