観賞日記
第九地区
シナリオ | 展開 | キャラ表現 | 映像 | 満足度 | |
3 | 2 | 3 | 2 | 2 |
本日は釣りに出るついでに映画を観に行きました。 何を観ようかと思っていたのですが、 評価の高い? 「第九地区」 が初日だったので 迷わず選択してみました。 丁度イベントデイで1,000円の割安も相まってか 21時台のレイトショーは9割方埋まっていてビックリ。 最近の映画では珍しい人の入りだなぁ。 そんなに話題作なの?と思いながらいざ観賞。 新聞の紹介記事を少し読んだ程度の知識しかないので いつもの様に全くどんな映画か把握していません。 なんかエイリアンが住み着いてどうたらこうたらという映画らしい。 導入は報道ドキュメンタリーの様な作りで関係者に事柄を語らせて エイリアンや主人公についてが 少しずつ知識として入り込める様なフローになっている。 その関係者の話の内容が 「なぜ?」 疑問と関心のキーワードに 「なぜ南アフリカに巨大宇宙船が飛来したのか?」 「なぜ巨大宇宙船は何も起こさないのか?」 「なぜ主人公が豹変したのか?」 をキャッチに視聴者に徐々に関心を持たせて引き込ませ 世界中で巨大宇宙船が飛来した南アフリカが 注目されている報道を提示。 その何もしない巨大宇宙船に軍が扉を解体して潜入する。 そして、 分厚い扉の先に現れる絵は何か? 映し出された艦内には何があるのか? ちょっとしたUFO特番の様に興味津津になって入り込んでいる。 そこには、大量の栄養失調に見舞われた 毒々しいエイリアンが折り重なって倒れて登場。 ちょっとした気味の悪さと 「エビ」型のエイリアンが大量に居る絵はホラーですw 魅入り具合と 巨大宇宙船内部への期待感と 出てきたエビエイリアンの嫌悪感。 ここまでのフローは 視聴者に高い興味を持って入り込ませる作りは良く出来ていた。 しかし、 後々振り返るとこの映画のピークはここまでかも・・・。 その大量のエイリアンを捕獲して隔離した地域がスラム地区である 「第九地区」 その後は、 隔離地域では有るがエイリアンと共存している報道から エイリアンが食糧確保の為に暴動を起こしたり、 ギャングがエイリアンを利用したりなど 気味の悪いエイリアンが 現代社会で下級階層の一市民として描写されている絵が 滑稽で滑稽で・・・。 後に批評を見ると、 このエイリアンが 南アフリカのアパルトヘイトを象徴して描かれている点が 評価されているらしいのだが、松本には全くもって 「なんだそりゃ」 という印象としてしか入ってこなかった・・・。 「えっ?シリアス路線やないの???」 と有る意味ビックリ。そして、笑える設定。 一市民?として共存している様を 報道した辺りから雲行きが怪しくなり・・・。 市民を脅かす存在になりつつあるエイリアン達を 都市部に有る第九地区から地方に移転させる法案が可決され、 その実行役に選出された貧乏クジを引き当てたのが 主人公ヴィカス。 ヴィカスが軍を率いて第九地区の「住人」一人一人の住み家を訪問して 移住の認知と許可を取りに話し合いを行う。 エビ型の気味の悪いエイリアン達と話し合っている絵は滑稽極まりなく ここでも「何だこの映画?」と失笑でした。 エイリアンが襲来して20年。 エイリアン達に名前が有ったり、 エイリアン達は住民票に登録されていたり、 エイリアン語と英語が理解しあえていたり・・・ この辺りの設定のアバウトさが安っぽさを感じ、 ヤバそうな映画に感じてき始めます。 前振りはここまで、その後のフローは 主人公ヴィカスが軍を率いて 移設に関してエイリアンに同意を取りに行くことを前提に エイリアンが隠し持っている銃器や エイリアン専用の武器を回収する刀狩りがメイン。 その捜索の中で知性の高いエイリアンが 地球の資源を利用して作り上げた燃料アイテムを発見し このキーアイテムの燃料を ヴィカスが自身に噴き掛けた所から話が展開していく。 ヴィカスは体調変異を犯し、 怪我をした左手を手始めにどんどんエビ化していく。 左手がモンスターエンジンのゴッドハンド洋一状態ですw そんな人間とエイリアンの両生類化した貴重な人材は軍に隔離され 実験材料として拷問を受ける。 エイリアンしか反応しないエイリアン専用の武器を扱える能力が発覚し 完全なエイリアン化するまでに 全ての臓器を研究材料に使用することを認められ 全身手術による解体化が実行される事になるのだが・・・。 何故か麻酔無しで心臓を取り出そうとする馬鹿手術が始まり ここから、脱出フローの始まり・・・ まぁまぁまぁ・・・よくある無理くりな流れですよw どうもこういう説得力や整合性の無いイベントを用意されると テンションがダダ下がる。 進行の為とは言えもう少し考えろよと言いたくなる。 こういう粗さを感じると質の低い、 精度の悪い映画と感じてしまいますなぁ・・・。 半エビ化し始めたヴィカスは、 逃げる所が無いので「第九地区」に逃げ込み 気が付けばエイリアンを追い出す仕事をしていた人物が エイリアンに紛れて隠れている。 エイリアンが好物としている「猫缶」をむさぼり食い始め 段々と人間の人格が劣っていく絵は バイオのゾンビ化していく様と同じで面白かった。 まぁまんまバイオですがw 何とか人間に戻る事を画策しつつ、 キーアイテムを開発した知性の高いエイリアン親子と再会し キーアイテムの奪還と人間に戻る事の 両者の思惑が一致し共闘し始める。 キーアイテムを取り戻すには 軍の研究機関内部に潜入する必要があり 武器が多数必要になる。 第九地区で勢力を広げたギャングと一悶着の後 研究機関に潜入してキーアイテムを見つけるのだが袋小路。 エイリアン専用の武器を使用してバリバリ戦う。 これが非常に強いのなんのって。 簡単に軍人が炸裂死亡して粉々になってしまいます。 こんなに強いならエイリアン達はもっと主導権を握れるだろう? 何で非力でチンケな暴動や襲撃止まりの抗争してんねん??? エビ数匹がエイリアン銃持って戦うだけで相当強いでしょう。 どんどんテンションが下がっていきます。 何とかキーアイテムを奪還してエビのアジトに帰って来た。 何にこのアイテムを使うのだろうか? 勿論、 空に漂う巨大宇宙船に帰還する為の 小型宇宙船の起動燃料だそうで。 これで巨大宇宙船に戻ってエイリアンの惑星に帰るとな。 しかし、ヴィカスは人間に戻るにはどうするんだ??? と尋ねると。 「人間に戻るには3年掛る」って・・・。 どんどんエイリアン化して 時間に追われる表現まで映像で示しているのに 「3年って」 全身エイリアンになるのは時間の問題なのにw そりゃヴィカス怒りますよw 軍が襲ってくるし時間が無い。 エイリアンの父親をぶっ飛ばし、 エンジニアの子供をそそのかして小型船を起動する。 軍がアジトに突入し、父親が捕まる姿を見捨てて出航。 巨大宇宙船にまで行けば何とかなるだろうと発進するのだが・・・。 軍のヘリのミサイル攻撃にあえなく失速し墜落。 墜落した小型船に軍より素早く到達したのがギャング集団。 以前の一悶着で武器を強奪し恥をかかせた ヴィカスを捕まえギャングのリーダーの元に。 絶体絶命の中、今度は軍がギャングアジトを襲撃し 軍とギャングとヴィカスの三つ巴。 混乱に乗じて 二足歩行ロボに騎乗w アバターでも見たような人体がロボ中央に騎乗して操作するタイプの 強力なロボに乗り込み逃走を図る。 小型船に向かう途中に襲撃し合っている軍の車から逃げ出した エイリアンの父親を発見するのだが、 ヴィカスは再度見捨てて小型船に向かう。 しかし、 愛と勇気と友情と??? もしくは、 心身共にエイリアン化しているので同族を助ける心理が働いたのか 逃走から反転して助けに向かう。 強力ロボが次から次へとギャングや軍をバリバリ倒し孤軍奮闘。 「俺が敵を引きつけている間に小型船に向かえ」 とお助けヒーロー状態に。 数の勢力には逆らえず次から次へと攻撃も受けてヤラレていく。 父親は無事に小型船に戻れたのだが この小型船から遠隔操作で巨大宇宙船が動かせるって・・・ どういうこと? それだったら最初からそれでいいやないかい!!! 動いた巨大宇宙船から小型船を吸引する光が降り注ぎ キャプチャーされていきます。 逃げていくエイリアン親子は 必ず助けに帰ってくると言い残して巨大宇宙船に。 一方ヴィカスは完全に機能を停止したロボに軍が取り囲み万事休す。 ここで捕まってしまいエンディングなのか?と思いきや 軍をさらに取り囲むように多数のエビ達が・・・。 開始時の報道ドキュメントの続きが始まり その後のヴィカスがどうなったのか誰も知らず 「噂では軍に収容されている」 「CIAに隔離されている」 といった話が挙がる中 ヴィカスの父親は 「もうとっくに死んでいる」 とコメントし ヴィカスの恋人は 「まだ生きている気がする」 とコメントする。 「あの日、誰かが玄関に置いていった花飾りがそんな気にさせる」と 花飾りを眺めながら語るヴィカスの恋人。 シーンの最後には 「第九地区」のスラム街で 花飾りを手作業で作る 完全なエビ型エイリアンが映されエンディングでした。 映画全体を批評すれば 導入キャッチが有り、主人公の変遷やエイリアン化が表現されつつ エイリアンと軍とギャングが絡んだドンパチも有り 話の軸は魅力的かと思います。 しかし、 イベント毎での説得力の無さや質素さは批判されてしかるべき内容。 特に気に入らないのは導入のネタ振りキャッチでも有った 「なぜ巨大宇宙船は現れたのか?」 何にも語られる事無く、 導入に栄養失調で発見されたエイリアン達の表現で 難民で到達しただけで済まされては 俺の関心を返して欲しいよ・・・。 最後のヴィカスが完全にエイリアン化した印象付けは 同じ手法の邦画ゴールデンスランバーの方が良く出来ていますよ。 まぁそんなこんなで所々魅力は有るのですが 不満点も多々有り、話題になっているほどの映画では無い。 という感想でしょうか・・・。 まぁ一言言うなら 「ゴッドハンド洋一が頭から離れなかった映画でした・・・」 「モンスターエンジンやるな。」 |