観賞日記
ワルキューレ
シナリオ | 展開 | キャラ表現 | 映像 | 満足度 | |
5 | 5 | 4 | 3 | 4.5 |
今日は映画館でのPVで気になっていた 「ワルキューレ」 を観に行きました。 PVを観るだけで全容が垣間見え、 ヒトラー暗殺クーデター計画の映画と謳っている。 計画の遂行と結果に どれだけ緊張感とテンションを 維持した作りに出来ているのか? をテーマに期待して観に行きました。 結論は非常に良く出来た映画でした。 期待したテーマ通りに緊張感とテンポの良さがあり、 名作「大脱走」や 「アルカトラズからの脱出」の様な 計画の成否の緊張感演出は非常に良く、 ヒトラー殺害までの計画進行での 緊張感の見せ方は非常に楽しめた。 そして、殺害実行後の 「ワルキューレ作戦」発動の流れの テンションとテンポ ヒトラーが死んだとの報を受けての 各セクションの反応と対応は非常に見ごたえがあり クーデター成功に向けての 各陣営への指示と実行のアップテンポは 堪らない高揚感が得られる。 しかし・・・、 史実通りに勿論クーデターは失敗に終わる・・・。 緊張感、 高揚感を経て、 達成感を感じる寸前にて クーデターが失敗に終わって行く 悲愴感は非常に良く出来たシナリオフローだと思う。 そして、最後は捕まった反乱軍の 処刑されるシーンが次々映し出される。 反乱軍の主要人物一人一人が 年日を記され処刑されていく 無常感や虚無感で 終幕していく流れは非常に重かった。 勿論、それまでの流れとテンションの頂点から 一気に叩き落とされたフロー効果もあってのことだが 非常に重く辛く悲しい処刑シーンだった・・・。 エンディング前には、 40以上あったヒトラー殺害計画の 最後の未遂計画だった「ワルキューレ作戦」と 主人公が処刑された6ヶ月後に ベルリンでヒトラーが失脚殺害され 意思は引き継がれたという終わり方でした。 大きな流れの感覚以外で もう一つ違った感覚を得た事を記述するなら 「ヒトラー殺害の報が流れた時」 映画の中ではヒトラーの悪行を一切描写しておらず 反政府側の発言の中で ドイツの独裁現状の酷さと狂人と表現される個性にて 倒すべく人物という程度の描写で 悪玉を悪玉として描写していない。 史実でも有り各視聴者の認識に任せてある。 それでいて、数少ないヒトラー出演シーンでは 主人公が ワルキューレ作戦の内容改編をした資料を持って ヒトラーと対峙した時 アフリカ戦線で負傷した姿を見て勇敢な兵士と讃え、 名曲ワルキューレに関する質疑応答にて、 部下を判断し信用してサインを書くシーンがあり、 後にテロ現場となる会議室では 首脳陣を集めて中心となって 作戦実行指示を出しているシーンを見ていると 悪人と感じる描写が無いので ヒトラーが有能なリーダー像に感じた。 そんなイメージが出来上がった中で 通信室に「ヒトラーが死んだ」との一報が届いた時に 女性の通信員が涙を流して悲しんだシーンは 同調して悲しい気持ちになった。 悪人の死に対して 悲しくなるとは思っても無かったので 表現次第で得る感覚は 簡単に変わるもんだなぁと感じた。 あえて問題点を挙げるなら 登場人物が多く、 見た目での違いで区別はしているのだが ドイツが舞台だけに 「名前」 が聞きなれない長い名前が多く判別しにくい。 主人公の名前でさえ 「シュタウフェンベルク」とな・・・。 どうにもならない問題なのだが、 視聴者は多少は困惑すると思う。 他は 計画遂行時の緊張感表現に 誇張し過ぎる部分があるので 気になる人は 「そりゃねえなぁ」 「バレるだろう」 と思わなくない部分の 演出に寄り過ぎている表現手法が どうかと思う部分かと。 トムクルーズに触れた方が良いのか分かりませんが 勿論主演です。 特に違和感無かったので問題無いのでは? そんなこんなで 面白いエンタテイメントな映画ではありませんが 色々な感覚を感じさせる 良く出来た映画でした。 まぁ一言言うなら 「重い結末ですが是非・・・。」 |