St Aubinsとは?


BGM is "Where the bee sucks, there lurk I" from "Music from the Tempest" by Thomas Linley Jr. (1756-1778) who was born in Bath.





 St Aubinsとは私達家族が1998年6月から1999年5月まで住んだ英国南西部の街Bathの家の名前です。駅であるにもかかわらず大時計が止まっているBath Spa駅を出て南西方向に向かうと,まもなくWidcombe Hillの急な坂道が見えてきます。この坂を丘の中腹まで登ると,坂の左手にこじんまりした家があります。これがSt Aubinsです。キリスト教の聖人であるSt Aubinsの名前がなぜこの家についたのかははっきりしませんが,この家を建てた人が英国南西部コーンウォール地方の出身で,そこの地方の聖人にちなんだ名前を付けたというのが一説です。この家の住所はSt Aubins, Widcombe Hill, Bath BA2 6ADで,普通の番地が無く,St Aubinsが家を識別する大事な住所になっています。
 私達が今でも懐かしく思い出すBathという素晴らしい街とSt Aubinsの家。家族とは何か,勉強とは何か,幸福とは何かということをゆっくり考えることができた貴重な時間。ホームページのタイトルをSt Aubinsとした理由はここにあるのです。
 St Aubinsの家は,いわゆるSemi-detached house(1つの家を真中で2つに分けた家)でしたが,もう一つの方の住人は大変な老婦人で,玄関が全く違う方向にあったため,あまりお付き合いがありませんでした。
 そちらとは逆方向の生垣をはさんで,Portreathという名前の家があり,その家とは玄関までの道が途中まで一緒だったため,Portreathただ一人の住人Ms Jean Pickwickとは大変親しくなりました。後で分かったことですが,彼女こそヴィクトリア時代の文豪チャールズ・ディケンズの出世作Pickwick Papersのモデルとなった馬車業親方Mozes Pickwickの子孫だったのです。
  また,St Aubinsには野生のキツネやBadger(アナグマ)が来るような庭があります。ある午後ゆっくりとお茶を飲んでいた時,ふと庭を見ると尻尾の大きなキツネが歩いています。あとでPickwickさんに聞いてみると,Bathに長年住んでいてもキツネを見るのはまれだとか。なんだか得した気分です。ただ,彼女は庭の芝生にあけられた5cmぐらいの穴を指して,「Badgerがいたずらするのよ!」とよく言ってましたが,残念ながらBadgerには出会えませんでした。
 こんなSt Aubinsの庭にやってきたのは,キツネやBadgerだけではありません。イギリス人が大好きなRobinをはじめ様々な野鳥が庭にやってきました。私たちもPickwickさんを真似て木の枝に餌を吊るして野鳥を待ちました。
 St Aubins は私たちに自然と仲良くなるための様々な宝物をくれたに違いありません。