My Favorite Cities & Towns

INDEX

チェスター
■ローマン・ハーバー城壁
■チェスター大聖堂
■The Rows
■グロブナー博物館

ウースター
■ロイヤル・ウースター
■The Elgar Birthplace Museum

チュークスベリー
■チュークスベリー修道院

おまけ
■チュークスベリー修道院のキャロル


チェスター
 Walesとの国境に近いChesterは今から2000年もの昔,ローマ軍によってケルト部族を鎮圧するために,要塞として築かれた街である。また,街は3.2kmにもわたる城壁に囲まれてる。ShakespeareゆかりのStratford-upon-Avonにも見られるチューダー様式の白壁に黒い柱の美しい建物が点在し,観光客を楽しませてくれる。  

ローマン・ハーバー城壁(Roman Harbour Wall)
 旧市街をほぼ四角く取り囲む城壁。およそ2000年前にローマ軍によって建てられたそうだが,西側と南側の壁は12-13世紀に建てられたもの。Habourというのは税関として利用されていたためであり,ウォーター・ゲートやウォーター・タワーもある。イーストーゲートからこの城壁に上ることができ,一周30分ぐらい。イーストゲートにはヴィクトリア女王即位60周年を記念した時計がある。
  (左)城壁の上を歩く
  (右)ヴィクトリア女王即位60周年記念の時計  



チェスター大聖堂
  街の中央にある赤茶けた砂岩のレンガで造られた大聖堂。10世紀に建造されたが,その後ゴシック末期まで増改築が続けられたため,様々な様式が混在しているという。内部の壁画や,聖歌隊席の彫刻がみもの。
  (左)赤茶けた色の大聖堂
  (右)大聖堂の内部


ザ・ロウズ(The Rows)
 ウォーターゲート通りとブリッジ通りが交差するあたりに広がるチューダー様式の建物の続くアーケード。建物の2階部分のバルコニーが回廊上につながっており面白い。中世に迷い込んだ雰囲気である。壁の黒柱を組み合わせた柄が建物によって微妙に異なり興味深い。これほど古くて雰囲気のある現役のショッピング・アーケードは英国でも稀だろう。



グロブナー博物館(Grosvenor Museum)
 Chesterの街の2000年の歴史が分かる博物館。この博物館は昔教会だった建物を再利用している。ここにはローマ軍が最初に築いた砦の模型や発掘物の展示だけでなく,ヴィクトリア時代の優雅な部屋を再現した展示もあり興味深い。



ウースター
 M5でブリストルとバーミンガムの間にあるこの街は,ウスター伯爵によって発案されたソースの名前で日本人にもよく知られている。また,ロイヤル・ウースターというイギリスでも屈指の大きな陶磁器工房もある。ウエッジウッド以外の陶磁器をじっくり見てみたい人にお奨め。郊外にはエルガーの生誕地もあり,音楽ファンにとっても憧れの地である。

The Royal Porcelain Works
 ロイヤル・ウースターは英国王室御用達の老舗の陶磁器工房で,日本でも有名である(デパートで一部の商品が現地の2倍の値段で売っている)。ショップでは,ロイヤル・ウースターの製品だけでなく,提携しているスポードの製品も手に入る。私がここで買ったWorcester Herbsのシリーズの大きなタルト皿(野生のタイムの花と蝶の柄)は日本でも重宝している。日常的に使うものだったら,セカンド・ハンド(2級)ショップもあり,非常に安い値段で買える。また様々なキッチン用品を見て回るのも楽しい。買った品はすべて日本まで発送してくれる。Lサイズのティーポットなど,送料を含めても間違いなく日本のデパートで買うより安く買える。創業以来の名品が展示されている陶磁器博物館,体験実習も含めた工房見学ツアー,なかなかいけるレストランもあり,たっぷり半日は観光できる。

  (左)ビジターセンターの紹介もあるパンフレット
  (右)レストランの前で



The Elgar Birthplace Museum
 日本でもおなじみの
作曲家エルガーの誕生した家。煉瓦造りの家は決して大きくないが,英国音楽ファンは是非訪ねてほしい。家の中には,エルガーの手稿譜やスコア,コンサートのプログラム,家族の写真などが展示されている。ショップではエルガーグッズやCDも売っている。


チュークスベリー
 セバーン川の河口にあるこの街は決して大きくないが,とても美しい。車だとM5を降りてすぐだ。ジョージアン様式に統一させた美しさをみせるBathの街とはまた違ったよさがある。街の中央にはけると十字が建てられている。ここはWalesではないのだが,ケルト文化の名残があるのであろうか?しっとりとした街は観光客としてではなく,住むのにちょうどいいのかもしれない。私はこの町の雰囲気が好きだ。
  (左)ケルト十字が建つ街の中心部
  (右)古い町並み



チュークスベリー修道院
 私たちがこの街を知ったのは,チュークスベリー修道院合唱団によるクリスマスキャロルのCDによる。決して技巧的ではないが,透明感のある美しいキャロルはとても素晴らしいものである。ちょうど私たちがこの修道院を訪れた時,合唱団が練習しており,CDで聴くのとはまた違う,広く高い聖堂の中に響くコーラスの響きは忘れられない。英国ではオックスフォードやケンブリッジといったカレッジの合唱団が有名であるが,どうしてどうして小さな教会つき合唱団の活動には素晴らしいものがある。そういえはクリスマスにBath Abbeyの合唱団によるキャロルも素朴な歌声だったが,心洗われる思いがしたものだ。


Christmas Carols from Tewkesbury Abbey
(NAXOS 8.553077)
 だれでも耳にしたことのあるキャロルはもとより,日本ではあまり耳にしないイギリスの伝統的なキャロルも収録されている。透明なコーラスの響きは,英国の教会で行われる礼拝に参加したような気分にさせてくれる。