ライムが来てからのカズマは、本当に大変だったと思う。
甘噛みされたり、急に飛びつかれたり、大事なオモチャを取られたり・・。
だから、もしかしたら“ライムなんか嫌い!”って言い出すんじゃないかって不安に思うことも、1度や2度じゃなかった。
ところが先日、私はその不安から解放され、逆に、カズマとライムの間にちゃぁ〜んと兄妹愛が育っているんだと確信した。
それはある日の保育園へのお迎えの時。
教室に入ると、家の形の画用紙に描かれた、それぞれの家族の絵が展示してあった。
“これがママ? じゃぁこれがパパやな。”
なんて聞きながらその絵のドアを開くと・・。
そこには茶色のペンで描かれたライムの姿があった。
“カズマ君、これ・・ライム?”
“そうや。だってライムは家族やもん♪ それで、これがライムのご飯。これがライムのオモチャ!”
・・ライムは家族・・
私の心をポォっと暖かくしてくれたその言葉を噛みしめていると、後ろから担任の先生がこう話してくれた。
“ほら、あっちにバスの絵があるでしょ? あれは家族と一緒にバスに乗って遊びに行こうっていうテーマで描いたんですけど、あのバスにもちゃんとライムちゃんが乗ってるんですよ。最近のカズマ君の絵には、必ずライムちゃんがいて・・。もうそれが当たり前のこととしてカズマ君の中にインプットされてるみたいですよ。もうすっかりお兄ちゃんにならはったんやねぇ(微笑)”
・・ライムは家族・・
カズマがライムの絵を描いたからといって、それがすぐさま“兄妹愛”どうのこうのということでは無いけれど、カズマがライムを自分の家族として絵に描いたということが、私には本当に嬉しかった。
そして一方のライムはというと・・。
相変わらずカズマのオモチャをくわえて逃げ回ったり、カズマに飛びついてみたりしているけれど、カズマがパパやママに叱られてワァ〜ンと泣くと、すぐに遊ぶのをやめて走りより、カズマのそばに座り、ただじっとカズマを見つめている。
時にはその涙をペロペロと舐めたり、心配そうに(そう見えるだけ?・笑)見つめている。
まだまだ自分(ライム)の方が上位に立っていると思っているみたいな所もあるけれど、“ご飯当番”の威力のせいか、カズマのコマンドをキチンと聞いたりする所を見ると、少しずつ“お兄ちゃん”として認識しはじめているんじゃないかな?って思える今日この頃である。
これって、相当な“親ばか”かしら??(笑)
ライム生後6ヶ月のある日、私の友人・まえちゃん夫婦と、その愛犬ライチ(ビーグル・女の子・1歳半)に会うことになった。
場所は御所。
朝から数回、霧雨が舞っていたが、プチプチオフ会には影響なく、楽しい時間を過ごせた。
そのとき、カズマがライチの“お手”に大喜びする姿を見て、『よぉ〜し!ライムにも頑張ってもらおう!!』と思ったママだった。(←感化されやすいタイプ・爆)
今回の担当はパパ。
まずライムに“sit”を命じ、“お手”と言いながら前足をすくい、ちょうど握手するような感じで握りながら“good!”と言い、オヤツを与える。
いつものように、『なになに? なんで褒められたの?? なんでオヤツくれるの?』と不思議顔のライムだったけれど、なんと2日目にはほぼ完璧に出来るようになった。
ただ、お手の練習はカズマが寝たあとに行っていた為、いざカズマに“お手”というコマンドを出させた時に、ライムがちゃんと言うことを聞くかどうか、すごく不安だったのだけれど、まずカズマにキチンと“お手”のやり方を教え、一緒にやってみると、ちゃぁんとライムはカズマの小さい手の上に“お手”をしたのだ。
そのときのカズマの嬉しそうな顔!
よっしゃぁ!
ウチの子は、ふたりとも天才だ!
・・・。
相変わらず、ぽわんママは脳天気な親ばかです。(笑)
散歩に行くようになって2ヶ月が過ぎたあたりから、ライムがおかしな行動を取るようになった。
それは、自分の前からこちらへ向かって犬がやって来ると、何も言っていないのにいきなり伏せをして待つこと。
ウゥ〜と唸るわけでもなく、ただじぃ〜っと伏せて相手を見据えて待つ。
『ライム、行くよ。Go!』って声掛けして引っ張ると歩き出すんだけど、出来れば伏せして待っていたいって感じみたい。
確かに、ライムはまだまだ世間知らずなので、いきなり吠えたり飛びかかったりするよりは、こうやって待ってくれた方が楽な気はするけど、なんで“待つ”ようになっちゃったのかわからないんだよねぇ。
同じ方向に向かって前方を歩いている犬とかには(敬遠はしているみたいだけど)あまり伏せはしない。
とにかく“対向からやってくる犬”が伏せをする対象みたい。
本能的なものなのかな?
一時的なものなのかな?
遊んで欲しいのかな?
なんだかよくわからないんだけど、ママはこれを“どうぞお通りになって”攻撃と命名した(なんじゃ?そりゃ!)