Amazing Grace


 "Amazing Grace"の作詞者John Newton(1725-1807)は元々奴隷商人であったが,回心を経験してキリスト者になった。それだけに,この歌詞には恩寵への感謝と深い信仰が流れている。"Amazing Grace"は彼が50歳を過ぎた1779年にロンドンで発表されたものである。一方曲の方はアメリカ人のP. CarrellとDavid S. Clayton がヴァージニアで1831年に発表した"New Britain"による。Newton一世一代の名詞とすばらしくソウルフルな音楽が結びついて全世界で愛される歌が生まれたわけである。
 "Amazing Grace"はクリスマス・キャロルとしてよりも,ゴスペルのスタンダード・ナンバーやスコットランド民謡としてより親しまれているかもしれない。"Amazing Grace"は合唱よりもソロ向きの曲で,古今ジャンルを問わず多くの著名な歌手がこの曲を録音している。たとえば,偉大なゴスペルの女王,マヘリア・ジャクソンの"Amazing Grace"を聴くと,その深々とした声と情感に圧倒される。スコットランドのバグパイプによるインスツルメンタル演奏で聴くのも楽しい。