The Little Drummer Boy


 "The Little Drummer Boy"(リトル・ドラマー・ボーイ)は,クリスマス・キャロルというよりは,20世紀のアメリカ生まれのクリスマス・ソングであるが,すでにクリスマス・ソングの定番中の定番となった不滅のスタンダードである。合唱団の指揮者であったHarry Simeone(ハリー・シメオン;1911-)が,宗教音楽作曲家のKatherine K. Davis(キャサリン・デイヴィス;1892-1980)とHenry Onorati(ヘンリー・オノレイティ)と協同で1958年につくった。この曲を歌ったシメオン合唱団のレコードはミリオンセラーの大ヒットを記録した。以来この曲は多くの有名シンガーによって歌われ人気を博してきた。なかでも,ビング・クロスビーとデビッド・ボーイの異色のコンビによる1977年の「リトル・ドラマー・ボーイ」が,世を去る直前のクロスビーにとって,あの伝説的な「ホワイト・クリスマス」以来のヒットとなったことは注目に値する。
 曲の内容は,イエス・キリストの誕生を祝うための贈りものがない貧しい少年が,代わりにドラムを叩いて贈りものにしたというもの。こういう曲であるから,歌だけでなく,バックのドラミングにも注目したい曲である。
 ところで,どこかのテレビ番組ではないが,私がちょっと「へえ〜っ」と思ったネタをここで。"The Little Drummer Boy"といえばひたすら繰り返されるリフレインが有名であるが,そこには最初に「パ」のついた「パ ラ パン パン パン」と「パ」のついていない「ラ パ パン パン」の2種類があることをご存知だろうか。なにげなくCDを聴いているとわからないのだが,歌詞を見るとたしかに2種類ある。

Come they told me,
pa rum pum pum pum 
A new born King to see,
pa rum pum pum pum 
Our finest gifts we bring,
pa rum pum pum pum 
To lay before the King,
pa rum pum pum pum
rum pum pum pum, rum pum pum pum