O little town of Bethlehem
ノート
アメリカで"O little town of Bethlehem"(ああベツレヘムよ)といえば,作詞者のフィリップス・ブルックスと同じフィラデルフィアの教会のオルガニストを務めていたL・H・レドナー(1830-1908)が1868年に作曲した曲のことを指す。S・ウィリスの"It came upon the midnight clear"(あめなる神には)と並び,アメリカ生まれのキャロルの代表作として,クリスマスCDには必ずといってよいほど収められている有名曲である。ちょっと夢見るようなロマンティックなメロディーが人々に広く受け入れられた理由であろう。
ところが,やはりというべきか英国はアメリカの有名キャロルに従うことをよしとしない。英国で"O little town of Bethlehem"といえば,英国近代の大作曲家ヴォーン・ウィリアムズが,イングランド古謡“Forest Green”を20世紀初頭の1906年にアレンジしてキャロルとしたものを指すのである。どちらの曲がいいかというのは好みの問題でしかないが,イギリスびいきの私にはレドナーのキャロルは少し甘すぎて,断然ヴォーン・ウィリアムズの威風堂々としたキャロルに軍配を上げたくなる。皆さんはいかがでしょうか?
MIDIによる聴き比べ
R・ヴォーン・ウィリアムズ編