丸いお菓子

バイエルン州近辺で、ローテクな自動販売機、SELECTALLに必ず存在するこのお菓子は、20世紀までは包装も手包みっぽかったのに、21世紀に入ってからは機械包装になり、湿気が入りにくくなりました。
限りなく私好みなこのお菓子、まとめ買いして日本でも食べたいと思うのだが、なぜかSELECTALL以外で売っているのを見たことがない。
仕方ないので、日本ではゴーフルを3枚重ねて食べて雰囲気を出してみるか。 |
SELECTALLって...

SELECTALLに納品するために、現地の菓子製造業者は猛烈な営業をかけ、「営業100日」とかいって仕入れ担当に会うまでに、まず3か月かかり、その後も、もちろん100円の商品を20円位に買い叩かれ、「これじゃ原価割れだけど、でもSELECTALLさんの巨大な販路は捨てがたい。利益が減少しても、売り上げがあがれば、何とかこの夏はしのげるぞ、みんな!」とか朝礼で言っているのかな。
昔、「び○う」という、駅の大手旅行会社にパンフレットを置いてもらうために、通常は10%と決められている手数料を、「12%差し上げますから!!」と、清水の舞台から飛び降りてみたはいいが、年間の集客が4組しかいなかった事を思い出してしまう切ない機械だ。 |
緑色のお菓子

変な色や、変な名前のお菓子を旅先で見ると、食べずにはいられない。買う前から、『これはどうも失敗だな・・・』とうっすら予感できるものもあるが、思わぬ成功を収める物もある。
この時、私を捉えたのは、COOPのカフェテリアに並んでいた緑のお菓子だった。まわりには、メレンゲがかかったレモンパイや、ワイルドベリーのタルトなど、おいしく華やかなケーキが並び、『よりによって、あの緑のお菓子に手を出しちゃだめだぞ、自分』と戒めていたはずなのだが。
同行者Sは、はやばやと絶対に食べない宣言をしていた。去年、シケたUFO型ウエハースの中に顆粒状のラムネが入っている、というお菓子を食べさせて以来、ハズレはないはずなのだが。
一口目、私の想像ではメロン味だったはずが、シトロン系。二口目でわかったが、中はライム味のカスタードクリームだった。こう書くと、全然おいしい雰囲気が出せていないが、『しろたえ』がライム味のシュークリームを出したら、こんな上品な甘さになるだろうという、意外なほどのヒット作だった。もう一度食べてみたい。 |
スイスのチョコレート

スイスのチョコはだいたい当たりが多いが、その中でもトイスチャー(Teuscher)の、特にシャンパントリュフには、いまだかつて文句が出たことがない。リンツもおいしいが、希少価値では劣る。トイスチャーなど、チューリヒの店に行くと週末にはすごい人でごったがえしている。チョコのお店が混雑しているなんて、ちょっと日本ではバレンタイン以外考えられない。
他に、地方のお菓子屋さんが作っているヘンテコな、生活用品や名物をかたどったチョコもおもしろい。さらにマジパンはもっと面白い。ただマジパンはどんなにおいしそうに見えても、味はユルい黄粉飴でしかないのが痛い。 |
焼き栗 
焼き栗は秋から冬にかけて路上で良く見かける。5センチくらいのまるまる太った栗から、小粒の栗まで店によってまちまちだが、だいたいグラム売りで、味も大小変らずほくほくでおいしい。最近、日本のデパートでも良くみかける。べらぼうに高いけど。
以前、ウィーンのヌスドルフで、地名通りに、まるまる太った栗がごろごろ落ちていて、車も迷惑そうに栗を踏みしだいて進んでいる、という贅沢な光景に出会ったことがある。東京の銀杏が、拾い尽くされているのとは対照的だ。 |
いきなりな包装
湿気が少ないせいもあるだろうが、お菓子やパスタの箱を開けると、いきなり中身がむき出しであるのはいかがなものか、と毎回考えてしまう。グリコ・森永事件のトラウマがないとはいえ、ここまで無防備でよいものか。最近ではクスクスを開けた時、まさか中袋が無いとは思わなかったため、思いっきり箱をこじ開けた挙句、床中クスクスだらけにした失敗がある。
また、メレンゲを戸棚に置いていたらサンマの煙を吸い、サンマ風味のメレンゲになり猫が喜んだ。良く駅で買うミニサイズのポテトチップスなどは、アルミ包装してあるのに、心なしかシケている。毎回毎回、「こうなる事は予測できたのに・・・」と、開けてから舌打ちするのだが、最近では高級バージョンなら、3本ずつの個包装になっている日本のポッキーを、ぜひ見習って欲しい。
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消息不明なウエハース(NEUE-JAHRE MARKT)

色つきのウエハースにクリームが挟んである、限りなく安っぽいお菓子。似たタイプに、銀座の夜、屋台の駄菓子屋さんで売っている、「歯ブラシ型ウエハース菓子」があげられるが、そんなマニアックな例えで、誰がわかると言うのだろう。
リューベックの市場のお菓子屋さんで、1マルク(60円位)で初体験。その後、同じ町のウールワースで、NEUE
JAHRE MARKTの名で、タッパー入りの10本入りが売られているのを見かけたため、「これは日本のポン菓子なみにポピュラーだぞ!」と思い込んだが、その後の人生で未だ出会わない消息不明なお菓子だ。 |
とうもろこし

プラハの屋台で買ったのは、とうもろこしを塩ゆでしただけのもので、20コルナ位。
このとうもろこしが、栗のようでとってもおいしかった。私の屋台とうもろこし体験の中では、台湾の士林市場のゆでとうもろこしが、最高ランクだったのだが、これは2番手につけていると思う。
海外では極力「醤油があれば」とか「梅干食べたい」とか思わないようにしているが、そんな自分の潔いポリシーを封印したくなるほど、醤油が欲しかった。 |
クネードリキ

旅行前に、チェコの名物「クネードリキ」というものがあるのを知り、小麦粉好きの私は色めきたった。写真を見てもいまひとつピンと来ないのだが、説明によると「小麦粉を練って、蒸すか茹でるかしてスライスしたもの」だという。付けあわせとして供されるのが普通で、単品で「クネードリキ下さい」とは言えないらしいので、ちゃんと出会えるかどうか不安である。ちなみに、良く付けあわせとして出される、「ポレンタ(とうもろこし粉)」や、「ニョッキ」も、単品で頼んでも構わない位好きだ。
プラハ城近くのカフェで、ついに「ポークソテーとクネードリキ(焼いたピーチクリーム添え)」というメニューを見つけた。(焼いたピーチクリーム添え)がちょっと不安を掻き立てるが、臆せずオーダーした。ところが私の所に来た料理は、ただの「チキンソテー・野菜添え」である。おかしいと思って隣のテーブルの老夫婦を見ると、奥さんが気まずそうな顔をして私を見るではないか。
はっっ、もしやアンタが食べているのは「ポークソテーとクネードリキ(焼いたピーチクリーム添え)」じゃないの?そのご夫婦は、スペイン語しか話せないようなのだが、どうやら「間違えてこっちにこれを持ってきたから、つい食べちゃったのよ。」という言い訳をしているらしい。同行者Sは素早い計算で、こちらの方が得だと思ったらしく、「いやかまわんですよ、わっはっは」とか勝手に請け合っているではないか。奥さんの手元の皿を見ると、もう半分以上食べられており、クネードリキ(焼いたピーチクリーム添え)の全貌はわからずじまいであった。
その後、広場のカフェや、イタリアンレストランなどで食事をしたため、なかなかクネードリキとの遭遇を果たせず、最終日にようやくワインケラーで「グラルーシュのクネードリキ添え」を発見することができた。その頃には、もはや私の中では神格化された食べ物となっていたが、味は密度が高い肉まんの皮部分という感じで、想像より水分が少なかった。幾多の障害を越えて出会った割には、結果的には、まあ好物に加えてやっても良い、というような消極的存在だ。
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チーズワッフル
まだベルギーワッフルが流行る前、ベルンの市場で2フラン(160円位)で売っていたワッフルは、近郊のグリュイエールから来たおじさんが、地元のチーズを使っていると自慢するだけあり、とても濃厚でおいしかった。
その後何度かベルンの市場に寄っているが、その時を最後にワッフル屋のおじさんをみかけなくなってしまった。おじさんはチーズ作りだけで生活が潤っているのか、残念だ。 |
ロゼッタパン
イタリアをローマまで下ると出会える、中身が空洞のパン。ロゼッタとはバラの意味で、確かに表面がポコポコで、バラの花にも見えなくは・・・いや、見えない。
最初、「おぅ、ロゼッタストーンと何か関係がありそうな、古代からあるパンだな、さすがローマ」と思ったが、全然関係ないらしい。皮の中身がふわふわで、外側はキツネ色のパリパリの生地で、もっと日本で普及していてもおかしくないと思う位おいしいし、作り方も簡単そうなのだが、まだ日本のイタリアンレストランでは出会った事がない。 |
猫の味覚

猫を飼い始めてから、今まで行かなかった海外のスーパーのペットコーナーにも、立ち寄るようになった。日本で「カルカン」ブランドとして売られているものが、「WISKAS」という名前なので違和感がある。猫マークのロゴだけが同じだ。もちろん「しらすとかにかま」なんてメニューはなく、ビーフやチキンが中心である。
スイスのMIGROSで、0.6フランの「MIGROS特製サーモンと野菜」というレトルトのキャットフードを見つけた。「日ごろ68円のレトルトを食べさせられているのに、お土産とはいえ、50円程度のご飯になるなんてかわいそう・・・」とは思ったが、写真に写っている猫がうちのとそっくりなので思わず購入した。それにうちの猫は何だかんだ言っても外人だし・・・。
帰ってさっそくあげてみた。ものすごくがっつく猫なのに、匂いをかいだだけでUターンした。言葉で表すなら「いらにゃい」だ。試みに鰹節を振りかけてみると、鰹節だけ食べる有様。しつこく何時間も置いたままにして、部屋を閉め切ったりしてみたが、一口も減っていなかった。お口に合わないらしい・・・なんてグルメな猫なんだ。
後日この猫は、同じくヨーロッパで買ったメレンゲはおいしそうに食べていた。何だそりゃ。こうなったら今度は、ヨーロッパで知り合った猫に、「だしで調味したあじとかつぶしメニュー」と「かつおジャーキー」が口に合うかどうか試してみたい。 |
アプフェル・シュトゥルーデル

りんごをシナモンで甘く煮たものを、クレープに似たバターの少ない生地で巻いて、オーブンで焼いたもの。
ある大手旅行会社のパンフレットに、「アプフェルシュトルーデルとは、オーストリア風アップルパイ」と書いてあったが、そりゃ違うだろう、形も違うし。何よりバターの量が全然違う。
お店で頼むと生地をパリパリに焼いてくれて、とてもおいしい。日本では、フルーツの高野のパン屋さんで、アップルシュトルーデルを売っているが、似て異なるながらも、それはそれでおいしい。 |
プレッツェル

アメリカのプレッツェルは柔らかくて、東京ディズニーランドで売っているプレッツェルに至っては、「拡大解釈とは何か」を考えさせられるが、ドイツのものは程よく固くて、ビールに良く合う。アメリカのアーティスト、スティーリー・ダンの名作に「プレッツェル・ロジック」というのがあるが、アメリカとドイツの論理は全く異なるものになるであろう。 ドイツでは「BREZEL」といかにも硬そうな名前で、頑固そうな岩塩が貼りついている。
ホフブロイハウスでは、普通のメニューとは別に、民族衣装を着たおねえちゃんが一個3ユーロで巨大な、直径20センチくらいのプレッツェルを売りに来る。今、冷静に考えると高いのだが、バイエルン州旗のナフキンにくるまれたこれを見ると、激安だと思えるから不思議だ。 |
キャロットケーキ
CLERYSはオコンネル通りにある、ダブリン一の高級デパートなのに、最上階がセルフサービスのレストランだった。お客さんは地元のおばちゃんが8割。
そんな中、きちんとした身なりの初老の紳士が、このキャロットケーキを選んでいた。この紳士は、食事中も何度かケーキに目をやり、食後に食べるのを楽しみにしているようであった。
味は甘すぎず上品で、今まで食べた外国のケーキの中では一番美味だった。ちなみに2番はインターラーケンのCOOP内にある、セルフレストランの緑のケーキで、3位はハルシュタットのカフェのアプフェルシュトルーデルだ。
最下位は、マウイ島のバイキングのチョコレートケーキを差し置いて、ウィンダミアの船着場のシフォンケーキだ。シフォンケーキにアイシングをかけてはいけない。 |
アイスクリーム

ヨーロッパの人はとにかくアイスが大好きだ。レストランではメーベンピックなどが、アイスの写真付き別メニュー表を置き、またみんなそれを食い入るように見つめている。シュツットガルトの宮殿前では、平日の昼間だというのにジェラート屋さんに行列ができていた。小倉はなかった。
特に目に付くのは、リゾート地の、おじさんの『歩きながらアイス』だ。ジェラートはもちろんだが、普通の『ジャイアントコーン』みたいな普及型のアイスでも楽しそうに食べている。
アイスに季節は関係ないみたいだが、夏には半パン、冬は原色のウィンドブレーカーとアイスの組み合わせを良く見る。みんなとてもおいしそうに食べているので、いつも便乗して買ってしまうが、だいたい寒くなってしまう。 |
スノーボール(Schneeball)
十年以上前にミスタードーナツが出していた、「スノーボール」の原型と思われるお菓子。ローテンブルク名物だそうだ。細長く切ったパイ皮を、ボール状に丸めて揚げて、さらに粉砂糖をまぶしてある。それほど油っぽくはないが、飛び上がるほどおいしい!、というわけでもない、想像通りの味。
ローテンブルクでは、店によってはチョコ味やシナモン味などのフレーバーが選べた。おみやげに持ち帰ろうとしても、お菓子と鞄の中身双方が壊滅状態になるので無理。 |
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