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第2回 『GSD科ってどんなとこ? Part 1』
 ゲームサウンド・ディレクター科は、簡単に表現してしまえば『音楽を作る学科』なのですが、こう言ってしまうと『ミュージック科と何が違うの?』という疑問が出て来るでしょう。
 ゲームサウンド・ディレクター科はCG学部のゲーム関連学科のひとつで、特に『ゲーム会社に就職したい』と考えている方を対象としています。「ゲーム会社に就職したい」と希望をもつ方は、どちらかというとミュージシャン志向、プレイヤー志向ではなく、「ゲームの中で自分の曲を流したい!」という方、あるいは「ゲーム会社に就職したいが絵は苦手だし、プログラムは組めない。音楽なら出来るかも……。」という方が多いようです。つまり、音楽に対しては初心者あるいは初級レベルであったり、楽器は何も演奏することが出来ない方であったりする場合もあるのです。そういうことから、『これから音楽を作って行きたい』と考えている方も対象としています。
 カリキュラムは、前号で記載しました「DTM」と「サンプリング」に「楽典」を加えた三本柱を中心としています。「ナニ、楽典?」と思うかもしれませんが、理論を知ることは『広い視野』ということから見てもとても大切なことなのです。「音楽はセンスだ!フィーリングだ!」というのは正しい意見です。それは本当にその通りなのですから。そう考えると理論など知らなくても音楽は作れます。しかし、理論を知らないと作れないものもあるのです。また、センスやフィーリングも、いつかは駆逐するかも知れません。「今」よりも「先」を考えても理論を知ることは大切なのです。
 「楽典」といっても、そんなに難しい授業は最初からは行いません。まずは中学のレベルからのおさらいをして、それから徐々に詳しい内容へと進んで行きます。内容としては、特に必要とされる項目を選び、より詳しく丁寧に、全員が理解するまで説明しています。『楽譜が書けない人も書けるように、読めない人も読めるように』がコンセプトです。その上でコードやスケールなどを学んで行きます。それによって、今まで分からなかった、あるいは使えなかったコードも使え、よりよいアレンジの施された曲作りができるようにもなって行きます。
 また、ゲームサウンド・ディレクター科は1年制であることから、そのたった1年間で何ができるようになるのか疑問に思われがちです。しかし入学された生徒は、卒業するまでにちゃんと曲作りが出来るようになっています。それは、生徒一人ひとりが「音楽が好きだ!」「音楽を作りたい!」という《情熱》と《目標》を持っているからでしょう。その情熱を充分に発揮し、目標を達成してもらうために、ゲームサウンド・ディレクター科の授業はとても『自由な環境』を提供しています。これはすなわち『作品制作に最も望ましい環境』とも言えます。曲作りをしていても、煮つまってしまったり、スランプに陥ったりと、障害はよくあるものです。そんな時は少しでも頭を休めなければ、自分の納得する作品は仕上がりません。休息の方法は生徒それぞれですが、そうしていくうちに自分自身のペースもつかめます。『自分のペースでより良い曲作り』ができるのも、ゲームサウンド・ディレクター科の特色の一つとなっています。
勝手に校正された記事はこちら(注:PDFファイルです)