タランティーノ?

観賞日記

イングロリアス・バスターズ

シナリオ展開キャラ表現映像満足度
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2012の口直しに何か映画を観に行くかと
日曜の夜にぶらりと行きました。

シェリル萌えに心が惹かれながらも、
イングロリアス・バスターズを選択。

全くもって
タランティーノ作品とやらを観たことも無いのだが、
まぁ強気の煽りプロモーションに乗っかるのと、
前期にワルキューレを観たので
ナチスドイツの話なら比較レビューも出来るのか?
映画素人がタランティーノ作品を観て
どういった感想になるのか?
など観て良い理由があるので選んでみました。


で、タランティーノって誰?


勿論、
名前は聞いたこと有るし、
CMにも出てたりするし、
しかし、代表作は?

「パルプ・フィクション」
「キル・ビル」

と言われても何にもピンと来ない。

逆にキルビルかよって・・・
ぐらいの感覚である。
まぁ余り期待せずに真っ白な状態で観ようかと。


そして、映画もよく分かっていない・・・。
ナチスドイツが絡んだ映画という程度の認識です。
ブラッドピットが何役なのかも分かっていません。

まぁいつもの事なので気にせず
プロモ煽りの

「1時間以内でつまらなければ返金します」

だけを気にして
導入のプロットがどうなのかだけを意識して
いざ観賞。


どうやら映画は章立てになっている。
結果は第五章まで有り、
導入部分は第一、第二章までになるでしょうか。

第一章では
ナチス側の主役、
ユダヤハンターと呼ばれるランダ大佐。

ユダヤ人を匿っている
フランス酪農家を追い詰める様を描いている。

会話で相手を追い詰め、
自白させる流れはよく出来ていた。
じりじりとした緊張感が有り、
会話の後半には床下を映して怯えて隠れる一家が居る。

そして、
自白へと追い詰める大佐の個性もよく出ていて
最後は床下に向かって乱射する絵は
緊張感を弾けさせ迫力も有り良かった。

ただ、
いかにもな床下に稚拙に隠れている絵は
いかがなものか?
また、
射撃を掻い潜って裏口から逃げた少女を逃がす絵は
ユダヤハンターの呼び名に反しないか?
など、
まぁ映画のプロット上致し方が無いのは後の祭りなのだが
まぁ我慢。


この映画の主役は
ブラッドピットでも何でも無くて
このランダ大佐と逃げた少女ショシャーナ。

第三章の後半で
ショシャーナとランダ大佐が接点を持ちます。


では、第二章
ここでブラッドピット率いる
イングロリアス・バスターズが登場。

イングロリアス・バスターズって?
と言うことがよく分かるプロットです。
ナチス襲撃グループってことですよ。

しかも、
残忍極まりない、ナチス討伐秘密部隊との事で。
ナチス側に大きな衝撃を与える為に、
倒す兵をバラバラに殺害したり、
数十回以上で刺殺したり、
バットで頭を殴り倒したり・・・。
止めは、
全ての殺した兵の頭皮をナイフで引き裂いて
強烈なインパクトを残す。

そんな凶悪なナチス討伐隊として
ナチス兵の中でも噂が広まり
恐れられた存在になっている。

そして、第二章の締めは
将校他3名を捕まえて取引の駆け引きを行う。


噂に名高いイングロリアスバスターズの面々に
取り囲まれた上級将校を呼び寄せるシーンの
スローモーション表現は状況や心情をよく表現出来ていた。

じりじりとした重い時間を
じっくりと描写する所は非常に良い。

重く見せた後には
キャラクター紹介を面白おかしく見せるなど
テンポや変化も有って非常に良い。

そして、
上級将校に生きるか死ぬかを選ばせる取引で
この先のドイツ軍の狙撃兵の
数と位置と所持兵器を吐けを吹っ掛ける。

勿論、将校は総統に誓って
教える事は行うはずが無いと答える。


「お国の為に死を選択するんだ〜」


と揶揄しながら奥からヒットマンを呼び寄せる。
暗闇の中からブンブンと音が鳴り響き、
ピンチヒッターをコールするかの様に登場を演出する。

そして、
出てきた大男がバットを構えて、
将校の頭にバットを置く。
そして、
もう一度ブラッドピットが情報を教えるかと聞くも
威風堂々と「NO」の返答が来るや
バットで頭を一閃。

この絵だけでも酷い絵なのに
倒れる将校の頭を2度3度と繰り返し撲殺する絵を見せる。
まぁ観ている方が良い気はしないよ・・・。

恐らく馬鹿アメリカ人なんかは
このシーンは大爆笑しているのだろうか・・・。
そんな、
恐ろしい絵を見せられた残りの兵の一人は
怯えて逃げ出し銃殺される。
残った兵に再び狙撃兵の情報を聞くや
即答で情報を漏らす。
そりゃそうなるな。


そんなこんなで
イングロリアスバスターズって事がよく分かり
ユーザーへの印象刷り込みも十分に行えた
有用な第二章だった。

掴みの一章二章が良く出来ていて
あぁこれなら
強気のプロモーションを行う理由も良く分かる。
さぁこれからイングロリアスバスターズ達が
どういった活劇を見せてくれるのか!!!
期待の高まりとテンションの高まりを携え
第三章にいざ!


ところが・・・。
興味津津のイングロリアスバスターズ達はいずこに???

第三章は大人になったショシャーナフローに入り
映画館を経営しているショシャーナに
好意を寄せるドイツ兵という
今後のシナリオの外堀を埋める
恋愛フローからの本筋発展フローでして・・・

映画好きのドイツ兵は実はナチスの英雄で
狙撃兵として一人で数百の兵を倒した国民のヒーロー。
しかし、
ショシャーナはナチスには怨念と復讐心が積もっており
全く相手にしなかったのだが
そのドイツ兵の英雄記録映画が作成され
披露試写会を映画監督を説き伏せて
ショシャーナの小さな映画館で行う事で
精一杯の気を引こうとする流れになり、
その映画館の警護担当に
あのランダ大佐が絡んでくる話です。

その試写会にはナチス高揚映画として
ヒトラー含め重鎮が押し寄せる事になり・・・。

もうここまでくれば
後は復讐に燃えるショシャーナが
強力な可燃性である映画のフィルムを使って
映画館を丸々燃やしつくして
復讐を達成させる話です。

もう普通のプロット過ぎて
何にも魅力は有りません・・・。
折角第二章で相当な期待を持った
イングロリアスバスターズは全く出てきません。


そんなローカル復讐話と並行して
イングロリアスバスターズの面々にも
内偵の女優スパイからこの映画試写会の話が流れ
前日に女優スパイと合流して
映画館に爆破物を持ち込む作戦が実行される。
ここから第四章だったかなぁ?


何にも特徴の無かった普通の映画プロットの第三章に
テンション下げられ幻滅しまくり
さらに、
第四章、最終章とグダグダです。


グダグダ内容を書き綴りたいとも思ったのですが
ほぼ全てのイベントや進行に不満満載なので諦めます。

ワルキューレと異なる点を記述しておくとすると
ヒトラー表現は
有りがちな気が小さく口うるさい
漫画チックなキャラクター表現。
どう感じるかは人それぞれですが稚拙極まりない。

最後の最後は復讐を成功させて、
逃げるに逃げれない閉じ込められた映画館が
大火災でナチスを焼き尽くし、
バスターズの下っ端が射撃連射しまくって
ヒトラーを蜂の巣にし、
逃げ惑うナチス面々を撃ち続ける
ストレス解消?映像でした。

アメリカ人なら大受けする表現なのでしょうか?
ただただ

「あ〜あぁ」

という感想しか湧きませんでした・・・。

さらに終幕の
ブラッドピットとランダ大佐のやり取りときたら。
2流や3流の映画監督と言うことが
良く分かる終わりでした。

グズグズのグダグダで突き進んだ第3章以降
そりゃプロモも

「1時間以内」

と限定する訳だよ・・・。



まぁ一言言うなら
「これって掴み詐欺だろう・・・
プロモの勝利といったところです。」


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誰?