人物編


バースを去る前日にMaryさんのお宅で


INDEX
大道芸人 Widcombe Post Officeのおじさん Bath Spa駅のホームにいる長身で白髪の駅員さん オーソン・ウェルズに似たバスの運転手さん バスの運転手さん2 Maryさん Widcombe Crescentに住むおばあさん St. Aubinsの裏のおばさん 


大道芸人
 観光地には必ずといってよいほど大道芸をやっている人がいる。BathにもPump Roomの壁に青のペンキで全身を塗って彫像の格好をして音楽にあわせて動くというおじさんや,ジャグルやゴム手袋を風船のように膨らませるおじさん。メリーゴーラウンドの形をしたオルゴールを回し,風船で犬などを作るおばさん。などなど様々な大道芸人たちがいる。ちなみにゴム手袋を膨らませるおじさんはトドラー・グループにもときどき子供を連れて遊びに来る優しいパパでもある。

Widcombe Post Officeのおじさん

 この郵便局にいるちょっとずり落ちた眼鏡をかけたおじさんはとても親切で,大変お世話になった。帰国前にParcel Forceで日本に何箱もせっせと荷物を送ったときには,少しくらいだったらはみでた重さの分を「まけて」くれた。

Bath Spa駅のホームにいる長身で白髪の駅員さん

 毎朝ピシッと制服を着,ピカピカの黒革靴をはいて,列車が発車する時に合図の標識を上げる姿はとてもかっこよかった。駅員さんを見てもBathの方がBristolより品があるといったら怒られるだろうか。

オーソン・ウェルズに似たバスの運転手さん

 とてもおしゃべりで親切な運転手さん。彼は非常に時間に正確。大きな体で,運転する時は自分の体を押し込むように席につく。それでいながら,そこから手をのばしてバギーを引っ張り上げてくれた。子供がバギーで寝込んでしまった時なんかありがたかった。でも,他の乗客も必ず小さい子供連れだと手を貸してくれる。よく次男の手をひいて私の代わりに降車してくれたおばさんもいる。彼は私の顔をよく覚えていて,私の姿を見かけると,バスから挨拶してくれる。Bath大学に来ている日本人学生に教わったのか少し日本語を知っている。私がバスに乗ると「こんにちは」と声を掛けてくれる。私も「さようなら」と教えてあげた。

バスの運転手さん2

 夏はサングラスをかけて運転している。おしゃべりで運転しながら歌うこともしばしば。とても優しい人で,長男が小学校からの帰りにWidcombeの急な上り坂がしんどくって登れないと泣いていた時,バス停でもないのに止まってバスに乗せてくれた。St Aubinsの前のバス停で私達を降ろし,「お金は入らない。」といってウィンクする。ボロバスの機械がつぶれていて何度もバスカードが使えなかったことがあったが,そんな時彼はいつも「タダでいい!」。また,バギーを押して道を歩いている時は必ず「投げキッス!」。日本でなら恥ずかしいのだが,こちらも元気よく手をふって応えた。

Maryさん

 私は昔から若い人よりも年寄の受けがいい。それは日本だけでなくイギリスでも同じだった。MaryさんはPickwickさんの一番の親友ということで親しくなった。昔国語の先生をしていたとかで,英語の使い方にはうるさい。子供の英語の上達や私の英語も誉めてくれる。料理自慢でクリスマスプディングやミンスパイも手作りする。今でも文通している。

Widcombe Crescentに住むおばあさん

 なぜかとても親しくなった。いつも道で会う。でも残念ながら余り彼女の英語は私には聴き取れなかった。多分90歳以上なんだろう。一人暮らしをしているらしい。いつも笑顔を絶やさない彼女はすごくチャーミングな女性である。ベレー帽をかぶり水色のコートなので遠くからでも彼女だとすぐわかる。

St. Aubinsの裏のおばさん

 よく垣根越しに雑談をした。ぶっきらぼうだが私の顔を見るとひょいと手を上げてくれる。帰国前になると庭のことで不動産屋とトラブルがあったため彼女に愚痴った。彼女も「初めから汚かった!」と断言。St. Aubinsの汚い庭は近所でも有名だったのかもしれない。彼女は何度も2軒の家の境にあるヘッジを刈ってくれていたようだ。彼女の庭も非常にきれいだったから迷惑だったのだろう。
 私たちが帰国した後のPickwickさんからの手紙でWidcombeに住む皆が私たちのことを「どうしたのか?」と尋ねているとあった。私達自身PickwickさんとMaryさん以外はそれほど親しくしていたわけではなく,もちろん名前も知らない人ばかりである。しかしながら,彼らは私達のことを温かく見守ってくれたのだろうと感じる。田舎で,それも白人ばかりの村で東洋人である私達は結構目立つ存在だったのかもしれない。ただ,それを知らず皆に別れの挨拶をしなかったことが残念である。