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 2004.3.4.開催 アジア女性基金公開フォーラム
「だから、戦争」の論理と心理 〜女性、国民、アジアの視点から 2004.4.18. 更新
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武力、暴力による強圧と支配、その論理や正当性を「国」や他人にあずけてしまうとき、なにが起きたか。繰り返された戦争の記憶とその論理・心理を明らかにし、「戦争と歴史」「安全と共同性」「国家と個人」を考えていきたい。
このフォーラムでは、「戦争に踏み出す瞬間を支える論理がどのようなものであったのか」を追究する加藤陽子助教授と、「国民国家」「女性の国民化」の歴史に批判的に問いかける上野千鶴子教授、ナショナリズム、グローバリズム、国家の前面化に対する発言をつづける姜尚中教授が討論。

▽3月4日、都内主婦会館で開催。2会場にビデオ中継。
 予約しても第二会場になった多くの方々、本当に申し訳ありませんでした。
▽フォーラムの内容は、テキストで「基金」ホームページに上げ、また、印刷物として作成する予定です。
▽姜尚中さんが話していた通り3月23日、単行本『在日』を講談社から上梓。
 「外国へ行くので準備で忙しい」といい、そのさ中のフォーラムだった。この本でドイツへの研究滞在を明かしている。
▽上野さんは『戦争が遺したもの─鶴見俊輔に戦後世代が聞く』(共著、新曜社)上梓。

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パネリスト(みなさん、戦後生まれ)▼写真左から
 上野千鶴子  UENO,CHIZUKO(東京大学教授)
 加藤陽子  KATO,YOKO(東京大学助教授)
 姜尚中  KANG,SANG-JUNG(東京大学教授)

上野さん、加藤さん、姜尚中さん
フォーラム会場は参加者が埋め尽くした
 ▲予定の会場は最大の席数にし第二会場にビデオ中継して参加者は合わせて330人ほど(予約受付を締め切り、予約のない当日の方に対応)。会社員、専門職、NGO関係者などはもちろん、大学教員、大学院生、学生、韓国・中国の留学生、議員、作家、外国通信社記者、メディア記者など幅広い人たちとなった。年齢幅も広いが多くは若い層、そして全体の8割以上が女性とみうけられた
姜尚中さん
 ▲姜尚中さんは初めに「基金」の集まりに出るスタンスに触れ、妄想の戦争=「イラク」、「北朝鮮」・「北東アジア共同の家」などを語った。最新刊は『在日』3月予定
わたしも挑発、という上野さんとなかなかつよい加藤さん
 ▲事実上「司会」役もしていただいた上野千鶴子さん・左と加藤陽子さん。笑いも随所に3人の間で「イラク戦争」「かつての日本と北朝鮮」、「国民国家」  形成と日本の戦争、「戦争の正当化」「軍部と外務省と国民」「知識人の役割」「政治的リアリズム」「女性の国民化」「女性兵士の問題」とテーマは広がった。──戦争、国家、個人について歴史的・論理的に考える場となった
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2004年3月4日(木曜日)18:30〜21:20(18:00開場)
■(東京)主婦会館プラザエフ 9階スズラン/4階シャトレ(ビデオ中継)
■参加無料:先着順
■主催 財団法人女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金) ■後援 外務省
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*参考 ▼加藤陽子『戦争の日本近現代史』講談社現代新書 ▼姜尚中・宮台真司『挑発する知』双風舎、『ナショナリズムの克服』『日朝関係の克服』集英社新書 ▼上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』青土社、『文学史を読みかえる7 リブという〈革命〉』(加納実紀代・編、インパクト出版会)上野・加納対談「フェミニズムと暴力─〈田中美津〉と〈永田洋子〉のあいだ」

 
2003.12.5 企画の意図
◎ 「自衛のため」「制裁のため」「大義のため」と称して戦争・紛争が世界各地で起こされ、そのために人々が犠牲になっている。
そのなかで、「国家・戦争・暴力・女性」…を、歴史的にまた論理的に語り合うフォーラム。

武力、暴力による強圧と支配、その論理や正当性を「国」や他人にあずけてしまうとき、なにが起きたか。繰り返された戦争の記憶とその論理・心理を明らかにし、「国家と個人」「安全と共同性」を語り合うフォーラムを開催する。

◎「戦争に踏み出す瞬間を支える論理がどのようなものであったのか。こうした方法で過去を考え抜いておくことは、現在のあれこれの事象が、『いつか来た道』にあてはまるかどうかで未来の危険度をはかろうとする硬直的な態度よりは、はるかに現実的だといえる。」
(加藤陽子『戦争の日本近現代史』講談社現代新書)=写真

戦争を受けとめる論理――本書が最終的に描こうとしているのは、為政者や国民が、「だから戦争にうったえなければならない」「だから戦争をしていいのだ」という感覚をもつようになり、政策文書や手紙や日記などに書きとめるようになるのは、いかなる論理の道筋を手にしたときなのかという、その歴史的経緯についてです。……
国民の認識のレベルにある変化が生じていき、戦争を主体的に受けとめるようになっていく瞬間というものが、個々の戦争の過程には、たしかにあったようにみえます。それはどのような歴史的過程と論理から起こったのか、その問いによって日本の近代を振り返ってみたいのです。
人々の認識に劇的な変化が生まれる瞬間、そして変化を生み出すもととなった深部の力をきちんと描くことは、新しい戦争の萌芽に対する敏感な目や耳を養うことにつながると考えています。――(本書より)

◎過去の戦争分析から「戦争にうったえる、戦争はやむをえない」と転換する瞬間(論理)をさぐる加藤陽子助教授(東京大学大学院)。そうしたヒントによって、今回のフォーラムを企画。
──戦争・紛争・暴力とメディア、イメージ、そして市民、女性、民族を話題に、歴史の記憶と現在、そして未来像をさぐる。
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2003.12.8 これまで開催したフォーラム
財団法人女性のためのアジア平和国民基(アジア女性基金)
公開フォーラム(歴史と対話シリーズ)の経過
□ 2002年2月23日 東京ウィメンズプラザホール(東京・青山)
 戦争の記憶と未来への対話〜国際的視点から(日本とドイツ) *リンク
 イアン・ブルマ(ジャーナリスト)、木佐芳男(ジャーナリスト)、高木健一(弁護士)、石井信平(ジャーナリスト)、高崎宗司(津田塾大学教授)、伊勢桃代(「基金」専務理事)
□ 2002年11月16日 上智大学教室(東京・四谷)
 日本と韓国──過去の記憶と未来への対話 *リンク 写真
 小倉紀藏(東海大学助教授)、道上尚史(外務省課長)、高崎宗司(津田塾大学教授)、饗庭孝典(早稲田大学講師、元NHK)、金惠京(早稲田大学大学院・留学生)、李敬宰(高槻市・「在日」)、伊勢桃代「基金」専務理事

□2003年7月1日 国際連合大学会議場(東京・青山)
 日韓学生のフォーラム *リンク
 日韓関係の現在・過去・未来〜新時代に生きる私たちの対話
 韓国─関東(KWANDONG)大学校学生、西江(SOGANG)大学校国際大学院生 18人
 日本─中央大学、東海大学、津田塾大学、杏林大学、明治大学、早稲田大学学生 16人
 留学生─(韓国) 2人/ 
 アドバイザー─李元雄教授、横田洋三教授、饗庭孝典講師、伊勢桃代「基金」専務理事

 
 
2004.1.31/2.6/2.14

▽アジア女性基金公開フォーラム
「だから、戦争」の論理と心理 〜女性、国民、アジアの視点から〜

▽パネリスト:
 上野千鶴子(東京大学教授)
 加藤陽子(東京大学助教授)
 姜尚中(東京大学教授)

▽趣旨(一部語句を修正)
 武力、暴力による強圧と支配、その論理や正当性を「国」や他人にあずけてしまうとき、なにが起きたか。繰り返された戦争の記憶とその論理・心理を明らかにし、「戦争と歴史」「安全と共同性」「国家と個人」を考えていきたい。
このフォーラムでは、「戦争に踏み出す瞬間を支える論理がどのようなものであったのか」を追究する加藤陽子助教授と、「国民国家」「女性の国民化」の歴史に批判的に問いかける上野千鶴子教授、ナショナリズム、グローバリズム、国家の前面化に対する発言をつづける姜尚中教授が討論します。

▽日時:
 2004年3月4日(木)18:30〜21:00
 (18:00開場、予約─当日先着順。予約した場合も18:30までにご入場ください)
▽会場:
 東京/主婦会館プラザエフ 9階スズラン
▽主催:
 財団法人女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)
▽後援:
 外務省
▽参加無料

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 ▽プロフィル
上野 千鶴子 UENO,CHIZUKO
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。社会学専攻。 専門はジェンダー&セクシュアリティ研究およびフェミニズム理論。
1948年富山生まれ。京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程修了。京都精華大学などを経て現職。著書:『近代家族の成立と終焉』岩波書店、1990;『ナショナリズムとジェンダー』青土社、1998年;『当事者主権』(中西正司と共著)岩波新書、2003;『上野千鶴子が文学を社会学する』朝日文庫、2003

加藤 陽子 KATO,YOKO
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授。日本文化研究専攻:日本史学講座。専門は1930年代の内政と日米戦争史、戦争論。
1960年埼玉生まれ。東京大学文学部国史学専修課程、大学院人文科学研究科博士課程修了。山梨大学などを経て現職。戸籍名・野島陽子。著書:『模索する一九三〇年代 日米関係と陸軍中堅層』山川出版社、1993;『徴兵制と近代日本 1868-1945』吉川弘文館、1996;『戦争の日本近現代史 征韓論から太平洋戦争まで』講談社現代新書、2002

姜 尚中 KANG,SANG-JUNG
東京大学社会情報研究所教授。専門は情報科学、情報システム学、政治学・政治思想史。
1950年熊本生まれ。早稲田大学政経学部・大学院博士課程修了。明治学院大学、国際基督教大学を経て現職。著書:『反ナショナリズム』教育史料出版会、2003;『ナショナリズム』岩波書店、2001;『ナショナリズムの克服』(森巣博との共著)、集英社新書、2002;『日朝関係の克服』集英社新書、2003;『挑発する知』(宮台真司との共著)双風社、2003
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▽お勧め
このフォーラム関係で以下の著書を読まれることをお勧めします。
上野千鶴子さん
=『文学史を読みかえる7 リブという〈革命〉』(インパクト出版会)所収の上野・加納実紀代対談「フェミニズムと暴力──〈田中美津〉と〈永田洋子〉のあいだ」、『ナショナリズムとジェンダー』青土社
加藤陽子さん
=『戦争の日本近現代史 征韓論から太平洋戦争まで』講談社現代新書1599
姜尚中さん
=姜尚中・宮台真司『挑発する知』双風社、『ナショナリズムの克服』『日朝関係の克服』集英社新書
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03年夏以来、このフォーラムを準備してきました。
以上の内容、パネリスト、開催要領で決まりました。

 
 
2004.02.09/02.19…03.04 参加予約

▽大学の入学試験の季節で、大学の先生たちも忙しいようです。そして新年度の計画もおありで、連絡するのも気が引ける状態です。
でも、3人の方々は、3月4日の夜はこのフォーラムに時間をとっていただいています。つい、「もしも…」と心配になってまた連絡したくなるといった状態ですが、みなさん、大丈夫です。
▽参加予約のメール、電話、ファクスが事務所に届けられています。すでに相当数の申し込みをいただいています。ありがとうございます。席を確保していただくためには、ぜひ事前にご予約ください。150人予定で、「立ち見」席は考えておりません。
この方に、こんな話をぜひ聞きたい、というメールもいただけたらと思います。会場質問の時間もとる予定ですが、事前に構成を打ち合わせる際に参考にさせていただきます。(2.9)

▽すでに予約された方で予定の150人にせまっています。事前予約者の方のイス席は開会時まで確保しますが、当日来場の方も相当数と想定しています。
事前予約した場合でも、当日、できる限り開会する18時30分までに会場に入ってくださるようお願いします。(2.19)

▽会場の席数を増やしても対応できす、基本的に予約も締め切らざるを得ない状況です。
 ただし、本会場(9階スズラン)からの中継ビデオモニターをご覧いただく形を、あらかじめご承知くださる方の予約はお受けしています。
 同じ主婦会館内に、ビデオモニターによる第二会場4階・シャトレを急きょつくりました。
 当日来場の方は第二会場になります。(2.28)(3.4)

 
 
2004.02.10/02.16/02.19 パネリスト動向

加藤陽子さん
 ──「毎日新聞」04年2月9日夕刊、松本健一氏との対談「開戦100年 日露戦争─その現代的意味は」掲載。▽右は紙面の一部
 ──03年10月24日〜26日、韓国・ソウル、ルネサンスホテルで開かれた第3回日韓歴史家会議(日韓文化交流基金など)に参加し、25日「日本のナショナリズム」を報告。

姜尚中さん
 ──04年1月30日(金)深夜からテレビ朝日系列、朝まで生テレビ出演。 
 ──同1月25日(日)16時から東京・池袋のリブロ池袋店で、丸川哲史氏と対談「『屈辱』と向き合うために」。
 ──04年1月17日(土)19時から東京・新宿紀伊国屋ホールで、宮台真司氏と対談「国家を操舵する意志」。▽紀伊国屋書店主催セミナーのチラシ


上野千鶴子さん
 『文学史を読みかえる7』2003.12. 所収の加納j実紀代さんとの対談。ひろく、また深く語っている。「加納さんにうまく引きだされた」と。


3人の方々はほんとうにお忙しいのに、このフォーラムへの出席をお引き受けいただいた。なかでも加藤さんは、最初の相談のときからこれまでずっと熱心に、力強く、一緒につくりあげようとしてくださった。上野さんも、叱咤する形で後押しをしてくださった。また姜尚中さんは、丁寧で気遣いのある対応の上、ことば少なく「でますよ」との答えを用意していただいた。
 まだ開催は先ですが、多くの方が参加してくださって、3人の方々が張り合いのある空気のフォーラムとしていきたいとおもっております。(2.16 は)

目下、最初にパネリストのおねがいをした案をもとに、当日のフォーラムのテーマと流れなど具体案を3人の方々にお示しして、プログラムにまとめようとしています。趣旨に書きました通りの線で、しかしみなさん、蓄積、力量と幅をおもちですから、自在に対話をしていただくようにしたいと考えています。(2.19 は)