JAL
慇懃無礼・・『言葉・物腰は丁寧すぎるほどなのに、実際は相手を見下している様子』・・辞書でしか知らないこんな言葉を、身をもって体験させてくれるJALのエコノミークラス。日本にもカースト制度があった。
パーソナルテレビとか、うどんですかいとか、アイデアは素晴らしいのになあ。おじさんたちには絶大な人気を誇るので、黙っていてもJALさえ予約しておけば文句は出ないが、たまに「JAL以外で」と強力にリクエストしてくるお客さんには心の中で「私も」と同情してしまう。
どこのエアラインともアライアンスを結ばない、使い勝手の悪いマイレージカードにも、JAL魂を感じる。お客さんに対して慇懃無礼な態度と言うことは、エージェント(旅行会社)専用のデスクには、ただの無礼な態度の人さえいる。
しかし、そうは言うもののJALの、旅行会社に営業に来る9割の人は感じが良く、人格者も多い、残りの1割には、エリート根性丸出しの野心家タイプがいる。
しかし、ハリー・ポッターが言うように、「目下の人をどう扱うかによって、人間性がわかる」というものだ。旅行会社は、航空会社にとってお客さんなので、どちらかといえば航空会社が目下の者にあたると思うのだが・・・・。 |
Swissair
日本人・スイス人スタッフ共に機敏で腰が軽い。プロのサービスとは何かがよく分かっていると思う。つぶれちゃったけど、きっと新会社スイスインターナショナルエアラインズも同じスタンスでやってくれているはず。この、スイスインターナショナルエアラインズって名称、どこまで浸透しているのだろうか。最近、大手旅行会社の説明会で「スイス航空」と、堂々と言っているのを聞いたが。
この会社のセールスマンは、のんびりした人が多かったように思う。育ちが良過ぎるのかもしれない。
誰もなかった事にしているみたいだが、倒産したサベナベルギーとは合併する勢いだった。言われてみれば、セールスの人のタイプが両社とも似ていた。
スイス航空はあまりにも人件費がかかりすぎたために、計画倒産したのだという噂があったけど本当かな。プロのサービスは高賃金に支えられたものだったのか。ビジネスクラスにも乗ったけど、エコノミーでも同じくらい大切にされていると感じさせてくれるのは、なかなかできない事だと思った。ワインは、250dl入りのスイスワインのボトル。 |
Lufthansa 
優等生のような航空会社。乗務員・ミール・座席どれもが平均点で、特に素敵ではないが、かといって悪いところも見当たらない。考えてみればすべてが平均点というのも難しいのかもしれない。しかし、日系のエアラインは今やみなパーソナルテレビを備えているので、天井に備え付けのテレビが古臭く見える。日本線のビジネスクラスは、果たしてあれでいいのか?と思わなくもない個性のなさとシートの狭さ。
セールスの人も、エージェントデスクの人も、親切な人が多かったが、インターヨーロッパのプッシュになると、とたんに冷淡になるのは、ちょっと切ない。
機内のドイツビールの種類の多さと、スパークリングワインが当然のようにエコノミーに積んであるのは高得点。正規割引運賃の名称が「ユーロマンティック」なのは、ちょっとどうなの? |
Scandinavian
日本線はエアバスを利用しているので座席配列が2−5−2となり、とてもゆとりがある。食事はおいしい。パンは温められてかごに盛られて回ってくるのでとてもおいしい。コペンの空港、空港の駅にも共通する、シンプルで無駄がないのにゆとりがあるスカンジナビア的なセンスが、国土が狭く人口密度の高い国住む身としては、とても心地よい。 |
British Airways 
業界では「ビーエー」と呼ばれているし、お客さんにも浸透していると思うのだが、正規割引運賃が「DOUBLE
DECKER だんトク」という、イカさない名前だという事は、さすがに業界の人も知っている人は少ないであろう。ロンドン線は多数の航空会社が競合しているため、概してハード面では質が高い。パーソナルテレビはもちろんついているし、ヴァージンに対抗してか、UKバンドのプロモビデオが充実していた。毛布もタータンチェックが使われていてセンスが良い。
エコノミークラスは、「ワールドトラベラークラス」と言い、まるでエコノミークラスではないような気分にさせてくれる。ただ私はこの航空会社で、いずれもインターヨーロッパだったが、オーバーブックとロストバゲージを体験したので、信用はできない。
また、昔ヴァージンに追い落とされそうになったBAが、ヴァージンに予約している客のところに直接電話で営業し、様々なサービスをつけて自社に変更させた、という問題があったのを思い出してしまう。いったいどんなサービスがつけられていたのか・・・・嘘でもヴァージンに予約しておいたほうが良かったのか・・・・とやきもきさせられる。多分エコノミーのディスカウントの客には来ないとは思うが。
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Air France
業界ではエアフラと呼ばれているが、お客さんにはエールフランスと言い直さなくてはならないのが面倒だ。もう日本でもエアフランスで通したらどうだろうか。そういえば、昔、子会社でAIR
INTERというのがあったが、これはエアインターよりもエールアンテールと発音した方が断然格調高く、いつか自分で会社を興すような事があれば、その名前、社名に頂きます。
昔乗った時、通路を挟んで隣がフランス人で、「機内食のこのデザートは何なんだい?」との質問を受けたことがある。確かオレンジのムースだったと思うが、彼は、「これはフランス風じゃない。まずいから。」と言っていた。また、その後コワントローを自慢げにみせびらかし、「これはフランスが誇る酒だな〜」とも言っていた。フランス人は、自国の文化に疑いを持たない。
パリーバーゼル間はビジネスクラスのみだったため、ITチケットだったのにビジネスクラスの食事が出てきたり、欧州便で唯一深夜便があるため、早朝に到着するには南回りしかないと、覚悟を決めて青ざめて相談してくるお客さんに勧めて喜ばれたりするなど、個人的にはよい印象がある会社。BAと同じくエコノミークラスとは言わず、「テンポ」という、何か煙に巻かれる名がついている。 |
KLM Royal Dutch 
インターヨーロッパのKLM CITY LINEしか乗ったことがないが、機内食がランチボックス型で、チーズがおいしかった。欧州内の短距離は、フォッカーという機材を使っており、お客さんから「え?聞いたことないな・・・・」と不安がられたりする。
日本−アムステルダム線のビジネスクラスは、どんなからくりがあるのか全く不明だが、かなり安く売られているとの評判だ。倒産してしまったサベナベルギーも、確か同じくらい安かったので不安を感じるが、日本に初期の頃から乗り入れをしている実績があるので、そうAOMフランスみたいには、簡単にはコケない気がする。 |
Aerofrot
「乗ったことのない航空会社に乗りたかった」と、友人には言ったが、学生の卒業旅行じゃあるまいし、予算上の都合だった事は秘密だ。
機内の、クレムリンを描いた壁紙が、一昔前のセンスで懐かしい。機内は半分以上がロシア人と見た。機内映画は、普通の劇場映画の他に、多言語版がないロシアの喜劇番組を、えんえん放送していた。また、それが面白いらしく、ロシア人が大声でゲラゲラ笑っていた。同じ番組を何度も流しているのに、そのたび新鮮に笑っているのが、また不思議だ。
着陸するたびにどこからともなく賞賛の拍手が沸きあがるのも、飛行機の不確実性を再認識させてもらったようで新鮮。
もし、「モスクワで望みもしないのにストップオーバーしてしまったらどうなるのだろう」、という疑問をお持ちの方は、トラブル編をご覧下さい。
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Korean 
最初に海外旅行で乗ったのが、大韓航空だった。大韓航空機爆破事件と、爆発事件が続発し、「今一番乗りたくないエアライン」という投票があったとしたら、ダントツ首位だったと思う。いつも思うのだが、エービーロードの「人気エアライン投票」に対抗して、「不人気エアライン投票」を行っていれば、広告収入こそ入らないものの、「BLANCA」も「VEEトラベル」もそこそこの売上が見込め、廃刊を逃れたのではないだろうか。
噂に聞くように、機内食でカルビやビビンパが出るような事はなく、いたってノーマル。同じ種類の噂としては、「エアインディアでカレー」「ロイヤルブルネイ航空で純金のシートベルト」「アリタリアの死んだ犬」などがあるようだ。
大韓航空のパイロットは、全員空軍あがりだと聞いたことがある。そのせいか、離発着は恐ろしく乱暴だった。しかし何せ初めての海外旅行だったため、「飛行機ってこんなものなのか・・・」と、納得していた。しかし、乗務員の女性も全員怖かった。私が書き損じたイギリスのEDカードを、目の前で握りつぶされたときには、「女性乗務員も空軍あがりなのか」と震え上がった。
ソウルでのトランジットが5時間近くあり、トランジット客のために軽食を用意してくれたのだが、それが機内食で出たサンドウィッチと同じものだった時は、有難い反面少し迷惑。しかし、その体験も全て10年以上前の事なので、今では随分改善されたのではないだろうか。 |