Ding Dong! Merrily on High


 この楽しいキャロルの曲は,元々16世紀フランスのダンス曲で,Arbeauの書いた音楽とダンスの教則本"Orchesographie"(1588)に収められている。なお,後に英国の作曲家ピーター・ウォーロック(1894-1930)は,この教則本に収められた作者不詳のダンス曲6曲をアレンジして,弦楽合奏のための「カプリオル組曲」(1926)として発表している。一方曲に英語歌詞をつけたのは 英国Birkenhead生まれの牧師George Ratcliffe Woodward(1848-1934)である。
 "Ding dong!"は鐘の鳴る音を表しており,クリスマスに教会の鐘が楽しげに鳴り響いている情景を思い起こさせる。曲の後半は,息継ぎなしに6小節にわたって"Glo - - - ri - a"(グロリア)が長く伸ばされ,"Angels from the Realms of Glory"(あら野のはてに)を連想させる曲でもある。この部分を合唱でぴったりと合わせるには歌い手に相当高い力量が必要であろう。英国では子どもに好まれるキャロルである。日本でも「ディンドン鐘が鳴る」とか「ディンドン空高く」の名で親しまれている。