特別付録! その2 TAKANAKA奏法 その1 |
さて、特別付録のコーナーです。ココに気付いた方にだけ、ちょっとお得な(?)情報を。 高中ファンがよく「ギターが歌っている」「歌心がある」などとよく語っているのを見ます。私自身は何とも思っていませんが(昔からライブではサイドギタリストの方が上手いとは思っていましたが)、それはともかく、ギター本体やエフェクター以外で高中ファンの方があまり触れていないものに、「ギタープレイ」についてがあります。 高中のプレイには、時々「流行りのテクニック」や「誰かがやったカッコいいテクニック」を取り入れる傾向があります。実例を挙げると、「虹伝説」の『RISING ARCH』の冒頭でのハーモニクスと実音を使ったパターンは、TOTOの「HYDRA」の『MAMA』でのスティーブ・ルカサーのプレイに影響されたのでしょうし(ルカサーはジェイ・グレイドンから教えてもらった)、LD「The Party's Just Begun」の『Blue Lagoon '89』のエンディングスクロールで『Thanks to』が表示される頃、左手の弦の押さえ方をネックの下から(普通の押さえ方)と上からの繰り返しのギミックプレイ(『アンダー・オーバー・ハンド』と言う)をしている映像があるのですが、それはメタル系のギタリスト(例えばMichael Angelo)のプレイをコピーしたものだと推察できます。 また、どんなギタリストにも得意なパターンやフレーズがあり、当然、高中の速弾きにもパターンがあります。いわゆる『手グセ』というものです。 速弾きをマスターするのに、いちいちTAB譜を見ながら練習するより、『手グセ』を知ることで応用ができるのです。 手グセというものではないですが、ハモりをつけるときにメロディの上3度や下3度の音をつけるのはよくありますね。例えば『PLUMED BIRD』のピアノ・ソプラノサックスのパートや『SPEED OF LOVE』のテーマ部、『FINGER DANCIN'』のサビメロなどなど。これらは手グセではないものの、高中サウンドとしての特徴ではあります。 何度も言いますが、私は高中ファンと呼べるほどのマニアではありません。ルカサーやグレイドンの方がフェイバリット・ギタリストです。ただ、彼らの『手グセ』はいろいろと紹介されていますので、あまり紹介されていない高中の『手グセ』をご紹介しよう・・・というのが目的です。 ということで、早速もっとも代表的な速弾きパターンをご紹介します。 |
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始まりは6弦5フレットからの楽譜ですので、それを考慮して、右図のポジションは6弦5フレットから押さえて下さい。 速弾きのコツは、右手首の力を抜いて・・・などというのはよくあることですので省略しますが、とにかく遅いスピードで正確にピッキングして、慣れてからだんだん早いスピードで弾くようにしましょう。高中の場合は、このフレーズをすべてピッキング(オルタネートピッキング)しています。フィンガリングだけでごまかさないようにしましょう。とにかく、楽譜を気にせず(「16分音符4つが一かたまり」と考えず)、1本の弦で3連譜を弾く感覚で弾く方が楽にマスターできます。 なお、このフレーズは様々なところで使用され、また応用されています。例えば、ライブでのアドリブの中にこのパターンがよく登場します。参考として、LD「The Party's Just Begun」の『The Party's Just Begun』では、曲の終わる直前に6弦12フレットから始まるパターンを弾いています。また、「JUNGLE JANE TOUR LIVE」の『BLUE LAGOON '86』演奏後のアドリブでは、6弦9フレットを弾いて12フレットにスライドさせ、そこからこのパターンを演奏し、1弦と2弦を交互に半音ずつ上へずらしながら6回弾き、最後は1弦22フレットで1音チョーキング・・・というものもあります。似たようなプレイは他のライブでもよく演っていますよね? アドリブではないものとして、以下に例を示します。 |
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これは『YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE』のエンディングの最後にある速弾きフレーズです。この直後にテーマ部を弾く重要な速弾きですね。音符を見ながらコピーをしようとした方もおられるでしょうが、これはTAB譜を見て覚えた方が早いです。上に記した運指パターンがそのまま反映されています。譜例通り、6弦14フレットから始めるパターンと、17フレットから始めるパターンの組み合わせで、途中音の抜けている所、2回繰り返しているところなどはありますが、ほぼ同一の手癖パターンです。 『YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE』の他の速弾きパターンは、メジャースケールの速弾きや考えられたフレーズなどですが、ここは手癖パターンさえ身に付けておけば弾けるスケールになっています。 |
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運指は、6弦の最初のポジションになるはずの16フレットを飛ばして19フレットから始めます。手癖パターンを身に付けていれば難なく弾けるものです。1弦2弦でのポジションが異なっていますが、大丈夫でしょうね。 2小節目で1弦の21フレットを押さえる際に、1回目の19フレットで押さえた指(薬指)を、2回目か3回目に19フレットを押さえる時に中指に変えましょう。そうしないと1弦21フレットを押さえることができません。 |
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