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東アジア学生フォーラム日韓/韓日2009
EAST ASIA STUDENT FORUM: KOREA-JAPAN 2009
(通算第7回) 7 TH
●KOREAN●韓国語譯  ●PHOTOS
主催
特定非営利活動法人C2SEA 朋(TOMO)=シートゥーシーとも
(NPO  Create Common Space in East Asia, Tomo)
財団法人 日韓文化交流基金 助成事業
Supported: The Japan-Korea Cultural Foundation
日韓共同未来プロジェクト
Japan-Korea Joint Project for the Future
2009年 8月20日(木)〜24日(月)
8月21日午後 公開フォーラム
会場: ティアラこうとう(都内 江東公会堂)中会議室

△ 2009.8.21 日韓23人の学生による公開フォーラム
09学生フォーラム記念
△ 2009.8.21.フォーラム後の記念写真、準備中?
 

これまで開催した学生のフォーラム・日韓
「アンニョーン!」(さよならネ〜)
24日午後、羽田空港国際ターミナルに韓国の学生たちは手を振って消えた。20日から5日間の滞日、日本の学生たちと行動をともにした会議と見学、観光が終わった。
ことし韓国では元大統領ふたりの死がつづいた。韓国の「変わり目」、2代つづいた政権の後をどうするのか。それを決めるのが、今回日本に来た学生たちの世代になるのだろう。──2009.08.

◇企画
東アジア学生フォーラム・日韓/韓日2009
――過去を見直し、未来をともにつくる。出会いと対話と共感の〈場所〉。
これまでの歴史問題の扱い方、語り方をしっかりと検証した上で、現在の文化、社会的接近、共感を確かめて、自分たちがこれからつくっていく日韓関係を語り合う。
◇趣旨
既存の知識や感情を離れ、日本と韓国の学生が隣国・現地を体験して、学生同士で直接対話。偏見や思い込みに気づく。事実を認め合う。友だちをつくり、一緒に歩き、共感し、「日韓関係の未来」を構想する。そのための場、機会とする。

◇経緯と構成
2003年から08年、日本と韓国で開催した過去の6回で、両国の学生たちのべ約150人が参加した。
学生たちの多くは、大きな体験と転機を経験し、その後、相互に訪問再会、留学、語学の勉強、ネットで連絡…とつづいている。
09フォーラム構成 例 8.21
午前に分科会(セッション)、午後フォーラム(全体会議)
──1)歴史から入る分科会
──2)音楽や映像作品など文化の分科会
午後、全体会議。分科会報告を受け、いいたいこと、聞きたいことを持ち寄り一気に対話。
21日の会議のほかは、見学、共同行動、自由な町歩き。



◇2009年8月20日〜24日(来日韓国学生東京4泊5日。
 20日、22日、23日靖国神社、千鳥ケ淵墓苑など東京見学)
◇8月21日(金)午後1時30分〜5時 公開フォーラム
 日韓通訳つき
 都内江東区 ティアラこうとう・江東公会堂中会議室
 主題 過去・歴史問題の扱い方、文化への相互関心と接近、未来の日韓関係


参加者(パネリスト学生)
 韓国から参加学生12人、教授1人(同席)
 日本から11人、企画協力教授2人(同席)
(韓)西江大學校、延世大學校、関東大學校、聖公会大學校、高麗大學校、韓国教員大學校、鮮文大學校
(日)中央大学、法政大学、早稲田大学

◇企画・協力教授
 李元雄教授、横田洋三教授、後藤乾一教授、高柳俊男教授
 学生は教授の推薦による。聴衆 会場参加(過去のフォーラム参加の学生も会場に)



◇日程 2009年8月
20日(木)――
 午後 ○1400 韓国から学生・教授13人来日(金浦空港――羽田空港)
    ○リムジンバス─東京シティエアターミナル、ホテルチェックイン(茅場町)
    ○1700 都内見学─新宿大久保、東京都庁
21日(金)――
 午前 ○0900 打ち合わせ――1.紹介・日程確認 2.分科会設定、選択 3.司会・報告者
    ◎1030 分科会 学生合計23人 ○食事
 午後 ◎1330 公開フォーラム パネル学生+聴衆
    江東区・ティアラこうとう 中会議室
    夜1830、交流会(錦糸町)
22日(土)――
    ◎1000 訪問見学(靖国神社、千鳥ケ淵墓苑、台場など)
23日(日)
    ○1000 見学、自由観光(原宿・渋谷、台場・湾岸)
    ○2100 夜、小さなさよならパーティ(ホテル内)
24日(月)―― 
    ○0930 上野・上野公園、アメ横、御徒町
    ○午後、東京モノレール、羽田空港 1530帰国(羽田空港――金浦空港)


◇フォーラム構成
 会議と見学(訪問)――日程のすべてがフォーラム
 分科会――全体会議
 参加学生がパネリスト
 学生が分科会で話題設定、司会・報告者選出(司会も自由に発言)
 見学――韓国学生中心に全員参加、日本の学生任意同行、案内

 今回通訳:午前逐次、午後同時
 同時通訳システム:サイマル・インターナショナル



◇主催団体
 特定非営利活動法人 C2SEA 朋(TOMO)=シートゥーシーとも
 (Create Common Space in East Asia, Tomo)
◇助成
 財団法人 日韓文化交流基金 助成事業
 日韓共同未来プロジェクト 指定


東アジア学生フォーラム・日韓2009、東京
参加学生リスト

韓国から◆

キム・エヒョン
Kim, Ye-hyun  鮮文大学校 SUNMOON UNIVERSITY
北韓学科 3 
オ・セヒョク
OH, SE HYEK  高麗大学校 大学院 KOREA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
社会学科 1
チョン・タジョン
JUNG, DA JUNG 高麗大学校 大学院 KOREA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
政治外交 1
チョン・へヨン
Chung, Hye yoon 延世大学校 YONSEI UNIVERSITY
生化学科 4

ヒョン・ミジ
Hyun, Mi Ji 韓国教員大学校 KOREA NATIONAL UNIVERSITY OF EDUCATION
初等教育科3
ファン・へウン
HWANG HYE EUN 韓国教員大学校 KOREA NATIONAL UNIVERSITY OF EDUCATION
初等教育科 3

キム・テナム
Kim, Dae-Nam 高麗大学校 大学院 政治外交  KOREA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
イ・カヒ
Lee, Gahee 関東大学校 KWANDONG UNIVERSITY
社会福祉学科3
クォン・ヒョクミン
Kwon, Hyeok-Min 関東大学校 KWANDONG UNIVERSITY
社会福祉学科2

イ・インス
Lee, In Su 聖公会大学校 SUNGKONGHOE UNIVERSITY
日語日本学科 3  
ファン・ヒョンスク
Hwang, Hyun Suk 西江大学校 大学院 SOGANG UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
政治学科
イ・ヨニム
Lee Young Im 西江大学校 大学院 SOGANG UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
政治学科
 

日本から◆

山下 知穂 
YAMASHITA, Chiho  中央大学 CHUO UNIVERSITY
法学部3年
東 茉莉奈 
HIGASHI, Marina  中央大学 CHUO UNIVERSITY
法学部3年

脇元 伸也
WAKIMOTO, Shinya  中央大学 CHUO UNIVERSITY
国際外交インターン
中村 梨花 
NAKAMURA, Rika  中央大学 CHUO UNIVERSITY
法学部

井上 まどか
INOUE, Madoka  法政大学 HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部3年
千恵 麗
CHIE,Rei  法政大学 HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部2年
加藤 晃一
KATO, Koichi  法政大学 HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部1年

酒井 彩花
SAKAI, Ayaka  法政大学 HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部1年

忠本 理恵
TADAMOTO, Rie  法政大学 HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部3年
小田 敏花 
ODA, Toshika  早稲田大学 WASEDA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
大学院 アジア太平洋研究科博士後期課程、近代日韓関係
青木 義幸 
AOKI, Yoshiyuki  早稲田大学 WASEDA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
大学院 アジア太平洋研究科
 

企画協力教授◆

李元雄
Lee, Won Woong
関東大学校 KWANDONG UNIVERSITY
社会福祉学科 教授
横田 洋三
Yokota, Yozo
中央大学 CHUO UNIVERSITY LAW SCHOOL
法科大学院 教授

高柳 俊男
Takayanagi,Toshio
法政大学  HOSEI UNIVERSITY
国際文化学部 教授
後藤 乾一 
Goto, Kenichi
早稲田大学  WASEDA UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
大学院アジア太平洋研究科 教授

主催
NPO法人C2SEA TOMO(シートゥーシーとも)
http://blog.goo.ne.jp/c2sea-tomo
代表理事
中嶋 滋 Nakajima, Shigeru



問い合わせ

寸言:互いを感じること、知ること

「メディアと教育」「民族、国家と共同体意識」「民族主義と市民意識」「歴史」と音楽、アニメ、ドラマなど「韓流」がやはり話題になった。たがいの国、ひと、社会に興味をもつから訪問し、話そうと手をあげた学生たちだ。それをパネルに持ち込んだ。
それにしては、知らないことが多い。といって、どこまで知れば「知った」ことになるのか。感じるより知ることの方が大事だろうか。議論して問題を暴き出すまですべきだろうか。(戦後アメリカとずっと強く深い関係にあるが、アメリカという国、社会のどこまでを日本人は知っているのか?)
無理して詰め込んだ知識が、傾向性のある感情にくるまれたものだったら、知るまでもない。知りすぎた韓国、知らなすぎる日本──。歴史について、そういえるかも知れない。だから、感情や意図にまみれた「歴史」「意識」を気づき、修正することが始めだろう。

そうした日韓のメディアや教育のもたらす情報、知識のひずみを自由に公然と検討、修正、取捨できるようになったのも、ここ10年20年のことだ。サッカーワールドカップ共催2002、韓流爆発2003、04年。日本で「日韓」をそれまで主導したメディアのフィルターも2000年ころから薄らいできた。日韓のひとの往来も400万人から500万人に向かっている。
「拉致」を北のトップが事実として認め謝罪したのが2002年。「するはずがない」という反軍事政権、民主化運動型の親韓知識人・運動の代わりに、こんどは「嫌韓」、「反日」攻撃、「民族派教科書」が表に出た。そうした「感情」の政治的影響力が官邸や国会に及ほしたままでいる(自民政権で)。

イデオロギー型の「日韓業界」で左右が交代する。さらにそれは否応なく、大衆の時代になる。
1995年・戦後50年、2000年をはさんだ動きと、「韓流文化」の日本での爆発が、政治から文化・社会へ、知識人から人びと、大衆次元へと転換させることになる。インターネットの普及と影響力は韓国、そして日本とつづき、両国間で効果が大きい。日韓をつくるメディアは活字から多様化し、ネットであり、自由な旅行体験であり、自由な対話へ。
要は、日本が大規模に「素の、多様な韓国」と向き合った、直面した経験はまだ10年くらいのものだ。

学生たちの議論も、竹島(獨島)、教科書、「慰安婦」の定食コースを、はっきりとはずれつつある。それが「けしからん」というなら、そのような自分の「政治的・思想的立場」と社会世相とずれていないかつきあわせる検証が先だ。
日韓が大規模に出会って見えてくる知識、感覚、姿勢、認識とその相互検証の機会が、これからの日韓をほんとうに動かしていくのだろう。より、ひとと背景を知るという関係…。

「日本の町、人びとを見ていると、秩序を守りひとに配慮した暮らし方をしていると見える」
という韓国学生の発言から一時、日本でいう「KY」(空気よめない)という言葉などをめぐって話がひろがった(文化・分科会)。
かつてフォーラムで東京に来た韓国学生が、「日本(人)は、どこといえないが、自信があるように見える」といった。こうした見方をする韓国(人)に、日本人はだんだん気づいていくだろう。「こわい国・韓国」観を払拭するには、10年はまだ短いのか? ことあるごとに、韓国の激しいデモが報じられたりするが、実際的に自分で確かめた事実と感情と知識をもって日韓をみる人たちが多数になってきている。壁や線で、「政治・思想」優位でみる姿勢は、はっきりとズレているというほかない。(原田)2009.8.27