KJ-BOX NEWS
  • NEWS 2005-2
  • NEWS 2004-2005
  • NEWS 2002-2003
  • NEWS 2002-2003.7
  • NEWS 2002.03
  • NEWS 2001

  •  
     

    ◆NEWS 2000

    「慰安婦」問題「解決促進法律案」、結局、廃案

     国会に提出された民主党の「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」は、廃案となった。
    他方、「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」(恒久平和調査局設置法)は民主、共産、社民3党で統一した提案がなされており、衆議院で継続審議となっている。(2000.12.5.)
     

    フィリピン人元「慰安婦」補償請求裁判で、東京高裁は12月6日、控訴棄却の判決
     → 控訴審判決要旨
     

    在日韓国人元「慰安婦」控訴審判決も「棄却」

     在日韓国人元「慰安婦」の謝罪・損害賠償請求裁判で、東京高裁は11月30日、控訴棄却の判決を行った。
     → 控訴審判決要旨
     
     

    民主党「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」だけ委員会に付託

     「慰安婦」問題についての解決促進法律案は、11月、民主党案のみ国会の委員会付託とされた。
     これにより共産、社民党案は廃案となる。(2000.12.)
     
     

    成立の可能性はないが、提案された三野党「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」(共産の法律案は別名)

     10月30日、民主党、共産党、社民党が「慰安婦」問題に関する解決促進の法律案提出について、共同記者発表を行った。法律案の名称は、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律(案)。各党ばらばらに要綱とともに提出された。民主党が独自の提出を図ったため、他党が急きょ動き、発表だけは共同となった。これらが議案として扱われるかどうかわからないが、どの党も、「成立の見込みはない」との認識で一致しているというのが実態だ。

     ほぼ内容、文言が同じ法律案の提出に当たって、8月から統一案を模索して各党間で調整した。9月にいったん統一案とされたが、民主党が単独で提案する姿勢をみせたためにまとまらず、それぞれの党の案として提出されたという。共産党の法律案は、政府が「謝罪と償いの意を表す」との表現をとっている。
    (*各党の責任者は、民主・本岡昭次、共産・吉川春子、社民・清水澄子各議員)

    アジア女性基金と話ができている」と確認ずみ
     この間に、「慰安婦」問題の立法解決を進める運動から土屋公献氏、有光健氏が民主、共産、社民各党の政審などの担当者に要請する会合がもたれた。同会合で出された他党からの質問に対して、民主党からは、法律案について「アジア女性基金とは話ができている」「基金を否定するものではない」「基金の根拠法は別にするとしても、実態的には基金でよいということだ」と明確に答えられたという。
     さらに聞こえてくるのは、「どの党も、この法律案が成立する見込みはないとわかっている」が、国会の野党活動、その他の政治情勢によって「提案」が必要だった、ということだ。
     なお、これに先立って土屋公献、荒井信一氏(日本の戦争責任資料センター)はアジア女性基金村山富市理事長を訪ね、立法解決を図る旨を伝えた。その際、土屋氏は、「基金」に対して「アジア女性基金を否定しない」との意向を語っている。このことから、実質「基金」の体制を認め、「政府の謝罪と解決の措置、金銭の支払い」を「上積み」する法律案とする路線をとったものと受け取られる。(2000.11)
     
     

    社会民主党、「慰安婦」問題に「解決促進法律案」まとめる

     社民党は10月上旬、「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」(未確定)をまとめた。
     8月から民主党、共産党とともに、案の一本化と共同提案をさぐってきたが、それはかなり難しくなったようだ。
     社民党案は、ほぼまったく「民主党・戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」とそっくり。
     たとえば、法律案第三条──「政府は、できるだけ速やかに、かつ、確実に、戦時における性的強制により戦時性的強制被害者の尊厳と名誉が害された事実について謝罪の意を表しおよびその名誉等の回復に資するために必要な措置を講ずるものとする。2 前項の措置には、戦時性的強制被害者に対する金銭の支払いを含むものとする。」
     民主党案と同様、「賠償、補償」の規定はなく、「解決の促進、措置」を法でうたうものとなっており、民主党がいう「アジア女性基金でよい」という路線を確認したものといえる。
     ただ独自項目として、資料の保存等を加えている。(2000.10.28)
     
     

    SF連邦地裁、連合国側原告の訴訟について請求却下

     2000年9月20日、サンフランシスコ連邦地裁は連合国元捕虜や強制労働被害者が日本企業を相手に損害賠償を求めた訴訟の17件について、請求を棄却する決定を行った。一連の訴訟の管轄権が連邦地裁にあるとしたうえで、日米両政府と企業側の主張を支持、1951年締結のサンフランシスコ平和条約によって、連合国と国民が日本への補償請求権を放棄したのは明らかだとした。(交戦国以外・SF条約非締結国の訴訟は継続。)
     却下された17件の訴訟で被告とされた企業は、三菱、三井、石原産業、三菱マテリアル、新日鉄、日本車両、日本鋼管、ジャパンエナジーなど。
     
     

    旧日本軍の元従軍慰安婦15人、米国で集団訴訟を起こす

     2000.09.[ワシントン18日ロイターから]
     1930年代から40年代に日本軍の従軍慰安婦であったアジア人女性15人が、日本からの謝罪と損害賠償を求める集団訴訟を、米連邦裁判所に起こした。
     原告側弁護団によると、原告らは戦時中に日本の占領下にあった中国、台湾、韓国、フィリピンの出身。慰安所での待遇や性暴力に加え、終戦後に日本側から放置されたことを問題視している。
     元慰安婦が米国で日本を提訴したのは、今回が初めて。

    *韓国、米国の報道その他から、提訴はコロンビア地方裁判所(CLASS ACTION COMPLAINT JURY TRIAL DEMANDED)。外国人不法行為告発法を根拠にしている。
     韓国人元「慰安婦」は6人で、ファンクムジュ(黄錦周)、キムプンソン(金粉先)、キムサンヒ(金相喜)、イヨニョ(李容女)、キムポクトン(金福東)、キムスンドク(金順徳)さん。
     

    米議会 韓国の元「慰安婦」らに「尊厳および名誉の女性のための2000年人権賞」

     9月20日、米ワシントンのレイバンビル(議員会館)で、主催WASHINGTON COALITION FOR COMFORT WOMEN ISSUEによって、韓国、フィリピン、台湾などの元「慰安婦」に、「尊厳および名誉の女性のための人権賞」が授賞された。韓国は6人で、キムサンヒ(金相喜)、ファンクムジュ(黄錦周)、キムウルレ(金殷禮)、イヨンス(李容洙)、キムプンソン(金粉先)、ムンビルギ(文必基)さん。
     ほかに、フィリピン2人、中国、台湾各1人の計10人が受賞。
     授賞式には、エバンズ民主党下院議員、ルービン米国連人権委員会担当大使、ローゼンボーム司法省特別査察室長も出席した。韓国大使館からは出席者がなかった。
     

    アジア女性基金理事長に村山元首相が就任 → りんく(2000.9.1.)
     

    韓国の元「慰安婦」キムクンジャ(金君子)さんが寄付

     【韓国発】韓国の元「慰安婦」、金君子さんは8月30日、5000万ウォンを「美しい財団」に寄付。孤児のための奨学金として使われることを望んでいる。
    (金君子さんはナヌメチプ在住)
     

    「慰安婦」措置法で民主党、社民党、共産党が共同提案めざし調整(2000.8.13)

     このほど、民主党の戦後処理問題プロジェクトチーム(本岡昭次座長)は、この方針を公表した。いずれも政府の謝罪、金銭支給、検討会議の設置を内容とし、補償そのものは明文化していない。「解決のための措置」を図ることを主眼としている。
     8月2日「立法解決」市民グループとの懇談では、民主党ネクストキャビネット千葉景子男女共同参画・人権・総務部門大臣、本岡昭次座長、共産党吉岡吉典議員、社民党清水澄子議員が出席し協議。8日、第一回の共同提案作業会をもち、「謝罪と金銭の支払い」を内容とする民主党案を元に、民主、共産、社民が一本化に向けて作業を進めることに決めた。まとまれば、秋の臨時国会に共同提案したい、としている。
     なお、本岡議員は4月、先の「法律案」提出にあたって、アジア女性基金幹部と会い、「今後、アジア女性基金を妨害しない」「政府が前面に出ることが大事」「実行機関は「基金」でよい」などと述べている。その際、「基金」専務理事と「和解の」握手をした。(更新8.15)
     

    日本共産党は2000年7月27日、日本共産党国会議員団として「戦時における性的強制に係る問題の解決の促進に関する法律案要綱」を発表した。
     
     同要綱は、同党HPに掲載されている。(2000.8.3)
     

    民主党提出の「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」、国会解散で廃案(2000.6.)

     提案、審議にいたるまでもなく廃案。そういう見通しができる状態での会期末の提出だった。
     

    2000.5.25.朝、官邸記者会室、共同利用コピー機そばで発見と報道された
    「指南書」全文(原文のまま、と注釈)

    明日の記者会見についての私見
    ▼今回、記者会見を行うことによって、「党首討論はやらなかったが、森総理は、この問題で逃げていない」という印象を与えることはできると思います。ただ、今回の会見は大変、リスキーで、これまでと同じ説明に終始していると、結局、民放も含め各マスコミとも、「森首相 “神の国発言”撤回せず 弁明に終始」といった見出しを付けられることは、間違いないと思ってください。官邸クラブの雰囲気をみますと、朝日新聞は「この問題で、森内閣を潰す」という明確な方針のもと、徹底して攻めることを宣言していますし、他の各マスコミとも依然として「この際、徹底的に叩くしかない」という雰囲気です。
    ▼「間違ったことは言っていないし、これまでの国会答弁などとの整合性を考えると、発言の撤回はできない」という意見は、よく判ります。また官房長官も昨日、会見で「撤回は考えていない」と言っているので、官房長官発言との整合性もあるでしょう。しかし、会見する以上、総理の口から「撤回」と言わないまでも、「事実上の撤回」とマスコミが報道するような発言が、必要だと思います。そうすれば、マスコミも野党もこの問題をこれまでのような調子で追及することはできなくなります。その場合、「なぜ、これまでの発言と変えたのか?」と質問されると思いますが、その時は、「真意を分かってもらえば、誤解は溶けると思ってきたが、その後も現実に、多くの方に誤解を与え、迷惑をかけたので」と言えばよいと思います。
    ▼「事実上の撤回」と受け取ってもらうための言い方ですが、「私の発言全体を聞いてもらえば、決して間違ったことを言っているのではないことは理解してもらえると思ってきたが、一部、発言に舌足らずのところがあり、現実に、多くの方に誤解を与え、また迷惑をかけたことは事実だ。従って、発言全体の趣旨について撤回するつもりはないが、『日本は天皇を中心にしている神の国である』と発言した部分については、取り消したい」などと冒頭で言明した上で、神崎代表が言っているように、国民主権と信教の自由を堅持することを明確に説明すればいいと思います。いずれにしろ、こうした発言は、冒頭で明確に言った方がよいと思います。また、こうした方針の転換をするのであれば、事前に官房長官と幹事長に了解していてもらうことが不可欠だと思います。公明党から直ちに歓迎の声をあげてもらうことも必要です。
    ▼会見では、準備した言い回しを、決して変えてはいけないと思います。色々な角度から追及されると思いますが、繰り返しで切り抜け、決して余計なことは言わずに、質問をはぐらかす言い方で切り抜けるしかありません。先日、総理自身が言っておられたように、ストレートな受け答えは禁物です。それと、朝日などが騒いだとしても、くれぐれも時間オーバーをしないことです。冒頭発言も短くし、いつくか質問を受け付けて、二十五分という所定の時間がきたら、役人に強引に打ち切らせるようにしないと、墓穴を掘ることになりかねません。(近藤広報官にそれが出来るかどうか心配ですが)総理就任の会見の際も、最初は好評だったのに、予定をオーバーした際の質問に、総理が丁寧に答えていた部分が、逆に大変、不評でした。くれぐれも、会見を長くしないよう、肝に命じておいて下さい。
     

    在日外国人戦没者弔慰金、参院で法案可決 来年度から支給へ

     毎日新聞社  5月31日11時28分 より

     第2次大戦中、旧日本軍の軍人・軍属として死亡したり、重度戦傷病者となった在日外国人や遺族に対し一時金を支給する「平和条約国籍離脱者の戦没者遺族への弔慰金等支給法案」が31日午前の参院本会議で、与党3党と共産党などの賛成多数で可決、成立した。政府は2001年度から支給を始める。
     

     支給対象は旧日本軍に徴兵・徴用後、1952年のサンフランシスコ平和条約で日本国籍を失った朝鮮半島・台湾出身の元軍人・軍属と遺族のうち、国内永住者が対象。戦死者の遺族には弔慰金260万円、重度戦傷病者には見舞金200万円と老後生活設計支援特別給付金200万円の計400万円を支給する。支給申請の受け付け期間は01年から3年間。法案は第一条で「人道的精神に基づく」支給であることを明記している。
     

     旧植民地出身の元軍人・軍属は戦後、日本国籍を失い、恩給・年金の対象外とされた。その後、韓国在住の戦死者遺族には、韓国政府が74年に一律19万円を支給。また、台湾在住の遺族、重度戦傷病者に対しては、日本政府が88年に一律200万円を支給した。だが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)在住者と日本国内居住者には補償措置が取られていなかった。
     

    米政府機関「ナチス戦犯資料調査グループ」が731部隊、「慰安婦」などの資料を調査

     24日、同グループは、「ナチスとその同盟国の戦争犯罪」を調査する法により、731、「慰安婦」、南京虐殺、米兵捕虜強制労働などの調査に入ると発表した。1998年、ナチスによるユダヤ人強制労働の追及の運動をうけ議会で設置を決定した機関で、大統領が99年、国務省、CIA、司法省などの公文書担当職員や専門家をメンバーに任命し発足。各省庁の秘密指定の資料を調査し、国家安全保障に支障のないかぎり、すべて公開する。(5.26.2000.毎日新聞)
     

    韓国・ナヌムの家園長、ヘジン氏、「慰安婦」でアメリカで損害賠償の提訴を発表

     23日、ナヌムの家(ナヌメ・チプ)のキム・スンドクさんら「慰安婦」9名を生存140人余りの代表として、日本企業を相手にアメリカで提訴する、と発表された。ナヌムの家・ヘジン氏らが記者発表したもので、アメリカの弁護士とともに、日本の船舶・鉄道会社と医薬品製造業界を追跡しハルモニたちを利用し利益をあげていた事実を証明して、損害賠償請求を提訴するという。(5.24.2000 .朝鮮日報)
     

    ドイツ、強制労働などに「官民補償基金」

     ドイツで5月19日、ナチス時代のドイツ企業による強制労働につき、連邦議会で補償基金設置法案を可決した。ユダヤ人や東欧諸国の人たちを対象にしたもので、この夏までに「基金」を立ち上げ、年内に支給を始めたいとしている。「基金」は、政府が50億マルク、ドイツ企業が50億マルクを出す総額100億マルク(約5042億円)の構想。
     この補償基金設立の動機は、アメリカでドイツ企業を相手取った強制労働損害賠償を求める集団訴訟の動き。「基金」発足にあたってドイツ政府は集団提訴を防ぐ措置をアメリカ政府との間で取り決めることを求めていて、交渉中。このような背景から、ドイツ企業は、現在30億マルクしか支出せず、政府は催促している。(5.20.2000.読売新聞、産経新聞)
     

    「慰安婦」問題裁判 弁護団協議会が賠償法案要綱

     「慰安婦」関連7裁判の弁護団協議会(藍谷邦雄弁護士代表)は4月27日、「戦時性的強制被害者賠償法要綱」をまとめ、発表した。「慰安婦」について「反人道的行為」として国の謝罪、個人への賠償を行う。内閣所管の独立行政法人「被害者賠償委員会」により、立法後5年以内に賠償金を支給する、という内容。(4.28.2000)

    【関連】「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」(恒久平和調査局設置案) 超党派の国会議員でつくる「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」(会長=浜四津敏子・公明党代表代行と鳩山由紀夫・民主党幹事長代理=当時)が1999年8月10日、衆院に提出した。現在、議員百十八人が賛同し、次期国会での成立を目指している(報道)。しかし、自民、公明党が乗らず、審議・成立の見通しはない、と民主党・田中甲議員。
     社民党は同99年8月13日、「戦争被害の補償等に関する法案」を発表。(5.7.2000.)
     

    「基金」否定運動も民主党法案を評価し妥協へ動くか

     「慰安婦」問題に関しアジア女性基金を否定し、「国の法的責任、公式謝罪、国の補償」を非妥協的に主張してきた日本の運動グループ代表がジュネーブでこのほど開かれた国連人権委員会でNGOとして発言し、民主党が参議院に提出した「解決促進法律案」を「重要な進展」と評価した。
     「私たちは委員会のメンバーにいくつかの重要な進展を報告したいと思います。昨日、日本の参議院に本岡昭次議員と民主党によって一つの重要な法案が提出されました。この法案は戦時性奴隷被害者に関する問題の解決を促進するものです。これは日本政府が公式謝罪と個人補償を行うための日本の国会議員による最初の公式の提案です。日本の国会によるこうしたイニシアティブは日本政府がこの問題を誠実に解決しようとすることに対して否定的であった態度を効果的に転換させるものであることを私たちは希望します。」(有光健氏)と述べたと伝えられる。

     成立の可能性はともかく「法案提出」を「運動」側は評価して期待をつなぐ姿勢と読み取れる。国連の特別報告者もかつてアジア女性基金は「ユースフルステップ」「歓迎する」ともいっており、しかし「日本政府は法的責任を認めていない」とした。「国が法的責任を認めて個人補償」の課題を内容としているかのようなこの「法案」で実際にはその目標は先延ばしにして妥協し、その成立のための運動を展開することになりそうだ。(4.25.2000)
    → 促進法律案
     

    映画「息づかい」上映会場でキム・ユンシムさんがあいさつ

     一週来日を延期していた韓国の「慰安婦」被害者ハルモニ、キム・ユンシム(金允心)さんが来日し、4月15日、出演した記録映画「息づかい」(ピョン・ヨンジュ監督)の上映館・東中野BOXで舞台あいさつした。もっぱら自著の日本語翻訳版出版の話だった。
     この作品では「慰安婦」被害者を名乗るイ・ヨンス(李容洙)さんが数人の被害者ハルモニを訪ね、体験などを聞く経過が描かれるが、聞き役が事前に頭に入れた話を自分で語ってしまう展開で失敗。そのイ・ヨンスさん自身の真実性ある話はこの中にはない。キム・ユンシムさんの語りは、淡々としていて重く、リアルだ。「韓国ではいまも「慰安婦」ハルモニをさげすむ。人前に出るのは恥ずかしく、肩身がせまい。キム・ジョンピル(金鍾泌前総理だろう)などは、いつまでも昔の話をしてどうなるのだ、という」「アメリカに行ったときはよかった。私たちの勇気を認めてくれる」「運動に出るようになって、明るくなった。たがいに気持ちがわかるハルモニたちと話ができるから」…。
      金順徳さんなどの顔、挺対協の尹貞玉共同代表らも見えた。水曜日恒例の在韓日本大使館前示威のあと、挺対協はハルモニたちを食堂に集め、いろいろと情報収集をし指示するらしい。その尹貞玉代表が「あんたたち、日本の金を受け取ったら、自分で行った、ただの売春婦になる」と、ハルモニたちを脅しているといったことは、一般には、日本に伝わってこない。(ハルモニたちから挺対協がこういっている、と情報が入る。)ハルモニたちだけの集まりの中で、どのハルモニだったか、「裁判を長くやって、判決が300万ウォン(30万円相当、関釜裁判判決のこと)だってさ。控訴したけど」と、自嘲するように鼻で笑う声も出ていた。4.15.2000
     

    民主党が「戦時性的強制被害者問題解決促進法律案」を国会に提出

     民主党(鳩山由紀夫代表)が4月11日、参議院に「戦時性的強制被害者問題解決促進法律案」を提出した。
     同党参議院議員会長・本岡昭次議員、千葉景子議員、竹村泰子議員らが推進した立法解決案。(4.15.2000)
     → 促進法律案
     

    民主党  本岡議員、アジア女性基金容認

     民主党の本岡昭次参議院議員は、このほど、「戦後補償」に関し、これまで実際にアジア女性基金に対して妨害にあたる対応をしたが、今後はそうした行動はとらないとして、従来の姿勢を変え、事実上アジア女性基金を容認、「法律案」の実際は、アジア女性基金でよいということだと表明した。同党が「戦時性的強制被害者問題解決促進法律案」をまとめ、国会に提案することに関連して、述べた。本岡議員は民主党「戦後処理問題プロジェクト」チーム座長。(4.7.2000)
     

    韓国・挺身隊問題対策協議会(挺対協)、台湾・財団法人台北市婦女救援社会福利事業基金会(婦援会)が民主党「促進法案」に賛意

     民主党の本岡議員は、同時に、挺対協と婦援会が、同党の「解決促進法」案に賛同し成立を期待する旨、連絡があったことを明らかにした。「促進法案」を両団体に説明し、反対なら破棄するがどうかと回答を求めて、双方から了解するとの回答を得たという。(4.7.2000)
     

    韓国ふくむ「慰安婦」被害者160人以上がすでに「アジア女性基金」を受け取り

     日本政府と国民によるアジア女性基金の「償い金」(一人200万円)などを、韓国、台湾、フィリピンの「慰安婦」被害者160人以上が4月までにすでに受け取っている。これは、当初予想された対象者の過半数を大きく上回る数字となっている。
     アジア女性基金については、主に運動団体が、「被害者たちは反対して受け取らない。韓国などで一人でも受け取る人がいますか」といっていたが、それを裏切る結果となっている。とくに韓国挺身隊問題対策協議会周辺は、現在まで「慰安婦」被害者に対して「受け取れば民族の自尊心を売り渡すことになる。自分から行った、ただの売春婦となる。受け取ってはならない」と公然と拘束してきた。また同団体の金某氏らは、被害者個々人につき、アジア女性基金を受け取ろうとするかどうか監視活動を行っており、「受け取るなら、韓国政府生活支援金(一時金と毎月)を止めさせる、あるいは返還させる。政府が優先永久賃貸されているアパートを出て行かせる」と、被害者たちを脅している。
     こうした運動の都合のための「被害者脅迫」がつづくなかで、「慰安婦」被害者は、「態度を決めるのは私たち被害者だ。団体にはもう利用されたくない」と1998年夏に公表している。2000.4.7.
     

    韓国挺対協、日本大使館前示威400回

     1992年1月8日以来、韓国・ソウルの日本大使館前(工事中で現在は教保ビル内のため近くの広場)で毎週水曜日行われてきた運動団体「挺対協」の示威(デモ)が、3月1日、通算400回となった。この記念のデモには、被害者12人ほか挺対協、市民、学生ら400人が参加。被害者の一人、金允心さんは、「日本が頭を下げ謝罪するまで抗議をつづける」と述べた(韓国日報)。
     挺対協は2000年12月、日本で「2000年日本軍性奴隷戦犯国際法廷」を開催する、と述べた(ハンギョレ新聞)。
     2月29日、「分かち合いの家」に住む金順徳さんは「姜徳景さんが死亡する直前、私の分までといった。その後3年経過したが、公式謝罪と賠償を受け取っていないので、胸がつまる」と述べた。朴玉蓮さんは「冬の集会がもっともきつい。…挺対協から電話があったときはためらったが、今は謝罪を受けるのが重要となった。われわれは死ぬときは集会に行く途中で死のうと約束した」と述べた(朝鮮日報〕。2000.4.7.

    *日本には、韓国の「慰安婦」被害者から、「挺対協から、デモに出てくれといって電話がうるさいくらい来る。しかし体もきついし、もう出たくない。賠償だ、補償だといって、なにもないではないかと、断っている」という電話も来ている。