Come, All Ye Shepherds


 このキャロルは日本では賛美歌104番「きたり聞けよ,み告げを」として収録されている。元々は“Kommet Ihr Hirten” というドイツ語の詩であり,Karl Riedel(1827-1888)が1870年につくったもの。曲はボヘミアのフォーク・ソングから取られている。歌詞を英訳したのはMari Ruef Hoferで,それが1912年のことであるから,英語のキャロルとしてはまだ歴史が浅い曲なのである。それにしても,このはずむような明るいメロディーとリズム。元がボヘミア民謡と聞かされると,なるほどと思わせるものがある。(超有名な童謡の「蝶々」がボヘミア民謡だが,ちょっと似ていると思いませんか?)
 残念ながら日本で手に入るキャロルのCDにこの曲はまず収録されていないので,合唱で聴くとどんな感じになるか知るためには,プロテスタント系教会の12月の日曜礼拝に毎週通い,その日の賛美歌にこの曲が選ばれるのを辛抱強く待つか(親切な牧師さんならあなたのリクエストに応えてくれるかもしれない),仲間同士でパートを分担して実際に歌ってみるしかないだろう。もうちょっと一般に知られてもよいのになあと思わせる佳曲である。